第13試合目 6
まずは高美の料理について、審査員達がメモを取っている間に審査席の机に置いてあった食後のお皿が片付けられ、次に香理の料理が運ばれてきた。
「香理君の料理は豆腐とひき肉が多いからあの料理をイメージするが……見た目はそうでもないようだ」
そのメインおかずをレンゲですくって一口。
「ピリッとした辛さはあるが、豆板醤の辛さとは結構な違いがある。同じ様な材料で調味料を変えただけなのにって驚きがあるな」
続けてスープとパスタも口に入れた番参審査委員長は特にそれらの話をせず、清と奏に審査の番をゆずった。
「メインの辛さをこのツナと水菜のパスタで中和するのかな。良く出来ている」
「僕もこれは良い方法だって思いました。サブおかずでもスープでも味の変化を楽しみながら食べられるという点が」
香理は作る前から考えていた定番料理っぽいのに何かが違うというのを出せたとある程度実感できたなという手応えの様なものを覚える。
2人の審査が終わった。出番が来たと司会者が審査員の3人に確認後、ボタンを押してもらおうと用意を頼む。
「何だか面白いと感じる今回でしたが、結果としてはどうなったでしょうか? 結果出ますよ」
電光掲示板に2人のメインおかずが出現し、味と独創性から結果が導き出された。
豚肉チンジャオロース (高美 53点)
清 味総合 9 独創性 9
番参 味総合 8 独創性 8
奏 味総合 10 独創性 9
27 + 26
豆腐とひき肉のポロポいため (香理 53点)
清 味総合 10 独創性 8
奏 味総合 9 独創性 8
番参 味総合 10 独創性 8
29 + 24
点数のバランスが良かった評価と、主に味を評価された結果でたまたま同点になったのだが、まずは審査員達の意見を聞いてみよう。
「見ての通りなのだが、まずは良かった点と改善点を話してから3人の総合評価の高かった方を教えたいと思う」
審査委員長が続けて話す。
「そういう訳で高美君の方から。チンジャオロースに合う普通は使わない野菜を提案してくれたら評価が上がっていたかもしれん、参考にしてくれ。後味が普段のチンジャオロースと違ったのは印象に残ったよ」
番参の意見の後、命《司会者》が、奏に香理の料理に対する良い点と改善点はどこか問いかけた。
「それではお話します香理ちゃんの料理は見た目が定番料理に見えがちだからこそ独創性の面でこれくらいの点になったのかと。それなのにこの味って驚きが総合評価につながったんでしょうね」
「奏君が言い忘れていたから付け加えるけどあっさり系材料でスパゲティをおかずにした所とかが味の引き出しを増やしたような? スパゲティはお弁当のおかずに使えたりするし」
番参審査委員長と奏に清、3人の審査員達の話から高美と香理は言われた事を元に料理を改善しようと決める。
「まずは審査評価について説明していただきましたね。これから本当に勝者が決まります。1人ずつお願いします」




