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『悪魔転生』のちに『赤き悪魔女帝』  作者: 三月べに@『執筆配信』Vtuberべに猫


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50/57

♰50 王女と公爵の呼び出し。

   ●♰●♰●



 贄にされたような被害が出る大事件は、王国内ではなかったとアズライトが調べてくれた翌日。


 カリンとデイクが元子爵邸改めて『ルビー邸』になった我が家で、出張教育をしに来てくれた。

 ロンも戻ってきたので、一緒にルビー邸の手入れをする手順をおさらい。私も見学しておく。

 一応、私が女主人の立ち位置だしね。リリンさんの見様見真似もしていたし、なんとなくわかっているけれど、把握しておこう。



【取り引き相手:スティファの呼び出しがかかりました】


『ルビィ様ルビィ様。お出でくださいまし』


 スティファ王女の祈りの声が届く。


「お?」と顎に手をやって首を捻る。

 声音からして、緊急事態の気配はない。


 落ち着いたから報酬を支払うべく、呼び出しを行ったのか? それにしても……。


「どうかなさいましたか? ルビィ様」


 異変に気付いて、ロンが首を傾げて尋ねた。


「ああ、ちょっと『取り引き相手』から呼び出しがかかってね」

「えー? また『悪魔召喚』?」

「ルビィ、人気者?」


 双子もやってきた。


「でも、昨日の今日だとタイミングよすぎない?」

「「あー」」

「確かに不審ですね。その『取り引き相手』とは、キンバリー伯爵ではなく、隣国の王女なのでしょう? その王女がルビィ様の名を教えたのでは?」

「あり得るよねぇ……。ああ、でも、そうなると、贄に心当たりがあるんだよ」


 アズライトの指摘に、私は思いつく。


 スティファ王女と取り引きした経緯は、隣国の反乱軍の目論見に嵌り、窮地に陥っていたところを助けた。私は反乱軍の情報も掴んで、あとは嫁ぎ先の公爵か王家になんとかしてもらえと渡しておいた。

 もしかしたら、昨日の贄がその反乱軍の可能性がある。まとめて捕縛して贄にしたのかも。


 ただ、贄にしてまで私を呼び出すことはなかったと思う。だってスティファ王女が呼べばいいだけのことだもの。


 想像出来るとしたら、幼馴染で恋愛婚の公爵が、スティファから話を聞いて、呼び出すことを試みた、ということだったのかもしれない。

 そうなると、願いはスティファのためであって、切実なものなのかも。

 昨日はスティファにも黙って名指し召喚をしたけれど、失敗してしまったから、スティファに呼び出しを頼んだかもしれない。


「んー、どうしたものかな……まぁ、今時間あるし、行ってくるかな」

「えー? 何があるかわかったもんじゃなくね?」


 元ディスが反対するように、アズライト達も難色を示している。


「でも、私が地上に居られるのも、ジョンともう一人、スティファのおかげだもの。何かあってからじゃあ遅いし、一度顔を出してくるよ。サフィーロ・ブルーライト公爵のところにいるであろう、スティファ王女の元へ」


 ジェラルス王国の王都にブルーライト公爵邸があるはず。

 そこが転移場所になると、アズライト達に教えておく。

 もしもの時は、アズライトと『主従の名づけ』で繋がっているから呼び出せる。なんなら、リスタも呼び出せる。ロンと双子も不服そうだけど、私はスティファの呼びかけに応じよう。


 『目くらまし』と『認識阻害』と『偽装』と、徹底して姿を隠して、スティファの元へ『転移』した。



【ジェラルス王国 王都】



 豪邸のダンスホールに降り立つ。

 可憐なピンクブロンドの美少女は、紫ラメが散りばめられたドレスに身をまとっていた。その後ろに控えているのは、英雄騎士のライハルトもいる。

 だが、それだけではなく、見知らぬ美しい青髪の男性がピンクブロンドのスティファの隣に寄り添っていた。後ろには、側近らしき男が控えている。


「ルビィ様、お出でくださいまして、誠にありがとうございます」

「スティファ王女殿下。ごきげんよう。本日はいかがなさいましたか?」


 スティファがカーテシーを披露するので、私もリリンさん仕込みのカーテシーをし返す。


「……本日は、お姿を隠されているのでしょうか?」


 恐る恐ると、スティファは顔を上げて見てきた。

 端から見れば、顔が暗がりで隠れて、顔立ちも認識出来ないように目に映るだろう。


「人見知りなの♡」と、はぐらかした。

 『重力操作』でふわりと浮いて、宙で足を組んだ。優雅に座って、頬杖をつく。

 視線の先は、スティファと間に割って入りたがっている男性を見やる。


「紹介してくれるのかしら? スティファ王女殿下」

「はい。こちら、わたくしの婚約者であるサフィーロ・ブルーライト公爵です」

「スティファ王女の婚約者です、以後お見知りおきを」


 若きブルーライト公爵にして、スティファの結婚相手だ。恭しく頭を下げたが、青い視線は警戒していた。


()()()()()()()()()? それって深い意味があるのかしら? 公爵様」


 昨日呼んだのは彼ではないかと、私は暗に追及する。


「……単刀直入に告げます。スティファと約束した対価は自分が支払います。なので『取り引き相手』をスティファではなく、自分に変えてください」


 ブルーライト公爵は、そう真剣に直球に告げた。

 ほう? それが昨夜呼び出そうとした願いか。切実だ。確かに私が応えそうな願いだな。だから50の贄でも通じたわけだ。納得である。


「断るわ、公爵様」

「……何故ですか?」

「あなたとスイーツを食べても面白くないもの」

「…………」


 キッパリとフッてしまえば、難しそうに沈黙した。

 その反応的に、やっぱり面白くないだろうね。こんな人とお茶会しても、美味しくはない。スティファがいいもん。


「……どうすれば『取り引き相手』を変えていただけますか?」


 悪魔に対して、なんでもするとは言い出しそうな雰囲気だ。でも慎重で抜け目はなさそう。スティファのために、悪魔と渡り合うつもりのようだ。


「スティファ? あなたは交換したいのかしら?」と、私は気まぐれにスティファの意思を確認する。


「い、いえ! わたくしが対価を支払う所存です! サフィ様、おやめください」


 スティファは首を左右に振った。どうやらスティファには、話を通さなかったらしい。


「だめだ、スティファ。悪魔に対価を支払うならば、オレがする」

「いや、だからスティファとスイーツを食べることが対価なんだから、あなたじゃ無理よ」

「その対価が意味わからない。それでいいのか……?」

「入り用だったから、贄50近くは有り難かったけれど、スティファに求める対価はそれよ」

「……っ」


 昨夜の贄のことを口にしたら顔を歪ませて顔色を悪くしたので、これはスティファに聞かせない方がいいのかもしれない。


「スティファの対価の支払いに関してはおしまいね。それで、スティファの故郷の反乱は落ち着いたのかしら?」

「……秘密裏に捕縛した者の方が圧倒的に多いが、あなたがもたらした情報で法の裁きにかけられる者は裁かれることとなりました」


 不満を滲ませつつも、答えてくれる公爵様。その秘密裏に捕縛した者で贄にしてよかった者を、昨日儀式に使ったわけか。なかなか過激である。


「あの時は、本当にありがとうございました、ルビィ様」

「自分からもお礼を申し上げます、ルビィ殿。最悪な事態を防いでいただいただけではなく、命まで救われました」


 スティファに続いて、ライハルトも頭を下げた。

 そこに思いっきり顔をしかめたのは、公爵様の側近らしき男。不満ありあり顔だ。ライハルトに一直線に向けられているようだった。


「何が言いたいことでもあるのかしら? そこのあなた」

「!」


 指差して指摘すれば、気まずそうに顔を背けた。


「申し訳ございません、ルビィ様。悪魔だからと信用をしていないのです」と、ライハルトが代わりに答える。押し黙ったままの側近は言うなと言わんばかりに睨み付けた。


「ルビィ様はいい悪魔だと言ったのですが……」

「僭越ながら、王女殿下。いい悪魔など存在しません!」


 スティファの言葉にもう我慢ならないと側近が声を上げたが、公爵様が片手で制す。


「いい悪魔だと言われるわ。少なくとも悪人以外を殺したことないし、昨夜の贄ほど殺めたこともないもの。私は『大恩人』だと呼ばれるほどのいい悪魔よ」


 否定するどころか肯定する。だって事実だもの。

 暗に、あなた達の方が人殺してるわよ、とチクリと言ってやった。


「……生まれたての悪魔だと聞いた」

「そうよ?」

「嘘だ」


 公爵様は言い切る。


「あなたは生まれたての悪魔という強さではない」

「……あら。『偽装』しているのにわかるの?」


 コクリと頷く公爵様は、こちらの『偽装』を見抜いたようだ。


「残念ね。進化して、前に会った時よりも強くなってるの。だから、スティファの『取り引き』をなかったことにするために私を始末したいなら、無理よ?」


 からかって笑ってやる。


「せっかくゴタゴタも片付いて結婚を控えているのだから、無茶はしないように」


 見えているかどうかは知らないが、ニコリと笑いかけておいた。


「……そうする。改めて、我が妻となるスティファを救っていただいたこと、感謝申し上げる」


 やっと諦めがついたのか、頭を下げた公爵様。

 側近はイマイチな心境みたいだけど、倣って頭を下げた。


「どういたしまして。結婚式は盛大にやるのでしょう? 準備も大変だろうし、結婚後、落ち着いたらでいいから、美味しいケーキでも用意してから呼んで。新婚の邪魔をする気もないしね。むしろ、惚気を聞くからお茶会をしようね、スティファ。あ、もちろん、ピンチの時でもいいよ? 助けに来てあげる」


 すちゃっと床に足をつけて立ちながら、スティファにも声をかけておく。

 スティファは、ポッと頬を赤らめた。


「というか、反乱軍のせいで予定狂った? 大丈夫?」

「ええ、まぁ……予定の一ヶ月は遅れる形となりました。でも、盛大に祝ってもらえるように、映像玉でジェラルス王国の各地とアトラ王国の各地に結婚式を上映することになりました」

「映像玉で上映?」


 スティファがニコニコと教えてくれたのは、カメラ機能のある魔法道具で、各地に設置した魔法道具で上映公開するという話だった。


「へぇ、それは楽しみだね」と、相槌を打ちながら、私は別のことを考えていた。


 その魔法道具は、魔界でも使えないかどうか。




 


ルビィを召喚して取り引きする話を番外編で書きたいのに、

『悪魔王』に進化したなら、無理じゃない???

と、困っているところです。


何はともあれ5話更新完了!

また5話ためてきますね!

いいね、ブクマ、ポイントをよろしくお願いいたします!

2024/04/05⭐︎

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