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『悪魔転生』のちに『赤き悪魔女帝』  作者: 三月べに@『執筆配信』Vtuberべに猫


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26/57

♰26 【絶対呪術支配領域】と瞬殺。

   ●♰●♰●



「魔界は嫌いだろーが、精霊!!」


 ジェスは爆裂魔法を放って、四方八方から迫る木の刃を爆破した。


「帰れや!」

「ヒルを駆除したらな」


 冷淡にジェスに返すリスタは、痛くも痒くもない風に、また植物を『召喚』して攻撃を続ける。

 私もディスに剣を振っては、ジェスの背後を撃ち抜けると思い、氷柱を放った。


「ぐあ!」

「ジェス!」


 ディスの気が逸れた隙をついて、剣を振り上げる。しかし、掠めるだけで、首に届かない。


 双子吸血鬼は、距離を取るためだけに、大爆炎の魔法を発動した。

 私も距離を取らずにはいられない爆炎だ。


「大丈夫か?」

「うん。リスタは?」

「無論だ」


 肩を並べたところで確認し合う。煙いが、問題はない。


「「ルビィ……つれなすぎる」」


 なんで私がげんなりされているの? 意味わからん。


「「精霊、邪魔」」


 ギロッと双子吸血鬼は、リスタを睨みつけた。逆恨みだな。


 ガクッ。危うく膝から崩れ落ちるかと思った。力が入らない。


【身体:封印状態】と赤いテロップで表記された。


 は!? 私の全身の動きが封じられた!?

 チッ! これでは、ポケットの道具に手が届かない!


 そう思ったが、目の前に白い玉が放り込まれて、カッと白い光に包まれた途端に力が入った。


「ほう。そのレベルに到達している吸血鬼というわけか」


 白い玉を放ってくれたのは、リスタだ。

【封印解除】と赤いテロップも消えた。

 今の私が用意していた道具と同じく、封印系を解く道具だったようだ。


「「チッ!!」」と忌々しそうに舌打ちして、ジェスは「難易度たっけー。なんなんだよ、アンタこそ。何年生きた精霊なわけ?」と興味なさそうな口ぶりで問う。


 ディスはようやく傷口が塞がったようで、首元から手を放す。HPケージは欠けたままだが。


「これから消えてなくなる奴に言う必要があるわけがなかろう」


 私に対してとはまた違うツンとした冷たい態度で、リスタは言い返すと、また植物の『召喚』のための魔法陣を展開させた。

 ここまでの劣勢に、あの不敵な双子吸血鬼も退きたくなったらしい。


 後退りしたが、その背後にズドンッと落下するように、彼は現れた。


 揺らめく影は、砂煙の中から姿を見せると、氷結のようなゾッとする美貌で私に問いかける。


「ご無事ですか? ルビィ様」


 今回はとても静かな問いではあるが、怒気がゴゴゴッと圧がとんでもない大公爵。


「申し訳ございません、ルビィ様……この吸血鬼どものせいで、時間稼ぎが無駄となりました」


 ゴゴゴォッと、視線だけで殺しそうな殺気を放って、大公爵は双子吸血鬼を睨んだ。


「うん、騎士の襲撃に遭ったよ」

「直ちに処刑いたします!!」


 目に怒りの炎を燃え上がらせえて、大公爵は()る気を滾らせた。


「チッ。水銀まで来やがった」

「その名は捨てた!!」


 そこ噛みつくな、大公爵。


「捨てたぁ? ふぅん。でもアンタさ、ルビィの心配ばっかしていいの? 十三王の追手は何もルビィだけに、じゃないでしょ」


 ディスの嘲笑に、今更ながら気付く。

 バラされてしまったのなら、大公爵も追われる身。そうだった。


「ええ、ええ。おかげで足止めを喰らっていましたよ」


 ブチギレ笑みで言葉を返す。

 そうだよね。昨夜から私は戻っていたのに、大公爵は戻って来れなかったのだ。


「大丈夫だった?」

「心配をしてくださるのですか! ルビィ様! 大丈夫です! こんな失態を招いても心配してくださる主に仕えられて幸運です!!」

「仕えてはいないよ?」


 協力関係にあるだけで、まだ主従関係とかにはなってないからね?


 事情の知らないリスタが、困惑気味に私を見てくるので「ただの協力者の知人」とだけ言っておく。


「あーあ」

「挟まれちゃった」

「一旦引くのはリスクたけーな」

「まぁ、ルビィちゃんも逃げ場ないけどね」


 逃げる姿勢をやめた様子の二人は、ニタリと笑いかけた。


「もうルビィちゃんが第十三王国の城爆破して喧嘩売ったことは漏洩してんだぜ?」

「国内はもちろん、他国がそんな指名手配犯を受け入れると思う?」

「……」


 忌々しいな。大公爵も悔しげに睨む。

 大公爵が移住先を厳選してくれていたのに、第十三王国の国王が喧嘩をふっかける要因になる私を、その国は追い出すか、駆除をするはず。


「「あっ、一個あるよー! 逃げ場が」」


 パッと明るいトーンで、わざとらしく言い出す双子は、牙を剥き出しにする吊り上げた笑みを見せた。



「「オレらのペットとして匿ってあげる♡」」



 舌舐めずりの吸血鬼。『魅了』をかけてきたので、自動的に無効化。

 この流れで『魅了』にかかる要素あった?


「あ。」

「あ。」


「あ。」


 絶妙にズレて声が溢れた。大公爵とリスタが攻撃を繰り出したのは、ほぼ同時。

 ドリルのように突き刺す木々がリスタから飛んだが、青い炎を大公爵が爆ぜさせたので、ほぼ相殺。


 視線を交わした大公爵とリスタは、一言。



「「邪魔だ」」


 険悪だ。相性悪いな。



 残骸を振り払った双子吸血鬼は【第二形態:解放】をして変身した。


 肩を出すトップコートの背から、黒い鋼の翼が伸び、禍々しい赤い光をまとう異形。

 瞳は白目部分が黒に染まり、赤い瞳を引き立てていた。


「吸血鬼って変身するんだ」

「限られた強者だけの特権だ。名持ちでも、その域に達する吸血鬼は少ない」


 流石リスタ、物知り。


「あ? オレら、別に名持ちだから、『変身』する吸血鬼じゃねーよ」

「元から、つえーんだよ」


 大きく翼が広がったかと思えば、振られると同時に羽根が放たれた。

 無数のそれは、蝙蝠の形としてバタつき、鋭利に飛び回る。その場から飛び退けば、地面に突き刺さり、黒ずんだ。

 かと思えば、そこから蝙蝠が這い出て追撃。

 叩き切るが、数に押されて、捌けず、足を掠めた。途端に、ズクリと重さを感じる足。


【呪い状態】


 呪い付与の遠隔攻撃か。


 気を取られた私に間合いを詰めたのは、ディス。

 さっきの仕返しをしたいのか、尖らせた爪を私の喉目掛けて向けてきた。私は剣と共に手に握っていた道具に魔力を込めて発動。


「ッ!?」


 吸血鬼に有効な浄化の光と『呪い浄化』の道具だ。

 怯んだ隙を遠慮なく切り込んだ。

 が、その手応えに顔が強張る。

 今度は踏み込みも力加減も十分に胴体を心臓ごと切ろうとしたのに、肩に食い込むだけで留まった。

 変身した身体が硬すぎる。


「悪魔が浄化道具使うかフツー!!」

「ビックリした?」


 解放された足で腹を蹴り飛ばすと、離れる前に蝙蝠を放たれて群れを浴びかけた。青い炎が焼き払ってくれた。

 蝙蝠は数を減らせるが、また復活もする。


 リスタの攻撃が確実に消滅させられるようだ。しかし、彼らの目的は達成された。



 大公爵が相手していたジェスは、オドオドしい赤黒いモヤを操ったかと思えば、空間を支配した。


 親切に、黒いドームに閉じ込めたと目視出来る状態。あの蝙蝠は、これを設置するためのものでもあったか。


 『祝福(ギフト)』さんが、次々と耐性がダウンしていると教えてくれる。

 あらゆる耐性がダウンし、『弱点』と化す。


 全てが『弱点』になる空間。【絶対呪術支配領域】というヤツらしい。

 呪術使いの奥義だとか。ずるいな。



「時間を稼げ! 打ち砕く!」


 リスタはその奥義を打ち破れるという。

 こちらもこちらで相性は最悪だ。ずるいな、ざまぁー。


 しかし、リスタが並の精霊ではないのはわかり切っていた双子は潔く、この領域が壊される前に、大公爵に狙いを定めて飛ぶ。一人でも削りたいのだろう。最終的な狙いは私だから、必然だ。


 私もガラ空きの背を狙い、追う。


 大公爵は受けて立つと、宙で構える。バチバチと小さく爆ぜる青い炎に特大の魔力を込めながら。



 ――――フッ。



【絶対呪術支配領域が打ち消されました】



 弱体化の奥義が、僅か数秒で消えた。

 双子吸血鬼の動揺が、後ろから見て伝わる。


 時間稼ぎなんて、リスタのフェイントだ。精霊王の前では、解けない技ではなかった。


 弱体化が解けた大公爵は、凶悪な笑みで双子吸血鬼を迎える。自ら飛び込んだ獲物に、魔法をぶち込むのだから、加虐な笑みも浮かぶ。


 わかるよ。私もいて、挟み撃ちだ。先に、翼を切り落とす勢いで、氷の斬撃を放つ。


 大公爵の青い炎も、爆音が呑まれるほどに、大いに爆ぜた。

 硬い身体に追撃をしようとしたが、二人は離脱。地面にふらついた足で立つ。


「マジかよ、クソ! あんの精霊!」

「どこの長寿の精霊だよチクショ!」


 完全に油断したのだろう。リスタがそこまでの精霊ではないと高をくくった。リスタに瞬殺されたことが悔しそうだ。吸血鬼は、不利だな。

 リスタがいる今、畳みかけよう。

 HPケージも半分削れてる。攻め時だろう。


「!!」


 とっくに封印状態を解除している『魔力感知』が、来訪者を知らせる。


 『飛翔』でやってくるのは、圧倒的強者。

 【???】の表記が三つ。


 誰が来ようが、双子吸血鬼を先に仕留めた方がいい。

 しかし、間に合わなかった。



「やめよ」



 ザンッ、と双子吸血鬼に迫った私の目の前に、紫の斬撃が降る。


 チッ。双子吸血鬼の加勢か。嫌だと思いつつ、リスタの前まで飛び退いた。


 そして剣を構えたまま、上を見上げる。


【魔族 女】 【???】


 真ん中にいるのは、女性。

 紫に艶めくエレガントなカールの長髪と、スリットの入った黒と紫のフリルドレス。闘牛のような大きな角を左右に生やしている美女だ。しかし、一番目に付くのは――――爆乳。

 絶対に抱えられないであろう大きさの爆乳は、ドレスの胸元もパックリ開いて谷間を見せつけている。

 胸の谷間と言うのは、魅せるべき女性の武器だとは思うのだけども……。

 がしかし、だ。なんとも、あれは下劣な谷間である。

 流石異世界。あれほどの爆乳が存在するのか。


【爆乳:魔力88%】


 やめてあげて『祝福(ギフト)』さん!



 


怒涛の戦闘に偽爆乳現れる……!


爆乳は美しければいいと思う……。


2024/01/12

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