第五話目!
こんにちは^^
「そうだ!せっかく翔夜君が転校してきたんだから
どこか遊びにいかない?」
お弁当を食べ終わってからもみんなで雑談をしていると、
佐伯さんが唐突に提案した。
「あ、それいいですね」
と、音根さんは佐伯さんに乗っかるが、僕はどうにも乗り気になれない。
なにせ母さんは父さんと離婚してから体調があまり良くないし、
そばに居てあげないと心配なんだよなぁ。
見れば中川君も苦い顔をしていてとても乗り気では無さそうだ。
「別にいいけどよ~……。今日って確か満月だろ?」
「大丈夫大丈夫。その時間になったら帰ればいいだけだし」
「いや、それもそうだがな……」
……?満月だと何が駄目なんだろう。
そんな中川君の意味深な言葉が気になって聞いてみる。
「満月だったら何か良くない事があるの?中川君」
「いや、翔夜は知らなくて大丈夫だ。お前にはまだ早い」
「その話題に早いとか遅いとかあるの!?教えてよ!」
「はい、ストップストップ。それで、翔夜君は今日時間あるの?」
佐伯さんにそう促され僕は押し黙った。
どうしようかな……。みんなの好意は凄く嬉しいし
できれば遊びに行きたい。だけどやっぱり
母さんが心配だし……。
「何か予定あった……?」
そんな僕の様子を見てか佐伯さんが心配そうに覗きこんでくる。
「いや、その……」
そのままどっちを取ろうか脳内で思考が駆け巡っていると
ズボンのポケットに入っていた携帯が震え出した。
「ちょ、ちょっと待って」
一言みんなに言ってから携帯を取り出して確認すると、
きていたのは母さんからの一通のEメール。
from 母さん
どうせ貴方の事だからもうみんなと打解けているでしょ?
今日は私の事なんていいから存分に遊んできなさい。
END
母さん……。ありがとう。今度何かお礼をしないと。
パタンと携帯を閉じるやいなや佐伯さんが口を開いた。
「で、どうなの?」
「あ、うん。予定は何もないよ」
「そう、よかった」
「じゃあ、午後の勉強も頑張ってたっくさん遊びましょうねっ翔夜君!」
「そうだね。まずは午後の授業を乗り越えないと」
よし、次は英語だったな。頑張ろっと。
「ハァ……。満月……」
「いつまで言ってんのよ。さ、授業授業!」
…………本当満月ってなんの事なんだろう。