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サムライ✕ACCEL  作者: ミミササ
第二章・九醒王編
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第62話 探索

 ひっさしぶりの投稿です。

 今更ですが新年あけましておめでとうございます。


 ――アラタ府・南山。


「ここか、噂の場所は」


 山の洞窟、そこで聞いた不気味な声の噂を元に彰と十兵衛たちは九醒王の探索に来ていた。

 あくまで噂程度の話だが、一週間手掛かりを掴めずにいた彰たちにとっては重要な情報だった。


(いない……可能性が高いが、これ以外の情報が無い今やるに越したことはない)

「軍人さん、軍人さん」

「なんだ、十兵衛?」

「もし九醒王が現れた時ように作戦を立てよう」

「作戦か……」


 後ろを振り返り部下たちを見る。

 人数は8人、オレと十兵衛を足して10人。多い方だとは思うが、九醒王の実力が不明な現時点において少ないよりはマシなのかもしれない。


「そうだな、人数も多いし連携をとれるようにしておこう」

「この中で契約者なのは俺と信二郎の2人だけ」

「妖魔刀剣を使えるのはオレと十兵衛、それから工藤くんと松風くんの4人か」

(半分くらいしか戦えないのか……)


 人数は多いが、戦力として運用可能なのは5人。それ以外の5人は契約者でもなければ妖魔刀剣の能力も使えていない。

 急に昇進したとはいえ全員を即戦力にまで鍛え上げるのは流石に無理がある。


「信二郎くん君の異能はなんだ」

「は、はい!自分の異能は念力で物を動かす異能です!」


 信二郎の異能は念力。一般的なイメージの効果しか持たず、物体を動かしたり止めたりする異能である。


「そうか……松風くんの魔剣の能力は防御系だったね?」

「はい、私のミラニオスは剣を変形して防ぐ能力です」

「それで、工藤くんの妖刀は攻撃系か……」

「はい!自分の妖刀も形を変えての攻撃系の能力です!」

「んー、そうか……」


 彰は困った様に悩む。作戦を立てようにも九醒王の能力は当然だが個々によって違う。

 それに加えて戦力は通常の半分だ。そうとなれば、戦力を過剰にするか半分に分けるかの二択だ。


(九醒王を探すにあたって人数はどちらにせよ分けた方がいい、だが戦力が少なすぎる……)


 頭の中に浮かぶのは二つの策。


(一つは十兵衛班とオレの班に分かれての探索、もう一つは戦力組が捜索に当たって非戦力組が入り口で待機する策)


 どちらにせよ、非戦力組の扱いに困る。オレの時みたく土壇場で能力が使えるなんてことはまずありえない。


(前者は探索範囲が広がるが戦闘になった時の戦力不足、後者はもし本当に九醒王がいた時に非戦力組がガラクと出くわした場合の最悪のケース……どうする!)

「軍人さん、なに悩んでるの?」

「十兵衛、探索班で別々に行動するか、戦力組と非戦力組に分けるかだったらどっちの方がいいと思う……?」

「んー……戦力組と非戦力組で分けた方がいいかな」

「……そうか」


 最悪のケースを除いた場合、最善策となるのは報告に行ける非戦力組を入り口で待機させ、戦力組で探索することだ。


「と言うか、俺はそのつもりで来てるよ」

「……と言うと?」

「戦力組で探索、非戦力組は入り口で待機して九醒王を見つけた場合、戦力組の誰かを入り口に向かわせて非戦力組と共に特務機関に報告って言う考えなんだけど……軍人さんは?」

「オレも似た様な考えだが……いや、それで行こう」


 十兵衛と同じ考えだが、余計な事を考えていると時間を食ってガラクが現れるかもしれない。

 なら、ここは早い段階で探索にあたるのがいいかもしれない。


「全員、よく聞け。オレと十兵衛、信二郎くん、工藤くん、松風くんの計5人が中に入って探索する」

「残りの5人は入り口で待機、何かあったら誰かしらを入り口に向かわせるからそのまま支部に戻って報告よろしくね」

「以上が大まかな作戦だ」

「それじゃあ、探索に行こう!」


――南山、洞窟内。


 戦力組に分かれた彰たちはライターの火を頼りに暗い洞窟の中を歩み進んで行く。


「真っ暗だねー」

「ほ、本当ですね」


 暗さからの怖さから震える信二郎、その先をまるで探検に来た子供の様にはしゃぎながら歩く十兵衛。


「志藤さん、あの」

「どうした、工藤くん?」

「暗くて歩きにくいので手を握っててもいいですか」

「ん?ああ、いいぞ」


 工藤の手を握り前へと進んで行く。


「……」

「?どうしたんですか、十兵衛さん?」

「なーんにも」

「十兵衛さん、私も暗くて歩きにくいので手を握ってもいいでしょうか」

「じ、自分も暗くて怖いので手を握ってもよろしいでしょうか!」

「いいよ」


 十兵衛の両手に信二郎と松風の手が握られる。傍から見ればまるで親子の様な光景だ。


「後ろがにぎやかだな……ん?」

「どうしたの?軍人さん」


 立ち止まった彰に十兵衛が問いかける。


「……全員、戦闘準備に入れ」


 しゃがみ込んで足元を照らす。ライターの淡い火に照らされたのは千切れた人間の腕。


「ッ!?」

「もうすでに従業員がやられていると見ていいだろう」


 信二郎以外の全員が妖魔刀剣に手を掛ける。


「どこかに居るはずだ……!」


 緊張感が走る中、信二郎は自身の異能で周囲の状況を探っていた。


「彰さん、今異能で周囲を探っているのですが……おそらく原因はこの先に居ます。この奥に広場の様な大きさの空間があります」

「そんなところまでわかるのか」

「はい、その道中に何人かの遺体が……」


 千切れた腕を見る限り掘削に携わった従業員の腕だ。そして道中にある何人かの死体、それはおそらく……。


「念のため聞いておくが、生きている人間は……?」

「いません」


 この奥、その場所に九醒王がいるのだろう。


「松風、この情報を入り口に居る非戦闘員組に連絡して支部に戻れ」

「わかりました」


 松風を送り出した後、彰たちは奥の空間へと足を踏み入れる。。。


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