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『悪魔転生』のちに『赤き悪魔女帝』  作者: 三月べに@『執筆配信』Vtuberべに猫


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5/57

♰05 『成長ポイント』振り分け。


本日、4話更新。(2/4)

   ●♰●♰●



 王国の成り立ちが書かれた本を読みつつ、ふと、何か忘れているな、と首を捻った。


 そういえば、起きた時に『成長ポイント』が、どうのこうの。

 なんのことやら。


特技(スキル)などの強化に使用するポイントです】


 強化システム、キター!

 あれかな。使用したポイントって戻せる? 初期化機能あります?

 ……ないそうでーす!

 これは、いい加減にしちゃダメなヤツだ。


 スキルポイントの振り分けは計画的に、だ。


 てか、『特技(スキル)』って『魅了』しかなくない?


 って、『特技(スキル)』も取得制なのかーい!


 見たら、出てきたわ。


 【鑑定眼】かぁ。

 今使っている『祝福(ギフト)』よりも詳しく説明テロップが出てくれるってことかな? それでポイントを割り振れば、もっと詳しい解説とかしてくれる?

 ん? 【観察眼】なんてものもある……?


【観察眼。

 観察力も洞察力も上がる。 条件:観察力】


 ……観察力。

 漠然な条件だけど、薄い文字色ではないので、どうやらもうクリアしているらしい。

 あっさり、取得出来てしまった。


 『鑑定眼』の方は、ポイントで取得するもの。ポイント50か。

 あれ? 今いくつあるんだろう?

 で、出てきた数字は、【ポイント:1100】だった。

 なんでや。どこから貯めた。


【『転生時に500ポイント』 『取り引き成功報酬に500ポイント』 『睡眠により、成長ポイント100会得』】


 またもや疑問にお答え、『祝福(ギフト)』さん。

 そ、そうなんだ……。


 悪魔の取り引きは『成長ポイント』のためにもした方がいいのね。

 まぁ、今回は人一人殺しているから、それなりのポイントなのだろう。

 悪徳伯爵の犠牲のポイント、使ってやろうじゃないか。


【『鑑定眼』 取得しました】


 早速試しに、手にしている本を見た。


【『鑑定眼』 結果:『王国の創立歴史』】


 内容を簡潔に説明文に書いている。


【『観察眼』 結果:約50年物】


 お前も仕事すんかい、『観察眼』。


 次は『鑑定眼』で、地下の部屋を見回した。


【キンバリー子爵邸 地下の部屋】 【『悪魔召喚儀式』の痕跡】


 ふぅん。この目で色々、鑑定したいところだけど、私は出歩かない方がいいだろう。

 姿暗ましは出来るけれど、万が一を考えるとリスクは高い。不審なメイドがうろついたなんて情報はないに越したことはないから。


 あら。『成長ポイント』で『魔法』も会得出来るじゃない。

 まぁ、経験条件もあるから、欲しい物は積極的に経験すべきだろう。

 でも、まぁ、戦闘未経験の私には、まだ具体的に欲しい魔法はないのよね。

 『成長ポイント』のご利用は計画的に。


 ……あれ? 『祝福(ギフト)』には『成長ポイント』を使っての強化って出来ないのだろうか?


 そうすれば、ステータス操作が、またグレードアップとかしないだろうか?


【『異世界転生の祝福(ギフト)』を『成長ポイント:100』使用して強化しますか?】


 出来るんかーい!

 んー……明日にしよう。今日の睡眠でまた100ポイントゲットしたら、『祝福(ギフト)』もグレードアップだー!




 そういうことで、ひと眠りした。


【『成長ポイント』を会得】


 会得、しました。


 まんま100ポイントをそのまま、『祝福(ギフト)』の強化に使用した。



 何が変わるのかな、とドキドキしたが、よくわからなかった。


 『HP』ケージもそのままだし、名前もそのまま。

 ……私、いつまで『生まれたての悪魔』なんだろうね。


 昨日と違うところがわからん……。

 あー、少しスムーズになった? 違う?

 あ。省略文と長文がスラスラ切り替わる! 他にも細かいところが表記されるみたいだ。


 『HP』ケージも【体力を含む生命ケージ。なくなると生命維持が不可能になる】という説明文が出てくるようになった。文字から意識を外すだけ、スッと素早く消えてくれるので、視界もクリアになる。


【『異世界転生の祝福(ギフト)』は、異世界転生者をサポートする機能のことです】


 うん。それは一番最初に教えて欲しいことだよね。





 ジョンは朝からいなかったので、私と使用人達だけで朝食をとる。相も変わらず、トイレ要らず。


「この辺、魔物とかいる?」


 少人数しか使用人がいない状態なので、手分けして屋敷内を手入れ。進んで手伝った。暇だしね。

 手を動かしながら、話題を振ってみた。

 答えてくれたのは、マイキー。


「近くにはないですが、それなりに離れれば森や山に多くいますね。凶暴なのもいますが、それが?」

「いや、私、生まれたての悪魔だから、自分の強さがわからないのよね。そんなに強くはないだろうけれど、どのレベルまで戦えるかどうかを把握したいなぁーって」

「それなら、地上のその辺の魔物は相手にならないはずです。魔界の魔物と比べれば、地上の魔物は軟弱と云われております。もちろん、個体にもよりますがね」


【魔界生まれの魔物は、生粋の魔物。地上の魔物は、魔界の弱肉強食に耐えられず、逃げた種族と云われている。それでも地上に独自の進化をした強者もいる】


 『祝福(ギフト)』さんが補足を付け加えてくれる~。


「魔物が襲撃して来たら、どうするの?」

「基本、騎士団が領地を守ります。必要に応じて討伐にも向かいますが、基本的には冒険者が先に討伐してしまいますね。冒険者は、討伐報酬とともに魔物の素材を得るために積極に動きます」


 守りに徹するのが、騎士団。

 自警団みたいに、積極的に冒険者は討伐に向かうってことか。


【魔物の素材は魔道具にも使われる故、高値で売買が期待できます】


 なるほどねぇ。利益のためが強いのね。



 ジョンは、お昼になって帰ってきた。


「騎士団は、ダバス伯爵が泥酔していたのではないか、と疑っている。ただ火元が多いこと、爆音もしたことでダバス伯爵がつけたとは考えていない。……だが、泥酔していたからこそ、逃げ遅れた可能性があると浮上している。今のところ、不審者の情報は出ていない」


 殺害されたわけではなく、逃げ遅れの焼死という可能性か。

 あとは、放火犯の特定だ。この領地の騎士団はどう結論を出すか。

 そして、あとから到着する王都の騎士団は覆すのか否か。

 じっと行方を見守るしかないだろう。


「紅茶とお菓子、どうぞ。悪魔殿」

「わーい、ありがとう!」


 サムがパウンドケーキを作ってくれたので、喜んで食べた。

 わりと緊張感はなかったりする潜伏生活。もぐもぐ。



 

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