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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
44/204

第9試合 有音VS奏 8

「いや~、この番組初の修羅場!? な展開にどうなるものかと思いましたよ。無事に番組が終われそうで良かった」

 司会者の命が背広の胸ポケットからハンカチを取り出して汗を拭う動作をした(多分冷や汗ものだったとのパフォーマンス)番組終了テロップが流れている時に有音の料理に足りなかった"あたたか味"というものが何か両者の料理が観客達に少しでも振る舞われたのはまた別のお話。


"あたたか味"に気づきやすかった層は忙しさにかまけて手抜きをしてしまう共働きの夫婦だとか一人暮らしがそれなりに長い者、料理をあまり作らない作るのが苦手な人だとかそこら辺の人達だったそうである。


               ◇                ◇

 

 番組が終了して料理を食べ終わった後はいつもの出演者達と雑談や料理についての情報交換を調料学園研究部の面々(奏達)で行っている。そろそろ帰りましょうという部長の提案でテレビ局の人達に頭を下げてからスタジオから出た。

 晴れ晴れとした表情をした有音の顔が少し陰った。それはある種では責任感の表れ、幼なじみや先輩達に心配をかけてしまったから。そんな彼女は気が済むまで謝罪したいと思う。でも度がすぎるとそこまでする必要はないと全員に言われそうなので反省の言葉を短く凝縮する。

「謝っても自己満足にすぎないのかもしれません。でも言わせて下さい。心配のお声かけをしてもらった時、体調を気遣ってもらった時など突き放してすいませんでした」


 やはり有音の回復変化にすぐ気づいたのは奏である。

「僕が有音の家に行った時に感じた寒気というか怖気のようなものが表面化しなくなりそう。良かったね」

 そう言われて彼女は感謝の言葉を口にした。

「料理の道にいざなってくれた奏の力で助けてもらえたのは大きいわ。結果的に大切な心の持ちようもわかったし」

 彼らの話が終わったところで真奈先輩が話に参加する。

「自信をもつことはプラスに働く事が多いわ。でもこうまで急激にだとね……大した事の出来なかった不甲斐なさに腹が立っちゃう」

「でも1度なれば予兆はわかるようになるはず。いつでも手を貸すからさ」

 もう1人の先輩、風良副部長にも優しく手助けを約束してもらってお礼をいうくらいしか出来ずにいた。

「ありがとうございます先輩方! 自分の気持ちをコントロールできるように頑張ります」


 一旦話がまとまったのだから蒸し返す必要はないと思っていたのだが――帰宅時の電車内でも有音が真奈に今回の話で起きた事の経緯についてなど相談のような形で話し込んでいた。

「それでどういった経緯で今回のような異常な気持ちの高ぶりが起きたのかわかるかしら」

「う~ん。自分では急に起きた気がするし、料理が美味しく作れたという経験は自信を持てはしましたけど嬉しさが勝っているので高ぶるって程な覚えは」

 もしかしたらという範囲まで広げて考えてみてと真奈先輩に言われて思いにふけったところ、考えつく。

「予想ですか?  これとこれ《さまざまな食材の組み合わせ》を使って作ってみたところ予想通りになったという経験を。頭で思い描いた事を再現出来たという時はかなりの喜びを感じたような」

「可能性としてはありそうね。料理の思い描いた味再現なんてそうそう簡単に出来る事ではないから」


 彼女達が話し込んでいる内に全員の最寄り駅に到着したので風良が真奈へ、奏が有音に教えた。ちなみにまさかの最寄り駅が一緒だったという話である。この地域では一番ファミリー層の多い駅だからという理由があるからかもしれない。

「そろそろ降りようか」 「着いたよ」

 駅から風良達先輩2人と奏達は別々の通り道だったのでそこでまた今度と手を振りあって逆の道へと去っていく。夕方には家に着いたのであった。



 この後の展開をどうするかって事で少し遅れる可能性もあるお知らせだけしておきます(展開途中まで書いてはいますけどね)

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