表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クッキング☆えんじょい   作者: 霜三矢 夜新
クッキング開始編
1/204

ちょい足し編

 僕は響奏ひびきかなで。基本的に地味な性格は悩みどころ=印象が薄いと思われがちだけど、料理の時は目の輝きが違うって良く言われる。小学校時代の調理実習でそういう姿を見せているから。ちなみに隣で僕に話しかけてきているのは、素朴な温かみを感じる性格だけでなく、たまたま料理を食べさせてもらう機会があった時もそんな印象を持った幼馴染の包味つつみ 有音だ。


「それでね、うちのお母さんが長電話していたものだから料理が焦げてたのよ。家に帰ったら黒い煙が出ていてもうビックリ」

「有音の家、災難だったんだね」


料理についての話題を話している2人とも職業はどこにでもいるような中学生である。


 そんな僕達なのだが、氷山番参という最近ちまたで有名な料理評論家(多分四十歳すぎ)にどうしたことか料理コンテストに出場してくれないかと要請された。


「君達、ちょっといいかね」

「はい、何でしょうか?」

 

 急に料理評論で有名な人物に話しかけられたので、今のような無難な対応が精一杯だ。


「実は情報源は言えないが君達の料理の腕を知っていてね。良かったらこの会場の見学をしてくれんか」


その料理評論家の人に『ちょい足しコンテスト』というチラシに目を通させてもらった僕達は興味を持った。


「でもそんな……急な話なので」


 戸惑っている僕らを見て、まずはどういう会場で何をするのかというのを見学するように誘われて、この町にある公民館でキッチン設備のしっかりしている場所を使用して行われている「チョイ足し」勝負を見る流れになった。突然の話だったけど興味を持った僕達は時間が空いていたので見学することに決める。


 そこで「納豆」に今回はその食材だったようだけど。何を加えれば違う味・食感・香りになるかということで、見た目基準では気配りの上手そうな皆素木想みなすきおもいという小学5年生の男の子と、飯尾香理という年齢不相応だけど包容力のありそうなふんわりした雰囲気の小学6年生の女の子が勝負しているところのようだ。


 想が用意したのは、普通なら納豆に用意することは考えることもないいちごジャムだった。彼が小さじ1~2杯加えていく。見た目としてはどうだろうというのはあるが。混ぜたらわからなくなったけど。


 対する香理が目をつけたのは中華になら合うもの多い「ごま油」だった。その調味料が和食のおかずに合うのか興味深い。


 もともとある食材に何かを足して、別の美味しさを見つけるのがメインテーマっぽいのでもう終わりである。


 そして、想と香理が審査員席に用意された机にチョイ足しした『納豆』を置いていった。審査委員長席には、こういう料理イベントに参加要請してきた番参の姿がある。他にも俳優顔負けのルックスを持つ期待の若手料理人、日中元清ひなかもときよしも審査に加わっていた。後一人は素人意見の代表者だろうか? 阿多高美というもの静かな印象が感じ取れた高校生くらい(?)の女性が座っている。


 最初に手をつけたのは香理の作った『ごま油』を足した納豆であった。

「食感にあまり変化がないかもしれないけど、何か食べやすくなった気がするんだよね」

「和食のおかず、納豆だけどごま油の香りが納豆独特の匂いを打ち消している気がしたわ」

 清・高美という二人の審査員が評価とともに、得点を考えている。

「ふむっ。人によるかもしれんが、これならば納豆が苦手な者でも食べられるかもっていうのがあるぞ」

 番参審査委員長の評価も高そうだった。


 続いて『いちごジャム』を足した想の納豆ちょい足し審査の番だ。これまた見た目としては変化がわからない。

「どう表現したらっていうのがあるけど、個人的にはこの味わいはありだね!」

「清さんの意見、わかる部分があります。そうですね~、当然甘くなりましたけどこれは食べてもらって判断してもらいたい味」

 このちょい足しはちょい足しでかなりの高評価っぽかった。

「納豆に甘み! 許せるものはぜひ試してみて欲しいと評価したくなる味である。では早速評価行くぞ!!」


 味の総合評価と、独創性を得点として出しているようだ。最高60点


                   ごま油足し(香理)


 清  味総合   9     独創性 8


 高美 味総合   9     独創性 10


 番参 味総合   8     独創性 8


          

         26  +       26


                  いちごジャム足し(想)


 清  味総合    8      独創性 9


 高美 味総合    9      独創性 9


 番参 味総合    9      独創性 10


             

          26  +        28


 

 評価が出たので、番参が結果を宣言する。

「皆素木想君の総合点54点。飯尾香理さんの総合点は52点。それにより今回の勝負は想君となった。勝因は独創性であったぞ」


 想と香理、両者アイディアあふれる試合だった。


 学園ものな部分もありますが、あまり学園とは関係ないところで料理勝負するものでジャンルは「その他」にしました。


内容一部修正しました。話の展開は変わりません。


番外編を書くことに決めたら、ジャンルは「学園」です(学校での部活メインなので)


ページ数はキリの良いところまでです(1200~1500文字くらい)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ