先生に勉強を教えてやってくれって言われて、3時間程教えたら離婚する羽目になってしまいました。
完璧な一日だった。
カウワウ子爵家の三男ミスラウ様とネッテン子爵家の長女ユーミナの初顔合わせだった。
両方の父親から紹介され、第一印象は上々。
17才という少し遅い婚約で、互いに後が無い事も分かっていた。
なので歩み寄りが、今日の顔合わせで一番役に立つ。
カウワウ家としては三男なので外に出したい、ネッテンとしては嫡男がいないので婿入りしてくれる人が欲しい。両者の思惑が一致した、いい婚約相手だった。
ミスラウ様は少し吊り目できつく見えたけれど、優しそうだと感じられた。
互いに凡庸で、特に秀でた部分があるでなし、十人中五番目という感じだ。
両親が仕事の話で席を外し二人きりになった時、といっても従者は後ろに控えているけれど、互いに確認しあったのは思い人はいるのか?という事だった。
「私には好きな人、気になる人はいません。ユーミナ嬢は?」
「私もいません」
「政略結婚でもお互いを尊重しあってうまくやっていけるだろうか?」
「努力したいと思います」
「会える日はなるべく会うようにして、親交を深めよう」
「はい」
まめなミスラウ様との交流は上手くいっていて、互いに卒業後結婚することを誓い合った。
ミスラウ様と通う学園が違ったため、卒業パーティーはエスコートはしてもらえなかったが、よくある話だったので特に問題にはならなかった。
平々凡々な私がパーティー会場の真ん中で、主役のごとき扱いを受けていた。
直接かかわりあったのは一度だけの男子、トロボン・ブレイブに手を握られ跪かれる。
「な、なんですか?」
「ユーミナ嬢。私はあなたのために婚約者であるフレウス男爵家のミリナット嬢と婚約破棄して、ここであなたに愛を乞う!ユーミナ嬢!!大好きです!!どうか私と結婚を前提に婚約してください!!」
「へ?」
返答はYESだろう!!という圧力を感じるが、答えは決まっている。
「申し訳ありません。私はミスラウ様という婚約者がおります」
「婚約解消をしていただいて是非私を選んでください!!」
「選びません。私はミスラウ様をお慕いしています」
「そんな・・・嘘だろう?」
「いえ、本当です。ブレイブ様が婚約破棄をされるのはご自由なのですが、私を巻き込まないでいただきたいです」
「そんな・・・」
フレウス様は冷めた目でブレイブ様を見下ろして言った。
「婚約破棄、受け入れます。この事を父に報告してトロボン様からの婚約破棄だと伝えておきます。申し訳ありませんが、ここにいる皆さま、証人になってくださいませ」
コクコクと首を縦に振る外野たち。
私も慌てて証人になると約束する。
「私も、証人にならせていただきます」
「あら、ネッテン様も証人になってくださいますの?」
「はい!巻き込まれるのは困りますが、証人にはなれます」
「ユーミナ嬢、私たちはあんなに仲が良かったではないですか!!」
「えっ?・・・いつ仲が良かったでしょうか?記憶にないのですが・・・?」
「数学と理学、歴史の補講の時、ずっと私に勉強を教えてくれたではありませんか!!」
「先生に頼まれたからですよね?」
「そう・・・だったでしょうか・・・?」
「そうですよ。私が風邪をひいて休んだ時の補講した時のことですよね?あの時は先生に、落第スレスレのブレイブ様に教えてやってくれと頼まれてあの日一日、勉強をお教えしただけです」
「そんなぁ・・・」
ちょうど理学の先生が近くにいたので、確認を取る。
「確かに頼んだが、見ていた限りそれ以上ではなかったと思うぞ」
「ほら」
「あの日以後もよく目が合ったり、挨拶をすることもあっただろう?」
「お知り合いになった方を無視したりはしませんよ」
「ミリナット嬢!!これは手違いで!!婚約破棄の話はなかったことに!!」
「なりませんわ。人前でここまで恥をかかされて、謝罪を受け入れては我が家の恥です。政略的意味合いがあろうとも、私も、父も受け入れないとお思いください」
颯爽と去っていくフレウス様の後ろ姿が格好良かった。
って、事が卒業パーティーでありました。
と結婚の打ち合わせのカフェでミスラウ様に話して聞いてもらっていた。
「エスコートがないという意味を嫌というほど知りました」
「それはお疲れ様だったね」
「その後のパーティーは、この話一色で、居たたまれませんでした」
「じゃぁ、私の方の話も聞いてもらおうかな」
「何かあったんですか?」
「私にはほぼ関係ない話なんだけど」
目を輝かせて身を乗り出すユーミナ嬢の可愛らしさにちょっとドキッとした。
「知っての通り、私のいる学園には一学年下に第二王女がおられるんだが・・・」
この王女が生徒会会長を務めているのだが、実務能力は一切ない。
側近達が盛り立てて何とか生徒会が回っている状態だった。
わたしは生徒会とは何の関係もなかったので、その苦労を遠くから噂で聞く程度だった。
王女の側近達も見栄えで選ばれていたのもあって、平常時は側近達で何とかなるものの、卒業パーティーなどのイベントになると、対応がしきれない。
一学年下の成績上位十人がいきなり、生徒会の手伝いに駆り出された。
初めは文句を言っていた成績上位者達も渋々とはいえ、かかわったので頑張りますと言っていたのも初めのうちで、王女と側近が何もしなくて邪魔ばかりするので呆れ果ててしまい、一人、また一人と手伝いを拒否していった。
準備は何も整わないまま、卒業パーティーは近づく。
王女は癇癪を起して成績上位者達の愚痴をこぼすだけで、仕事はせず卒業パーティー前日になってしまった。
卒業する私たちは不安で仕方なかったが、学園側の不安が一番不安が大きかったようで、生徒会がすることに普段は口を出さないのだけれど、今回は口を出した。
「どこまで準備が整っているのかね?・・・料理の手配はしたのか?」
「それは誰かがしたと思います」
「楽団の手配は?」
「それも誰かがしたと思います」
「ならその費用の請求書なり、見積書なりを出しなさい!!」
「・・・ありません」
「何も準備ができていないという事ではないのかね!!」
教師の一人がキレて、王女を怒鳴りつけた。
その教師は王女を連れて王城に行き、王城の楽団と料理人を引き連れて帰ってきて、食堂で料理を作らせ、楽団には当日の演奏を任せた。
王女たちにテーブルのセッティングをさせ、なんとか体裁が整ったのはダンスパーティーが開始される直前だった。
最低限の体裁が整っただけだったので、飾りつけもなく寂しい卒業パーティーだったのは言わずもがな。
盛り上がりに欠けるパーティーに王女はまた癇癪を起して側近に八つ当たりしていた。
「というのが私の体験したパーティーだったよ」
「それは何というか残念でしたね」
「本当に。一生に一回しかないのに、残念で仕方ないよ」
「ユーミナのところみたいに婚約破棄でもあった方が盛り上がったかもしれない」
「当事者でなければ楽しいかもしれませんね」
そう言って二人で笑った。
結婚式の段取りを進めていくうちに、小さな棘が刺さった。
本当にミスラウ様でいいのか?もっと他に選択肢はあったのではないだろうかと。
ミスラウ様に特に不満はない。けれど、満足もしていないのだ。
政略の結婚相手、それ以上ではない。
「お母様、私、このまま本当に結婚してもいいのでしょうか?」
「どういうことかしら?」
「ミスラウ様のことをどう思っているのか分かりません。それなのに結婚は一ヶ月後・・・」
「マリッジブルーなのね」
「マリッジブルー?」
「花嫁がかかる病気ね。本当に結婚していいのか不安になるのよ」
「病気・・・」
「ミスラウ様と口づけるのは嫌かしら?」
「・・・」
「一ヶ月後には閨を共にすることになるけれど、受け入れられない?受け入れられないのなら婚約を破棄した方がいいかも知れないわね」
「閨・・・」
急に現実を、身近に感じた。
口づけはできるわ。
もう、ミスラウ様と経験済で、会う度にしているもの。
嫌じゃないわ。口づけた後は嬉しくて恥ずかしくて・・・。
なら閨は?
正直言って想像がつかなくて分からない。
妄想してみるが、想像力が足りなくてよく分からなかった。
「もう、一ヶ月しかありませんよ」
「はい・・・」
考えても答えは出ず、結婚式前夜になってしまった。
新婚当初は二人でゆっくりしなさいと離れの小さな屋敷に住む。
私の荷物も移動され、ミスラウ様の荷物もどんどん運び込まれる。
夫婦の寝台が運び込まれて一人赤面をした。
私の夜着を見て驚いた。赤い色で胸の部分以外向こうが透けて見える。
「これを私が着るのですか?」
「頑張って愛されてくださいね」
「頑張るものなのですか?」
「力を抜いて、殿方に任せれば大丈夫です」
「そう」
お風呂ですっきりとする香油をつかってマッサージされる。
「お嬢様の飛び切り美しい姿を見ていただきましょうね」
このマッサージを受けるとウエストが細くなり、何となく重い体が軽くなる。
「気持ちいいわ」
「旦那様との初夜はもっと気持ちいいですよ」
「そうなの?」
「はい。お嬢様が緊張されると、気持ちいいものも、痛いものになってしまうので、緊張しないことが一番大事です」
「わかったわ」
ほんの少しの寝不足を抱え、式の当日になった。
入浴して昨夜と同じマッサージを受け、小鳥がついばむほどの朝食をいただいて教会へ向かった。
教会には既にミスラウ様が来ているらしく、親族たちへの挨拶をしてくれているらしい。
感謝して、私は準備を進めていく。
肩を出したプリンセスラインのドレス。髪を編み込み、いつもと違う化粧を施され、鏡に映る自分に目を見張る。ヴェールで顔を覆い隠して私の準備は整った。
カランコロンと教会の鐘が鳴り、父の手を取りバージンロードを歩く。
私を見たミスラウ様は両手で口元を覆い隠し「綺麗だ・・・」と聞こえた。
父からミスラウ様に手渡され、全員が起立して賛美歌を歌う。
神父様が聖書の朗読を行い、神に祈りを捧げる。
誓約の言葉を交わし、YESとミスラウ様が答え、私もYESと答えようとしたら「異議あり」と声が上がった。
ざわざわとした中、バージンロードに一人の男が立つ。
トロボン・ブレイブ・・・。
ミスラウ様が「誰?」と聞いてきて「卒業パーティーでの例の・・・」と答えると「ああ・・・」と納得して、ほんの少し目線が冷たく感じた。
「この結婚に異議がある!!」
「伺いましょう」とミスラウ様がブレイブ様に聞いた。
「ユーミナ嬢は私が好きなはずだ!!さぁ、これが最後になってしまう!私の手を取ってください!!」
列席している人たちの視線が、ブレイブ様と私の間を行ったり来たりして、私に視線が定まった。
「前にもお答えいたしましたが、私はミスラウ様をお慕いしています。あなた様とは数度話したことがある程度、何を勘違いされているのか私には分かりかねます」
「そんな・・・」
神父様を見て「続きをお願いできますか?」とお願いした。
私の親族とミスラウ様の親族に摘み上げられブレイブ様は御堂から出された。
もう一度、ミスラウ様がYESと答え、今度は私もYESと答え、指輪の交換をした。
ベールを上げ、ミスラウ様と口づける。
結婚を宣言され、誓約書に互いのサインをして、ミスラウ様と腕を組んでバージンロードを歩いた。
花びらが撒かれる中を道行く人にも祝われる。
ハプニングはあったけれど、私は幸せだと思った。
披露パーティーで挨拶回りをして、長くて早い一日が終わった。
初夜も無事済んだ後、ミスラウ様に問いただされた。
「式の時に異議を申し出た男とは本当に関係ないのか?」
「はい、まったく。卒業パーティー以来会ったこともありません」
「ならなぜ、異議なんか申し立てるんだ!!」
会話ではなく、怒りを感じて私は驚く。
「私にも分かりません。卒業パーティーの話をした程度でしか知り合いでしかないのです」
「二度だぞ!婚約破棄を望まれ、結婚に異議を申し立てる。関係が無かったら二度も申し立てはしないだろう!!」
「本当です。ただ先生に頼まれて勉強を三時間程教えて、それ以降は目が合うと会釈する程度でした」
「君のことは信じられない!!」
「そんな・・・」
さっきまでミスラウ様の腕の中で幸せを噛みしめていたのにどうしてこんなことになってしまったのだろう?
「ミスラウ様!信じてください。本当に・・・」
「もういいっ!!」
そう言って夫婦の寝室を出ていってしまった。
慌てて追いかけようとしたけれど、立ち上がれなくて追いかけることはできなかった。
それからは夫婦の寝室に来て夜伽を済ませると会話もなく退室していくミスラウ様は、取り付く島もなかった。
人前では仲の良い夫婦を演じ、自邸では言葉すら交わさない。
外出は厳しく管理され、気晴らしにすら行けなかった。
どうしてこんなことになってしまったのかしら・・・。
ミスラウ様の許しは得られないまま、私は妊娠した。
「本当に私の子なのか?!」
ああ。もうだめだ。
「離婚してください」
「何を言ってるんだ!妊娠したんだろう!!」
「でも、ミスラウ様の子ではないと疑ってらっしゃるんでしょう?もう、無理だと分かりました」
「そんな簡単にいくわけないだろう」
「ですがもう無理です」
両親を呼んでもらい、私から事情を話す。
「妊娠したのですけれど・・・」
「まぁ!!おめでとう!!」
「お母様、めでたくはありません」
きょとんとする両親に結婚式からのことを話す。
「なんとか、関係を修復できないかと思ったのですが、私の妊娠でそれも無理だと分かりました」
「無理とはどういうことだ?」
「ミスラウ様の子ではないと思われているのです」
「なっ!!私の娘がそこまで浅はかだと?!」
「いや・・・」
父に詰め寄られ、気まずそうに目を伏せる。
「生まれてくる子が不幸になります。そんな子供を産めません」
「そうね。離婚しなさい」
「お母様」
「確かに生まれてくる子は幸せではないわ」
「そうだな」
「結婚して六ヶ月、そこまで娘が信じられないのなら仕方ない。私からカウワウ子爵に話を通そう」
「ちょっと、待ってください!!」
両親は私に本邸に戻るように言い、腕を曳く。
ミスラウ様は「離婚はしない」とか「待て」とか「言い過ぎた」等、言っていたが、私の心はミスラウ様にはもうなかった。
父とカウワウ子爵の間で話が進み、離婚が成立したのは私が妊娠7か月になったころだった。
生まれてくる子の親権の全てを我が家が持つことを記載させた。
離婚届にサインするまでミスラウ様は離れで住んでいたが、カウワウ家からの使用人が来て荷物を運び出し、カウワウ子爵が、ミスラウ様を離れから連れ出した。
トロボン・ブレイブにも、責はあると申し立て、認められて少額だが、慰謝料を貰い受けた。
私は三ヶ月後、ミスラウ様そっくりな男の子、ヨーラリアを産んだ。
父はこの子をネッテン子爵家の後継ぎとした。
それまでは頑張らねばと張り切っている。
ミスラウ様がヨーラリアに会わせてくれと何度も訪ねてくる。
初めは断っていたが、父親には間違いないのでカウワウ子爵も同席の上で会わせることになった。
「この子が生まれてきた子です。ヨーラリアと名付けました」
「ヨーラリア・・・私にそっくりではないか。抱かせてくれないか?」
「それはお断りします。この子は疑われた子なので」
「もう、疑ったりなんかしていない!!」
「たまたま似ていただけです。会わせるのもこれっきりにしてください」
「そんなっ!!」
カウワウ子爵は何も言わずただじっとヨーラリアを見つめていた。
それからも度々ミスラウ様は我が家を訪れたが、門前払いにしている。
やり直してくれと手紙も届く。面倒で仕方ない。
二~三通は読んだが、それ以降は受け取り拒否している。
ヨーラリアの生まれ月にはカウワウ子爵家からお祝いが届く。
誕生日を知らないのだろう。
ヨーラリアが十五歳になって父がヨーラリアの婚約の話を持って帰ってきた。
「政略に必要なのですか?」
「いや、そういうわけじゃない」
「なら、ヨーラリアが恋するまで待ってあげてください」
「そう、だな」
ヨーラリアはミスラウ様が父親だと知った。
たまたま自分にそっくりなミスラウ様を見かけたそうだ。
ヨーラリアは声を掛けず帰ってきて、私に父親のことを聞いた。
私はミスラウ様の名前を教え「会いたいのなら会いに行きなさい」と伝えた。
暫く経った頃、ヨーラリアが目を真っ赤にして帰ってきた。
「あんな人が父親だなんて・・・」
「何かあったの?」
「母上が離婚した理由を聞いた」
「そう」
話を聞いたところ、ミスラウ様は再婚叶わずカウワウ子爵家にしがみついて生活しているらしい。
初めは私が許してくれるのを待っていたが、私との復縁が叶わないと気付いて再婚相手を探したが、離婚歴のある三男を婿入りさせる家はなかったそうだ。
ヨーラリアが会いに行くと、私と縒りを戻せないかと尋ねられたそうだ。
戻せないと、きっぱり答えるとヨーラリアにも興味を失ったらしい。
それを聞いた両親は「早く別れて正解だったな」と言った。
トロボン・ブレイブも不幸な人生を送っている。
二度、私にしたことで、私の人生を壊したとして貴族には知れ渡っていて、結婚相手は見つけられず、平民になったそうだ。
そこでは自分は貴族だと偉ぶって平民を馬鹿にしてしまい、平民に嫌われ、誰も近寄らない孤独な人生を送っているらしい。
ヨーラリアが二十歳になり、恋愛結婚をした。
父親のようになりたくないとミスラウ様を反面教師にして妻をとても大事にしている。
子育てが終わった私に、再婚話が来た。
私より二歳年下の離婚歴がある男性、リッテス・ハルバー伯爵。
政略結婚がうまくいかず、離婚された。後継ぎはいるので、互いを思いやれる人と一緒になりたいと言ってくれて決心した。
前の奥様との間に十五歳になる子供がいて、この子が後を継げるようになったら領地に引っ込もうと話している。
ヨーラリアに子供が生まれたころ、私も妊娠してしまった。
孫よりも年下の子を産み育てるのかと思ったけれど、子沢山の家ならまだまだ子育てしていてもおかしくない年だと言われ、産む決心をした。
今度は自分の子か?と疑われることなく心から喜んでくれた。
ハルバー伯爵家の揉め事になりたくなかったので、女の子が生まれますようにとの願いが叶ったのか、二人の特徴を持つ女の子が生まれた。
「赤ん坊ってこんなに小さかったかな?」
「互いの子供を思い浮かべると、小さく感じてしまいますね」
「名前が決められないよ!!」
「心行くまで悩んでください」
「そうするよ」
私はミスラウ様と結婚していた時以外はずっと幸せだったけど、隣に頼れる温もりがあるのは心が安らぐ。
「リッテス様、私はすごく幸せです」
「わたしもだよ」