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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
得意分野で勝負編
81/204

第14試合目 1

 11月はすぐそこに近づいている。明日には11月だ。食卓も心なしか温かい料理の比率が増えている気がした。11月の北海道、珍しくオフシーズンである。大雪山の紅葉はもう散ってしまった頃か。北海道ならではの地元民イベントなら『鮭祭り』なんかがある、どうやら風良ふうらかなではそのイベントに参加してきたようだ。

「副部長、流石でした。アウトドアタイプなだけありますね」

「奏君も最後の方で捕れたみたいで良かったよ」

 そのイベントの時の話で盛りあがる男2人、話の合間に真奈部長が割り込んでくる。

「その鮭の事だけど、私のお母さんがおすそ分け感謝してるって言っていたわ。私からもお礼を言うわね」

「美味しく食べてもらえたんならそれでいいんだよ!」

 イベントでの逸話状態になった事実を奏が興奮気味に伝えた。

「副部長、すごかったですよ。魚取り名人かのように50匹以上捕まえていましたから。1人10匹以内にしてくれってイベント主催者さんに泣きを入れられていました」


 風良はどうやら野外活動やサバイバルが大の得意のようである。アウトドアが好きという情報は知られているものの、そこまでとは。

「私も奏と一緒に鮭を焼いたり、鮭鍋をつついたりしました。本場の魚は違いますね」


 そんな話をしている奏達(もちろん番組出演者全員共通の話題とも言えるが)、番組収録日もイベントや番組についての話に花を咲かせている。

「北海道はもう真冬な感じですが、秋の自然の恵みも最高でしたよ~」

 ただいま、番組収録のあるケーブルテレビ局への移動中。先程の有音の言葉通り、北海道は本州の真冬並みの寒さになっている。ダウンジャケットや手袋のような防寒着は必須だ。北風が吹かないだけマシといえるだろうか。


「そうね。冬は冬で旬の食材があるし、前の試合でアレンジ勝負を見せられたからこそ、もっといろんな料理の可能性を広げたいと思っているわ」

「部長もなんですね、実は私も!」

 ケーブルテレビ局の入り口に到着。真奈が代表で預かっている出演者用パス4人分ちゃんと忘れずに持ってきているはずと確かめている所で香理と込流がやってきた。


「あっ、皆さん。おはようございます」

「おはようっ、料理部の方達」

 同じ番組に出演しているのだからTV局前や駅前などで会う事もあるだろう。風良副部長が込流に「うちの学園の部活、正式名称は」と言おうとした所で「わかっているさ。料理研究部だろっ」などとたわいもない話をしていた。他の3人はこの2人の組み合わせは珍しいなという視線を向ける。

「私と込流さんが一緒だなんて珍しいな~って思ってましたね」

 それに関して奏達は否定してもしょうがないと首肯する。香理が訳を強調した。

「偶然ですよ、ぐ・う・ぜ・ん。駅を出た所で前に歩いているのを見かけたから。食べ物についての話とかをしていただけです」

 


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