第21試合目 2
「みんな、みぞれ鍋が出来たわよ~」
番組観覧車が見ている中、何か寸劇(?)が始まった。かっぽう着を身にまとった高美の登場にお客様方がドキドキしながらどよめく。
「鍋ん中に毛ガニとか入れてくれんのか? あっ、そりゃわしか。毛が無い」
ハゲかつらをかぶった込流の見た目、そしてくだらないギャグから観覧者一同もこれはコントなんだなと察した。
「父さんのオヤジギャグは相変わらずだなぁ」
談笑しながら奏が食卓に。奏と一緒にいるのが自然な有音も場に溶け込む。
ーそしてー
「みんなで食べるとあっという間だね」
「そうねー、気持ちよく鍋つゆまでなくしてくれちゃって。雑炊が良かったのかも」
家セットの中にいる一家の外から子どもの声が聞こえる。
「大人のみんなにあいさつしたからコマ回ししよー!」
「寒いから嫌よ。家の子ども部屋でカルタがいいと思うけどなー」
正月の遊びについて結構な大声で話している想や香理の元にかみなりおやじ役の番参が怒鳴った。
「新年から耳障りじゃい。まったく人の事を考えていない子ども達だ!」
この時の彼には理由があった。そろそろ大切な用事が入る予定だったのである。子ども達は萎縮しっ放し。
「上鳴さん、○○さんの容体が持ち直したそうですよ」
かみなりおやじが良かったと落ち着きを取り戻す。そして謝罪の意味も込めて子ども達にお詫びがしたいと申し出た。
「私がすべて費用持ちで餅を振る舞おう。近所のみんなにもつきたてだと言って回るか」
怖いと思い込んでいたかみなりおやじの意外な一面を見たといえるだろう。
ーモチつきー
場面転換のナレーション、コントに参加していないと思ったらここを担当していた真奈。
「それじゃ加瀬君、頼んだよ~」
かみなりおやじ主催の餅つき大会で出てきたのは風良。奏と一緒に餅つき開始。「よいしょー」掛け声に合わせてひとつき、水をつけてこねる。その後に杵でつくのが早い。餅を
こねている手をついてしまった(ここで使っている小道具はゴムの木で作られた杵です)ちょっと手が腫れたじゃないかと見せる。しかし、その手はでかくなった様に見えるマジック
小道具。つき手とこね手を代わってと少し強引に交換。
「はいはいわかったわかった」
奏がつき手、風良がこね手で改めてスタート。杵が重いフリをして足を叩いた。叩かれた足がこんなに腫れあがったと見せると同じボケじゃないかとマジック道具を取って捨てる。
最後のオチは一悶着。杵を取ろうとしないでと肩や急所、それに腹などに当たる流れ。それらに番組側で音をつけて面白くしようとしたのだった。
「素人だからこその意外性でお笑い頂けたのなら幸いです。つまらない数分だったという場合は失礼致しました」
コントに使ったセットなどの片付けや着替えなどをCM中に終わらせてこれから本格的に料理番組開始という風に仕切り直す。
「皆さんこんばんは。本日は年末年始の一助になる試合を放送予定です。観てくださいねー!」
料理番組の余興で時間を使ったので自然といつもより押してしまっている。スピーディーに行動を起こしてもらえる様、出演者決めボタンが押された。
21試合目 料理対決出演者
『板野 真奈さん』 5回目
『包味 有音さん』 6回目
料理のテーマ 年末年始に作りたい料理
↑ 話の中の事
ちょっとストーリー調にしちゃって話に無理が? コントの裏事情まで書く必要なかったなぁ。
思いついて少しコントっぽい文章を書いてしまった。わかったのはお笑いを文章で伝える大変さ(汗)
作者は色々浮かんだものが面白くなりそうなら書いてしまうと思います。迷走のつもりはありませんが、読者さん方はそう思うかもしれませんね。。




