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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
34/204

第8試合 風良VS高美 4

「おおっと、いかんいかん。ノビる前に味も堪能させてもらわなくては」

 ラーメンはスープが食材と調和してこそ――スープですべてが決まるという『命』と考えても良い重要なものだ。番参審査委員長もそうしたラーメン研究家といった者達の意見に賛同するのでまずスープをすくう。

「この食材とスープの相性が良いのかあっさりした味わいで良い」

 その後で体調が良くなかった香理が少し不安そうにしながらもスープを喉に流しこみ、麺もちょっとばかりすすった。

「良かった。胃がもたれるかもって心配と無縁で。このスープなら飲めちゃいそう」


 審査委員長達が意見を話し終えたタイミングで、清と奏が目で合図アイコンタクトしあった。絶妙な間で自分の審査意見を伝える事に成功する。

「うん。最終的な審査発表の時にどこがどう良かったか悪かったかを話そうかと思うよ。今はこの大根のすべてを無駄にせず使い切る技法を絶賛するよ」

 奏は奏で審査員に選ばれたからには! と最初の頃より率直な意見を語り出していた。

「このあっさりしているのが関係しているのかどうかは不明ですけど替え玉を入れたくなりました。食べやすい」

 なかなか良い評価をしてもらえているというのは風良としても喜ばしい。実はこんな物も用意してみましたという料理があったのだが、そういえば先に言っておかなければ審査対象外にされるんだったなと彼は思い出した。土鍋で作ったラーメンとセットなご飯物をシメに食べてくださいと宣言しておく。


「今のうちに言っておかないといけないんでしたね。審査してもらった大根ラーメンのスープにご飯物を入れるのをシメにお願いします」

 少し考える仕草をした番参審査委員長がどうしたものかとうなってから風良に告げた。

「うう~む。今の時点で全部用意してあるというのが基本なのだが……お店などによってはご飯物を出すタイミングを決めているというやり方もあるしのう。シメの存在も麺類の醍醐味か。とりあえず結構ギリギリセーフなラインとでも考えておいてくれたまえ」

 何度か前の料理対決が思い出された。その時は審査員側の伝達ミスだったから減点1だったはず。前の対決の際の誰かさんは普通に食べてほしいものを出し忘れて注意を受けていたんだったか。あまり何でもかんでも許しているとルールの意味が減少している気がする、審査委員長は今度はどんな理由にしても例外を認めないようにしようかと考えにふけっていた。今の勝負はご飯物をシメに用意してあると宣言したから考慮の余地があったのかもしれない。


 どうやら風良の作った料理審査に一段落ついた感じだった。スムーズに高美の麺料理審査に移れるように番組スタッフ達が審査員達の席に運ぶ。

「今度はこちらの料理をいただかせてもらえばよいのだな。どれどれ、いつものごとく美味しそうではあるが」

 焼きそばに付きもののソースと辛味のある豆板醤が麺と野菜、合いびき肉全体的にからんでいた。

「むむっ、ピリっとしておるな。暑い日にはたまに食べたくなる感じで」

 今回の勝負のみ特別に審査員達の隣にいる香理が少しだけ食べる。

「野菜に塩こしょうが効いているのと辛さで味が強いなー。今の体調だと食べきるのは難しそうかも」

 その香理のためにちゃんと審査待ちテーブルに置いておいた手作りのはちみつ入りのヨーグルトドリンクを高美が手渡す。

「どうもありがとうございます。ちょうど飲み物が飲みたかったんですよ」


 甘みのあるヨーグルトドリンクで喉を潤した香理の様子を確認してから清と奏が食べた感想を述べた。

「野菜を多めに取れるという事、それから手作りソースがこの料理とマッチしている所が良いね」

「僕もこのソースとピリッと来る辛さのコラボが良いと思う。飲み物もこの料理と合うし」

 負けじと高美の作った料理も審査員達に優劣で言えば『優』の評価をもらっているようだ。食べ物に合いやすい汁物ではなく飲み物を用意した人は今までにいたかどうか(まあ料理に合う飲み物は番組側が用意している冷蔵庫の中から選べるという事実はある。なのでわざわざ飲み物に少し工夫して出すこと自体珍しいのだ)



 次の話につなげるための展開を入れていっていますが、読者さんがどう感じているのかが気になる今日この頃(なのでいつもより長めになっているかと)


頑張りますね!

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