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クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
12/204

第2試合 有音VS香理 1

 ケーブルテレビで込流と風良の対戦が放送された2週間後、またもや奏達は8人全員呼ばれて応じてスタジオに来ていた。話を聞かせてもらった内容は、どうやら番組を毎週やるかもしれないという意見も出されているらしく、奏達も番組収録予定日に対戦相手を決めるシステムにする予定だからと説明を受けている。


「という訳でまた他の人が創作料理をする別試合の収録をさせてもらおうと考えられているわけです。そうそう、貴重な時間をもらっているのですから少しばかりのギャラを出すことも決定されました」

「ええっ!? そんな。料理の勉強にもなりますし」

 

 皆の意見を代表するかのように、奏が遠慮する。だが、時間をもらっているのはこっちだから受け取ってもらいたいとこの料理番組の企画立案をしたケーブルテレビプロデューサーはゆずらなかった。


「そう言わずにもらっておきたまえ。貯金するも良し、料理の材料費という手だってあるのだからね」


 番参審査委員長にまですすめられては断りづらい。ギャラをもらうことで話がつく流れになった。全員謝礼程度だからいいかと最終的には納得する(ちなみに小学生の想と香理かおりは自分名義の貯金通帳に入れてもらうと彼彼女らの両親と話がついている)


「今日の料理を作ってもらう2人はスタッフと話し合って香理君と有音君だ。2人とも準備を始めてくれたまえ」


                     ◇


ここから 有音サイド


 今の所、この番組が続くかどうか未定ではあるが仮に続けるとしたらランダムで料理をする2人を選択する機材の導入を考えているなどと番参審査委員長に教えてもらった。声をかけられた彼女達がキッチンスタジオへ向かう。多分自分より料理経験が長そうな香理に有音が優しく語りかけた。


「よろしくね、私が全力で戦っても勝てるかどうかわからないけど」


 年下だからってナメられないし、自分の料理の腕前はまだまだだと思っているので香理に微笑みかけて手を差し出したのだが――――――


「はううっっ!! す、すいません。お姉さん、わけ隔てなく相手を敬う姿勢が素敵で」


 おずおずとキッチンスタジオの影に隠れて、本当はもう少し私と話したそうな香理ちゃんの視線を愛らしい瞳から感じさせてくれるので、私としても「何? この可愛い小動物感」と思わずにいられない。


「私も頑張るね」


 勇気を出して私へ決意表明してくれた。嬉しい気持ちになる。そういえばと少し落ち着いた私は香理ちゃんの身長でこのキッチンの高さがあっていないと思った。


「ちょっといい?」


 収録時間にまだ若干の余裕があるからか、真奈部長が私にねぎらいの言葉をかけに来てくれた。


「こんな場所で戦うのはほぼ初めてよね? 緊張するなって言うのも酷だろうけど私とのアレンジ特訓を思い出して」


 この勝負にいつ選ばれるかわからないって軽く脅されながらも……考え方が悪かったかな、釘を差されながらも真奈部長に料理のアレンジを部活で教えてもらっていたんだよね、こんなに早く出番が来るだなんて思ってなかったけど。香理ちゃんの方のキッチンの高さについてだけど、小走りで司会者の所へ行ったから自分で教えに行ったんだろうな。


「さて、まもなく始まります。本日はキッチンスタジオについておさらいしましょう」


 司会者のみことによってボタン1つでキッチンスタジオの高低を変えられるという事が説明される。一番良い高さと勝負者が感じるものにキッチンスタジオの台の横側にある上下ボタンで上げ下げ出来るとの事、なるほどね。香理ちゃんのキッチン台が不自然に少し高く設定されていたのはこれを説明するためだったのか。司会者によってキッチンスタジオの料理道具・材料・調味料を使用するのが基本だという事を改めて確認させてもらった。


「今回は前と違う事があります。ルールと聞いて思い出してもらえるのでしょうか?」


 ルールはたしか3つだったはずである。奏達、番組出演予定者など両者を応援している人達はもとより、私と香理ちゃんも気づいた。




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