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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
23/204

第5試合 風良VS想 3

「どうやらお2人とも審査開始しても良さそうですね。それでは審査して下さい」


 司会に促されてまずは審査委員長がまず『ツナとキャベツのカレー蒸し』を口に入れる。


「おぉっ、ツナにもキャベツにも塩けがついていてご飯がすすむ」

 その後、2人の審査員の意見

「カレー味だからね。好きな人も多そうだよ」

「しかも材料・味付けともにシンプル。ほぼ電子レンジに任せちゃえばいいし」


 どうやらあらかた評価を終えた様子なので司会が自分の仕事を果たす。

「想君の料理への審査は完了しましたよね? では風良君の料理に審査をお願いします」


 番組スタッフが審査員達に少なめによそってあるご飯・味噌汁付き風良特製料理定食を持っていく。だが、審査委員長の席には風良が自らの手でお盆ごと置きにいった。


「大根とツナのさっと煮です。ご賞味ください」


 風良がキッチンスタジオに戻るのを見送って、審査委員長がおごそかに口へ運ぶ。

「ふ~む。やわらかな味わいのツナと煮た事でやわらかくなった大根がマッチしておるな」

「うん、微妙に洋風な感覚だけど和風テイストで無難な味だよ」


 男審査員2人の意見と高美は違った感想を持ったのかどうかを風良は気にした。

「私としてはどこか安心する味だと感じたわよ」


 審査員達のコメントが短いのは審査評価後の勝因・敗因で伝える事があるからだろう.。とりあえず審査員の3人がボタンを押したので、電光掲示板が集計を始めて結果に反映された。


  ツナとキャベツのカレー蒸し     (おもい 55点)


   清  味総合    9     独創性 10


   高美  味総合   8     独創性 10


   番参 味総合    8     独創性 10


             25  +    30


   ツナと大根のさっと煮     (風良 56点)


    清  味総合    9     独創性 10


    高美 味総合   10     独創性 9


    番参 味総合    9     独創性 9


             28  +   28



 電光掲示板で結果が発表されたのを受けて、司会者が3人の審査員に勝因と敗因について語ってもらえるようにマイクを向けた。まず高美がおもいの料理が惜しくも敗戦した理由を話し始める。

「私達は問題なかったんだけどカレー粉と塩の合わさった味を美味しいと感じない人もいそうだとの判断から」


 その高美の評価に清も似たような評価らしく、つけ加えるような形で話を続けた。

「万人受けは難しいと思う……でも一緒につけたツナサラダは良い箸休めになったよ」


 少し間を空けて、理事長の番参も味がもう1歩だった理由を伝える。

「評価前に味について言及したのう。カレー粉と塩はどちらも主張の強いもの、調整が難しそうだ」


 まず想の料理審査で敗因が発表された。次は風良の料理へのメッセージだと審査員達が司会の進行を待っている。


「それでは勝因についてもお聞きしたいと思います。清さん?」

 司会のみことが聞きやすいのが清だったようだ。なので清が代表して勝敗分析を。補足説明が合った場合に備えて番参審査委員長も備えていた。


「大根を薄くいちょう切りにした理由は煮込んでいる時に味をしっかり吸ってもらうという意味あいがあるんだよね? その技術は良かったよ」

 清に代表して話してもらった番参審査委員長だったが、そういえば彼に言ってもらうつもりの事を言い忘れていたと気付く。


「今日は私のうっかりで……清くん、すまない。最後の説明が私がしよう」

 一度咳払いをして番参審査委員長が喉の調子を確かめた。

「煮込み料理というのは一般的に時間をかけて、味付けに使用した調味料を具材に染みこませる。だが、このレシピは短時間で煮物的な者が食べれるというのが高評価につながった」


 想や風良、2人とも審査結果に異論はなさそうだ。


「お兄さん、参りました。実際美味しかったですし」

「君の料理も試してみたいという魅力が出ている気がするよ」

 最終的に料理番組参加者8名と審査員がいろんな思いを感じながら試食をした事で何かをつかんだ者もいたかもしれない。




 次回の話からは少しずつ物語に変化を持たせようとしていきます。どう感じるかは読者さん次第

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