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熱に浮かされて

作者: 風間 慧斗

呟く、白い戯言 


じわりじわりと、侵食する 

どろどろに溶かされた思考回路は

最早、機能する筈も無く 

まるで全てが止まってしまったかのよう 


彼女、

本当は誰かが傍に居て欲しいと思うけど

その願いは叶う筈も無く、その願いを果せる筈も無く

それでも、願う事をやめる事は出来なくて 

きこえる事の無い小さな叫びを、あげ続けた 


――ねぇ。君は今、何をしている?


目を閉じると其処には甘美な幻想、目を開ければ残酷な現実(リアル) 

「もうウンザリだ」と誰かが叫ぶ 

既に心は満身創痍

しかし現実は、僕等を捕らえて離さない

僕は何かしましたか…?

その問いに、答える声は無い 



『いかないで』その言葉にフラッシュ・バックする記憶

嗚呼、嘗テ私ガ言ッタ言葉ダ 

今日も何処かで誰かが叫んでる 


手を、伸ばす

届カナカッタ 

沢山叫んだ 

…モウ遅イ!

今夜もまた、心は涙を流して 


名前を見付けた、同じ名前を 

感じる胸騒ぎ 

忽ち冷える、誰かの心 

感じる痛みは、形の無い物で 


――誰か… 


「もう嫌だ」と誰かが呟く 

既に体も満身創痍

しかし現実は、僕等を閉じ込めた儘 

僕等は傍に居る、ただそれだけで

触れる事すら出来ないのだろう 



檻から自らを解き放つ 

所詮は淡い夢で、叶う筈も無い事 

生きた儘では 



「楽になりたい」零れ落ちる、無垢な言葉は 

全てが既に満身創痍

しかし現実を、走り続けなければならぬ 

僕等は一体、何をしているのだろう?

その声に、こたえる物は無く 



“死”に何かを期待する 

今はただ、必死に閉じ篭るばかり 

もう、何もしたく無い

何も考えたくは無い… 


重くなる、瞼

束の間の現実逃避()


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