秘密結社に入社した
「秘密結社? なんだそりゃ」
俺の間の抜けた声が朝のレストランに響いた。向かい側に座る女性はさも当然のように話し始めた。
「前に話した私が勤めている会社の名前に決まっているでしょ。あなたの平凡な脳みそでは記憶できなかったのかしら?」
偉そうな言い方をする目の前の女は鷹津理歩といい、小さい頃からの変わった友人でいわゆる幼なじみというやつだ。
「就職先が決まらないあんたのために私がわざわざ紹介してあげているのだから感謝しなさい。」
「なんで同い年の奴にここまで上から目線で言われなきゃいけないのか説明を求む」
「私は会社員であんたは平凡な無職」
「ぐっ」
そう言われるとなにも言えなくなるのはこいつが信じられない事に就職して働いているからである。だが、
「会社員ねぇ? そもそも秘密結社って本当に会社なのかよ、名前の事やお前が就職している事からとてもじゃないが信用できねえよ」
「ほう? 社会的信用に関していえば、あなたより私の方が高いわよ。最高でも半年しか同じ就職先にいれなかったくせに」
「俺に対する評価が低すぎるんだよ!! 俺はもっと色々できる、勝手に『ゆとり』なんて扱いにしやがって
ひとくくりにするんじゃねよ! だいたい、俺は」
「黙れ」
鷹津は俺に向かってそう言い放った。そして
「ならば川崎慎吾の価値とやらを見せてみろ」
そういうと、一枚の書類を俺の方に机の上を滑らせて渡してきた。そこには面接日時と時間が書いてあった。
4月16日 AM9:30
その会社は品海駅よりバスで4駅、そこから徒歩約11分の所にあった。
『Secret society』
という看板があった、直訳すると秘密結社だ。
「本当にあった。」
とつぶやきながら書類の中の募集要項の紙を取り出す。その内容の中でも不思議なものは、
・あなたが思う正装
・本当の履歴書
・あなたの個性を示せるもの の3つだろう。
もちろん俺はスーツにいままでの学歴を書いた普通の履歴書を持ってきた。俺こと川崎慎吾は理歩の挑発に乗り、ここにいるわけだが絶賛後悔中だった。(なんか私服の奴とかコスプレっぽい格好の奴までいるんだけど、なんだこの会社は本当に会社なのか?
だいたい正装と言われているのわかっているのか!) 頭ではイライラしながらも約10階建のビルに入っていくと、『面接の方はこちらです』という看板があった。『地下12階へどうぞ』とも書いてあった。
「は?」
間抜けな声がでた。
(なぜ地下の方が多い? まさか本当に秘密基地的な構造なのか?)
疑問は多いが遅刻してはいけないと気持ちを入れ替え面接会場へ向かおうとすると、
「すいません、あなたも面接ですか?」
とかわいい声が聞こえた。振り返ると小柄な女性が立っていた。
「はい、そうですが何の用でしょうか?」
丁寧な敬語で返しながら女性をよく見ると短い茶色の髪にスーツそして控えめな化粧の普通のキャリヤウーマンという感じだった。
「いえ、やっと普通な感じの人に会えたのでつい声をかけてしまったのですけど、迷惑でしたか?」
「そんな事はありませよ。おれ、いや私も少し不安ですたので声をかけてもらえて嬉しいです。」
女性は、ほっとした顔でおれの隣に来ると
「私は麻生由美と申します。あなたのお名前は?」
「私は川崎慎吾といいます。今日はお互い頑張りましょう」
今俺は感動していた。やっと普通の人に会うことができて涙がでそうになった。
「では、エレベータにのりましょうか」
「そうですね」
会話をしながらエレベータホールに行き地下12階のボタンを押した。
(しかし、地下99階まであるのかよ。何に使ってんだよ)
呆れていると、チーンという音とともにドアが開いた。
「・・・・・・・・・・・・」
約2mの巨漢が立っていた。顔の怖いスキンヘッドのおじさんが立っていた。
「乗らないのか」
約30㎝上から言葉が降ってきた。隣を見ると麻生さんは固まっていった。俺はなんとか正気に戻ると、上ずった声で
「乗らせていただきます」
なぜか敬語で答えると無言で二人はエレベータに入ると、男は
「何階だ?」
「地下12階でお願いします」
「OK」
(結構きさくな人だな、やっぱ見た目で判断しちゃいけないのな)
「あの、思ったより優しいんですね」
(口に出すなよ!! アホか!!!) 驚いていると、巨漢スキンヘッドの男は少し睨むと
「正直はいい事だ・・・だが、時と場所そして人を選ぶ事だ・・・さもないと、どうなるか・・考えた事はあるか?」
ヤバイ・・何がヤバイって空気が・・・重い。麻生さんは泣きそうになりながら、
「えっあのっその、すいま・・」
「・・・・・・なんちゃって」
チーンと地下12階に着く。2人はゆっくりとエレベータを降りる。
「バイバイ」
と手を振る巨漢スキンヘッドに見送られて進む。俺はほっとした・・だが、麻生さんを見て
「なあ、あんた」
「はっはい!!」
「何考えてるんだよ」
「えっ思った事言っただけですよ」
俺は軽く舌打ちして、先に面接会場入る。
(あいつは駄目だ、もう寄らないようにしよう。あんな空気の読めない女と同類と思われたくないからな)
心の中で悪態をつきながら係りの人の所に行くと、お好きな席にどうぞと言われた。部屋を見渡すと、大学の講堂のような作りをしていた。椅子も机もしっかりしており、面接会場とはいえない作りだった。
(本当にここなのか? 授業でもするような雰囲気だし、私服やコスプレもいるぞ・・大学じゃないのか?)
不思議に思いながらも席に座ると、麻生さんが下を向きながら遠くに座るのが見えた。少し心が痛みながらも知らんぷりする・・・・
そして、11時になった。(時間になったか・・・こんな所でどんな面接を・・・) バチィッン・・・と電気が落ちた。暗くなった室内がざわつく、そして前にあるプロジェクターのスクリーンからダースベイダー卿ッぽい人が映し出された。
「諸君、私が秘密結社社長である。今日はよく集まってくれた・・君たちには、これから質問形式のアンケートをする。
書き終わった者から手を挙げ、係りの者を呼び指示を受けてくれ・・以上」
ざわざわと浮足立つ人々、俺もツッコミどころ満載で混乱していた。
(あんなのが社長かよ!! しかも、こんな形式の面接初めてだぞ!!)
電気が付き、プリントが配られる。一問一問しっかり答えていこうと意気込む。
第一問 自分の技を記入せよ
あるか!!!と思いながらも適当に自転車が速いと書いてお。
第二問 座右の銘は?
弱肉強食でいいや。
第三問 わが社はなんの会社でしょう?
知るか!!知りません。
第四問 どうやってわが社を知りましたか?
知人の紹介。
第五問 あなたに何ができる?
何の会社かも分からないのにか・・・他の人にできない事でいいか・・
手を挙げると、どうやら一番目だったらしく誰も席から立っていなかった。プリントを渡しながら周りを見ると論文みたいに長い文章を書いてる奴もいた。(ご苦労な事で)と呟くとプリントを受けとった人は、こちらへといい、外へ案内してくれる。
「地下30階3009室へどうぞ」
と赤いバッチを渡される・・そして、外に出ると何故かエレベーターは閉鎖されていた。
「あの・・エレベーターは?」
「申し訳ありませんが、搬送用として利用していますので利用禁止です」
? これも面接試験の一環か・・・分らないけどやる気のない俺は階段をゆっくり下っていく。時間指定は決められてないなら急ぐ必要もないだろうと思いながらバッチを胸ポケットに付けていると、急いで隣を過ぎる男性がいた。
「すいません!」
と言いながら慌てて下りていく。ご苦労な事で、と思いながらゆっくり下りていくと
(待てよ・・・急がせるようなシステムにわざとしているのか? 会社内で汗だくで面接を普通は受けない・・・と考えると、このエレベーターが使えない理由も分かるような気もする)
と考えるている間も何人か走っていく・・なかには、転んだりしている人もいた。階段の上の方は混雑もしていた。
(もし・・モラルを試しているとしたら怖い会社だな)
戦慄を覚えながら地下30階に着いた。赤い絨毯に少し薄暗い廊下は普通の会社なのだが・・
「3009室って書いてあるからここか・・・」
扉は某配管工のオジサンが出てくるゲームを思い出すボスの扉になっていたが、気にせずノックをすると、
「どうぞ」
と聞こえたので「失礼します」と入室する。中に入ると、ダースベイダー卿っぽい人がいた・・・
(社長じゃねーか!いや待て被りものなだけで、中身は社長じゃねえかもしれない・・・っていうか)
その隣を見ながら思う・・
(なぜ!お前がいるんだー! 鷹津理歩!)
普通に座っていたのは、俺の幼馴染だった。
「お座りください」
理歩は事務的に言う・・ハッとしながら
「はい」
と言いながらお時儀をし、座る。役職を見ると社長と社長秘書だった・・
(まじかよ・・・理歩の奴仕組んだろ!)
ぼやくが面接は無情にも始まった。
「さて・・面接をする前に志望動機を聞こうか?」
「貴社を進められまして・・今回は応募しました」
「理歩君にだね?」
「はい」
少し動揺しながらも答えると、社長は隣を見て・・
「理歩君の意見は?」
「ありません」
「じゃあ・・君にはR社の企画をやってもらうから」
「・・・は?」
「社長に対して失礼ですよ」
「すっすいません!」
「はっはっは、いいんだよ。堅苦しい敬語はいらない・・欲しいのは実力と適応力とかだよ」
とかってなんだよ・・しかし、
「実技試験って事ですか?」
「なんでも裏を考える性格のようだね」
ドキッとする・・なんなんだこの社長。考えが読めない・・
「今も私の考えを探ろうとしているだろう」
「えっ!」
「人の表情は顔に出る・・・ビジネスの基本だよ、覚えておくといい」
「だから仮面をつけているのですか?」
「そうかもしれないし、唯の趣味かもしれない・・人の裏を全て読もうなんた無理なんだよ」
そういうと立ち上がり、仮面を外す
「君は大きな仕事がしたかったんだろう?有名飲料会社の夏の新商品の広告企画だ・・・うまくすれば
開発部門にスカウトされたり、企画部署配属されたりするだろう。頑張ってくれ」
くぐもってない声は透き通る声だった。そして同い年くらいの男が目の前に立っていた・・・
「若い・・・・」
「なっ?人間は想像できないだろう?私は木乃 華椰子という・・・じゃ!」
社長のいた場所が上がっていく・・・そして部屋には、鷹津理歩と俺が残った。
「R社に配属の間、あなたの上司になります・・鷹津理歩です。よ・ろ・し・く」
「なんでこうなったー!!!」
俺の悲鳴が秘密結社に木霊した・・・ しかし、会社内では違う悲鳴が轟いていた・・・
「履歴書に書いてあることをやってもらうだけです」
そう言われたパソコンが得意な男性はタイピングソフトをもくもくとやらされていた。
「手が・・ちかれた」
「難しいまでをクリアすればいいだけです・・頑張ってください」
「パソコン得意っと言っても、ここまでじゃないんですが・・」
「じゃあ・・あちら行きますか? ワード、エクセル、パワーポイントが得意の人達の所へ」
大量の文章をワード、エクセル、パワーポイントでまとめるという試験場を指す・・男は青い顔をして
「やります!やらせてください!」
「よろしい」
社長は画面を見ながら、書類のサインをしていた。
「今回も面白いのがいっぱい来たね」
「YES、ボス」
巨漢スキンヘッドが社長席の前に立っていた。
「研修組は10人くらいか・・・サポートが間に合えばいいけど」
「ボス・・大丈夫です。危険な2人は理歩に任せたのでしょう?」
「理歩の推薦が1人と正直な子が1人ね・・2人とも世間知らなそうだからね」
「ボスの昔に似ていると思いますがね」
「言うようになったね・・迅」
この巨漢は御須 迅、華椰子の親友である。
「私も潜入して様子を見てきましょう」
「いいの?」
「任せろ・・・地球征服の為に」
「地球征服の為に」
そういうと2人は笑い合いながら仕事に戻っていく・・・
その頃、麻生由美は沈んでいた。
(なんで私と会話する人は皆離れていくのだろう・・・・)
ショックだった。自分は昔からなんでも器用にこなせた・・・しかし、人が寄り付かない、仕事をしてもそうだった。私は周りから「むかつく」とか「生意気」とか言われて、いじめにあった。
私が悪いんじゃない・・・私を評価しない周りが悪いそう思っていた。
(ここでも同じなのかな・・・正直はいけないの? 誰か教えてよ・・・)
でも・・会社の企画をいきなり任された。これは私の評価が高いから?だとしたら居場所があるかもしれない・・・・この会社なら私が見てもらえる。会社には認められるように由美は前を向く、R社の企画やってみせる!例え誰にも認められなくとも自分を信じて・・・
次の日・・・・麻生由美と川崎慎吾はR社の近くの駅で再開した。
「なんで・・あなたがここに?」
「秘密結社の面接結果でここに来たんですけど・・・」
わかった・・あんたはいいとしよう、問題はあそこの柱にいる巨漢だ。サングラスを付けているが、一発で分かる・・・エレベーターで会った人だ。こちらには気付いていないようだが、理歩の知り合いなのだろう・・じゃなきゃ会社から来る筈がない。
「お待たせ」
「! りっ・・・鷹津さんおはようございます」
「おはようございます」
「麻生由美さん、川崎慎吾ね・・・鷹津理歩です、よろしく」
(俺呼び捨てかよ、まあいいけど)
「ゴッスン! こっちよ」
ゴッスン? 巨漢がゆっくりこちらに来る・・・皆避けて勝手に道ができていく。
「おお!来ていたのか理歩」
「10分前が私のルールなの」
「そうか・・ちなみに君達かな?R社の企画を任されたのは」
「「はい」」
「昨日会ったね・・私は御須迅というよろしく」
「ゴッスンはこう見えてもおしゃべりだから、もう出発します」
そういうと理歩は進んでいく。
「マイペースだな」
「それが彼女だ」
「人の話は聞かなくちゃいけないと思うんですけど」
また的外れな事を・・・
「私の話を聞いて遅刻したいのなら、そうすればいいが・・・どうする?」
「すっすいません! 失礼しました。そうですよね、考えもなしに紹介を聞かないわけないですよね」
だから・・・・どこからつっこめばいいんだ!
「なるほど・・君は面白いな」
そういうと御須さんは、笑いながら理歩を追う・・・麻生さんは首を傾げながらついていく。あれが大人の対応か? 分からないが・・・凄い・・のか?俺も釈然としないままついていく・・・
R社は東京の一等地にあった。秘密結社とは何の縁もなさそうな立派な佇まい・・・普通に入っていこうとする理歩を捕まえる。
「すいません、鷹津さん・・・場所を間違えてませんか?」
「ここで合ってますわよ・・・川崎さん」
「2人とも知り合いなのだろう・・・もっとフレンドリーに接したらどうだ?」「えっそうなんですか?」
面倒な事を言いやがって! どうする?
「では、慎吾・・・男ならビビってんじゃねえよ!」
「それでこそ理歩だな・・・分ったよ、覚悟決めるぜ」
俺は1人で会社に入る・・・入れない・・・警備員さんが来る・・・振り返ると誰もいない・・・嵌められた!!!!!!!!!!!!!
しばらくすると御須さんが助けに来てくれたが・・・・
「ひでえ・・・あんまりだ」
「まあまあ・・理歩なりのジョークだろう」
「でっ! あいつは?」
「社長室にあいさつしてるよ」
「本当に・・・ここで企画をまかされるのですか?」
「自信があるのだろう?」
確かに理歩にそう言ったが・・・本当に任されるなんて思ってなかった・・なんて言えねえ。
「さあ・・ここだ」
「なにが・・・あっ」
第3会議室と書いてあった
「君達は合同会議に出て意見したり、話を聞いて自分の考えをまとめればいい・・・じゃあ」
「そんなっ! いきなりですかッ!」
「君の望んだモノが、これだ・・・」
背中を押されて中に入ると、社員さんが何人か準備していた・・・御須さんを見て、手を振るものもいた、麻生さんはカチコチになって座っていた。振り返ると御須さんはいなかった・・・・中に入る、そちらにどうぞと言われる。席に座る・・・偉そうな人や真面目そうな社員が入ってくる。会議が始まった・・・
「始まったわね・・・大丈夫かしら?」
「大丈夫じゃないだろう・・・だが、それでいい人は失敗・経験を積まなければならない・・・
わが社の試験は1人の無力さと現実を知る事にある。社長の理念は、どんな人物でも働く事の出来る社会を作ることだ」
「欲しい人材を探すのではなく育て、必要な力を付けさせる社会の成立・・・わが社の理念で日本を
支配し、いずれは世界を征服する。必要なのは人ではない場所である・・この理念が通る世界には
自然と人が来るですね」
そう秘密結社は本気で世界を征服するつもりなのだ・・現に秘密結社出身の政治家、公務員、企業の社長、様々な職種の人間が務めている。企業に格安で派遣させ、合う場所を見つけて就職させる為に全面協力し、秘密結社の名を刻ませる。
ある者は感激し、協力してくれる・・・ある者は反発し、自立する。それでも・・・日本を! 社会を! 人類を! 変えたいと思う人材が揃った・・・それが秘密結社であった。受け入れて貰う代わりに御須と高須がやっているのは、清掃だった・・下のフォローを上司がやるそれがルール・・・こうやって企業に売り込むのである秘密結社の社員を
「仕事はいいな」
「本当にね」
いわゆる変わり者の2人は仕事を貰える事が嬉しかった。
何をすればいいのか分からない・・・川崎慎吾は途方に暮れていた。会議についていくだけで、必死だった・・・自分の愚かさに気付けた気がした・・・・でも、
(俺達だけにするってどういう事だよ!試験じゃないのかよ・・・畜生! こんなはずじゃなかった)
「ねえ・・川崎君、この会社おかしいよ・・・何の教育もなしに、こんな事やらされるなんて 絶対変だよ」
(そうだ!おかしいのは、秘密結社で俺達は悪くないよな・・・)
「こんな会社なんかいられないよ・・・確かに大きな仕事したいっていったけど準備ってものが」
(あなたはいつも他人のせいにしかしないのね・・・・)
「! ・・・・待て、いつ準備するんだ?」
「えっ就職してからでしょ?」
(俺の考えを客観的に見ると、こんな感じなのか・・・大きな仕事をしたいけど準備がなきゃできないなんて 虫が好過ぎるだろ)
「お前・・・K社について調べたか? 秘密結社については?」
「突然どうしたの?」
「いや、俺言われる通りにするだけで準備を自分からしてこなかったと思ってな」
「・・・・・・・・・・・・」
「いつでもそうだ・・・言われた事しかしねえ準備を怠ってた、適当な事言ってごまかしてた。
なあ・・・あんたはどうだ? 自分の落ち度を考えた事あったか? 少なくとも俺にはなかった・・」
「私も・・・私も他人のせいにして・・・だけど!」
「誰も自分を知ろうとしてくれなかった」
「! なんで・・」
「分ったんだ・・俺達は似ているって、だから一緒にされたのかもな・・・」
「なあ・・良かったら1から調べて企画を練ろう・・・ここの思惑は分からなくても、初めて任された
大きな仕事なんだ。チャンスを掴むしかない!」
「そうなのかな? できるのかな・・・私達に・・・」
「できない・・・だからやってみよう!」
「そうだね・・ねえ私にも協力させて・・・私はこのままじゃやだ」
「こちらからお願いします・・・麻生さん」
「はい・・川崎君」
そこまで言って2人とも笑っていた・・何もできないとしてもできる事をやろう。
「♪」
「嬉しそうだな・・・いい情報でも入ってきたか?」
「そうね・・とてもいい話を拾ったわ」
「盗聴は感心しないがな」
「いいじゃない・・秘密結社っぽくて、それに私達の本当の仕事は彼らの監視でしょ?」
「・・・・確かにな」
「あいつは、裏を考えるけど表を見ないのよ・・・昔からそうだった。空気は読むくせに
誰ともぶつかろうとしなかった・・・今の若者の典型的な奴よ」
「君も若者だろうに・・・だが、よく見るな。最近の一般の付き合い方だな」
「私もそうだったんだけど・・・あいつは私にだけは・・」
「・・・なるほど」
遠い目をしながら嬉しそうにしている理歩がいた。
その笑顔は、いつもの無表情とは程遠い可愛い笑顔だった。
「何ニヤニヤしてんのよ」
「すいません」
社長・・あなたの理念は受け継がれそうです。
昔とある男は言った
「なあ迅・・・俺は決めたぞ! 若者も老人も中年もオタクも腐女子もニートもフリーターも働きたい人が 働ける社会を作るぞ」
どうやって?
「俺は日本を征服する! そのための会社を作る」
ばかばかしい
「ばかばかしいからやってみるんだ! 逸材は、沢山いるはずなんだ・・俺みたいにな! だからついてこい迅」
分かった・・・うぬぼれじゃない事をみせてくれ
「任せろ!会社名は人材発掘日本征服本部 秘密結社だ!」
そこからの道は楽ではなかった・・・借金も作ったし、人脈を築くことに苦労もしたでも
「楽しいな迅! 人が育つのは」
まったくだ
そして今日も秘密結社は日本に暗躍する・・・世界征服の為に!




