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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
48/204

第10試合の前に―― みんなで作ろう 4

 そんな中で彼らに負けないくらいはしゃいでいるかなでの姿があった。

「今日は審査をする日じゃないと思って頂ければ。お菓子を使った独創的な料理を好きに作ってくださいね。お菓子と食材の組み合わせも大歓迎」

 観客席から歓声があがった。今までとは異なるお菓子メインレシピに期待をふくらませているように感じる。


  ◇               ◇            ◇

 すぐ作れる、それに誰でも作れそう試せそうというお菓子レシピを完成させているものがいたり、このお菓子にはこういったトッピングが合いそう的な話をしている人達がいたりした。スタジオ内のいろんな場所でそれぞれがワイワイ盛りあがっている。しばらくどのお菓子を使えば美味しくて見栄えの良いレシピになるだろう的な流れを観客席の人達や視聴者に与えられるのかといった感じなのかと思っていたら――

 いつの間にやらお菓子と食材の組み合わせの新鮮な驚きがあるレシピが作られているのに見ているものは魅了されていった。


 誰がどんなお菓子レシピを作っているのか見ていこう。

最初に有音と真奈が箱入りビスケットと牛乳に生クリームを用意しているところから。

「それと砂糖と、かけたかったらココアも持ってきて」

 真奈に頼まれてココアを用意する事にした有音。それから砂糖は大事よねと置いてある場所に行こうとした所、そこにいた香理に手渡してもらう。

「どうぞ有音お姉さん。それと……私も一緒して良いですか?」

 年上の人にお願いするからか、遠慮がちに上目遣いな香理の可愛らしさについ抱きしめたい衝動に駆られる。その気持ちを自制心で抑えた有音が笑顔で承諾した。

「もちろんよ。3人で作りましょう」

 有音と香理が2人して材料を真奈の所に運んだ。真奈と目があった彼女はぺこりといった感じのおじぎをする。

「こんにちは。今日は有音お姉ちゃんの許可をもらって作りに来ました」

「あらあら、かしこまりすぎよ。ようこそ」

 真奈は初々しい香理の様子にニコリと笑みを作った。もしかしたら妹が増えたみたいな感覚なのかもしれない。


「この小さなボウルに砂糖大さじ2杯とココアを少量入れて混ぜれば良いですよね」

 OKサインを声に出さずジェスチャーで表現する真奈。そんな真奈の動作一つが香理の嬉しい気持ちを高める。真奈にまさかの母性を感じている可能性があった。面倒見の良いお姉さん的な存在が有音で、頼り甲斐のあるヤンママ的存在が真奈(もし本人に知られたら怒られるか苦笑するかの二択だろうが)彼女達に香理は刺激を受けていた。

「さて、ビスケットを牛乳に浸したわよ」

 ほんの10秒くらいビスケットに牛乳を吸わせたものを有音に小皿ごと渡す。生クリームの準備を終わらせていたのでのせ始めた。このレシピではビスケットを大量に使うのが美味しいと判断して7層✕10枚というお菓子パーティーに使えそうな一品が出来あがる。

「このお菓子に工夫した一品なんですが最低3時間は冷やして欲しいんです。だから実は――」

 どことなくお茶目さ演出して有音がココアを少しまぶしたビスケットケーキを冷蔵庫より取り出した。

「こういうレシピだったもので昨日から冷蔵庫に入れてもらっていました。審査員さん達にお詫びという名目で」

 

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