表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サムライ✕ACCEL  作者: ミミササ
第一章・ムクロ編
35/58

第35話 敵の情報

 今回の文字数は2200文字程度ですので短いです。


 ――特務機関本部。

 ムクロ隊三番隊隊長を捕えた時清達のおかげで敵の戦力が一つ減った。

 その後、日が暮れるまでにテンドウ市に向かっても良かったのだが、東雲さん達に止められて今は本部にいる。

 時刻は午後6時、本部に来てから既に2時間経っている。東雲さんからの連絡はないが、まあ大方予想はついている、三番隊隊長の葛城と言う男を連れて別室に連れ込んだあたり、尋問もしくは拷問でもしているんだろう。

 それにしては……。


(長くないか!情報を聞き出すにしても2時間は長い気がする……もしかして、宗治達が上手いだけで本当はこのくらいかかるのか?)


 宗治達が尋問?したときは数分で終わったが、本当はどのくらいかかるのかはわからない。

 今は6層の休憩室と書かれた場所で待機している。


「彰くんおる?」


 暇を持て余していると尋問を終えたのか東雲さんがひょっこりと顔を出す。


「こっちの用事済んだで指令室に来てな~」

「わかりました」


 ――6層、指令室。

 東雲さんに呼ばれ指令室に向かうと捜索に出ていたメンバー全員が集まっている。奥の執務机には副長官が難しい顔をしながら指を組んでいる。


「全員集まったな」


 扉が閉まると部屋の明かりが消え、プロジェクターの光が壁に映し出される。

 映し出された光にはムクロ隊に関する情報がざっくりとまとめられている。


「酒井、説明を頼む」

「わかりました」


 酒井さんが前に出て説明を始める。


「時清班が捕えたムクロ隊三番隊隊長からある程度の情報が手に入った。ムクロ隊は全部で6つの部隊で構成され、その内半分は既に壊滅状態だ」


 尋問に時間が掛かっていたような気はするが、きっと宗治たちがおかしいだけだろう。

 ムクロ隊の半分を壊滅と言っていたがオレの認識では5番隊の篠崎と三番隊の葛城の2部隊が倒された事しか知らない、もしかしてオレ達以外にも倒した人たちが居るのか?。

 挙手をして質問をする。


「半分って3部隊ってことですか」

「そうだ」

「オレの認識が正しければ倒したのは2部隊なんですけど、オレ達以外にも倒した人たちがいるってことですか?」

「そうだ、それについても話すつもりだ」


 予想はあっていたようだ。続けて説明をする。


「残る敵は3部隊。そのうち2部隊は"死人"だ」


 プロジェクターに映し出された文字には残りの部隊の隊長、副隊長の名前が載っている。

 一番隊隊長葉藤 砲宗(ばどう つつむね)、副隊長柊 時道(ひいらぎ ときみち)

 二番隊隊長凪城 桜摩(なぎしろ おうま)、副隊長倉骨 三蔵(くらほね さんぞう)

 四番隊隊長樋崎 真(といざき まこと)、邪陰駆動戦機蜘蛛(くどうせんきぐも)

 ”死人”と言われている2人は健在のようだ。


「このうち入れ墨の男、もとい葉藤率いる一番隊はシオン市に向かっている。そっちの方は『鬼和番衆』にまかせる。鬼和番衆は襲撃の時、本部同様ムクロ隊を倒した特務機関の切り札だ」


 鬼和番衆、聞くからに強そうな名前の上に特務機関の切り札ということは実力もはるかに上なのだろう。

 これで残る部隊は2つ、その2つは……。


「残りの2部隊はテンドウ市に向かっていると情報が入っている。今回の任務はこの2部隊を倒すことだ」


 店員さんから聞いた情報が正しければ残りの2部隊はテンドウ市に向かったはずだ。

 それでも、情報に誤りがあれば一刻を争う自他になりそうだ。あー、胃が痛くなってきた。


「だが、情報が誤りの可能性もある。そこで申し訳ないがもう一度編成させてもらった」


 ありがとう、酒井さん。貴方のその判断のおかげでオレの胃痛は軽くなったよ。

 映像が変わりそれぞれの捜索範囲と2つの班が映し出される。


「柊班に俺が加わり、東雲と残り2つの班を組み合わせた2班で行動する。東雲班はテンドウ市に向かい、酒井班は本部で待機する」


 4つの班を2つの班に分けるのはいい考えなのだ、本部で待機する班は何かあった時ように動かせる……あれ?。

 彰は悩む、自身の情報の誤りの可能性を考慮しての2班分け、一つは可能性の高い所をもう一つは何もせず待機して問題が起きた後に行動する。作戦としては理にかなっているが、それを意味するのは……。

 時清が手を上げ質問する。


「あの、本部待機と言う事は問題が起こった後に動くと言う事ですか?」

「そういう事だ、情報が間違っていたとしてだ、襲撃されてもすぐに動けるように班分けした」


 再び胃が痛くなる。

 この人2回刺した、1回治してから2回目刺してきたよこの人。


「要するに掛けられる保険は掛けとけと言う事だ」

「本当におるんやったらそれでええんやけどな~」


 東雲さんは呑気に言うが実際問題、情報が誤りだったらかなり困惑する。

 これで逃げられでもしたらと考えると……あー胃が痛い。


「大丈夫だよ軍人さん、間違ってたら俺達も謝るからさ」

「……ありがとう、十兵衛」


 落ち込んでいるのを察したのか十兵衛が励ましてくれる。

 普段は振り回されてばかりだけど、今だけは頼りにさせてもらおう。


「以上がムクロ隊の情報と今後の作戦だ」

「まあそんな感じで、僕らは出張ってことやな」


 言われてみればこれは出張なのか、テンドウ市に出向いて任務(仕事)をこなすと言うことは……出張になるか。

 待てよ、そうなるとテンザイ府に行って百鬼兄弟と戦ったのも出張扱いになるのか?


「そう言う訳でこれにて解散。東雲班は色々と準備をしてくれ、出発は深夜だ」

(今夜!?……ってまあ、状況考えたらそうなるか)


 一瞬驚いたが事態が事態だ、仕方ないとはいえ今すぐに準備しろと言われても……やるしかないか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ