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ループ? 時間逆流説? アサルトドアの悪用方法



「これは一体どいうことなのかしら?」


 エレナ(本人) は九人のエレナ(プラムドール) を引き連れて宝物庫内に再びやってきた。

 

 庫内には破壊されたハズの木箱が元通り、生きた屍の残骸もアーマーゴーストの死骸も綺麗サッパリ消滅。 戦闘の痕跡もなくなっていた。

 

 それ以外は、というと全く変わらない。

 アサルトドアの書に取り込まれた時の悪寒や怖ぞけ、耳音や視線といった全ては全く変わらない。


 エレナ(本人は) は、エレナ(プラムドール) 一号が言っていた言葉を思い出す。


『この本に閉じ込められた者は脱出するまで、この本の中をさ迷い続けます。 脱出するためには、扉に宿るアサルトドアを倒さなければならない』


 と…………。 だが、脱出どころか戻って来てしまったことに疑問を抱く。

 エレナ(本人) の中では二つの仮説が組み上げられる。 同じ部屋へのループ説と、過去へ戻ってのやり直しの時間逆流説だ。


 ただのループであれ例えループしたとしても庫内に置かれたきばこのいくつかは砕けて散らかった状態になっているはずだし、逆に散らかった木箱が元通りになっているという事を考えれば、過去へ戻ってのやり直しになっているのだと考えても良い。

 

 だが、過去へ戻っているということを否定する状態が一つ。


「どうやら、外にはでられなかったみたいですね」 と隣に佇むエレナ(プラムドール) 一号が言う。

 一歩、ニ歩……脚を運び、入り口近くの木箱に足を運び振り返る。










 ーーーードンドン!ーーーー


 木箱に飛び乗り、腰掛けて振り替える。 エレナの後を着いてきた、エレナ(プラムドール) 一号以外の八人は健在だ。


 エレナ(本人) は記憶を辿る。

 確か、最初は、ゼルダ城からの爆発音だったはずで、そのあとに出入口の扉を叩かれての侵入者の確認だったはず。

 ということは……ループ?…………。


 

 首を右に左へと交互に首を傾けて考える。


 「俺を連れていけぇ!」


 どこかで聞いたような野太い声。

 秘密の地下通路の先に捕われている人狼の叫び声が響く。


 どうやら、地下通路の先の部屋には人狼も捕われていて、それも一緒にこのアサルトドアの本の世界に幽閉されてしまっているのだろうと、エレナは結論づける。

「あの時は人狼の声はなかった」と呟き、腕を組む。


「うーん……………………」

 うなり声をあげて、正面のエレナ(プラムドール) 一号を見つめる。


「外へと通じるヵ所、扉や窓、排水溝や抜け道、各部屋への境界に宿り、出現したアサルトドアを倒しても外へ出られるとは一言も言ってません」

  

 エレナ(プラムドール) 一号のいいわけがましい追加情報だ。

 つまり、出入口である扉以外にも、外ヘ繋がるヵ所以外の各部屋への境目も対象である。 とエレナ(本人)

 は理解する。


 だが、今のエレナ(本人) にとって追加情報ではなくて、今置かれている状況に対する答えを求めているのだ。










 ーーーードカーン!ーーーー

 ゼルダ城で発生する爆発音が響く。

  エレナ(プラムドール)一号の後ろで待機する残りのエレナ(プラムドール)の一人一人の顔を観察する。


 仮にこれが過去へ戻ってのやり直しではないのであれば……。 とエレナ(本人)は仮定して、改めて庫内の様子を見渡す。


 庫内に出現したアーマーゴーストの消し炭や一斉掃射の名残である燃え跡も存在しない床を見やり、木箱から飛び降りる。

 

 この状況に勘のいいエレナは、ニィィ! と口元を歪め、腰を下ろしていた木箱を開ける。


 木箱の中にはエレナ(本人) の思惑通り大量のぬいぐるみが詰め込まれていた。

  一つ手にもっては取り出し、ブラの中に放り込み、一つとっては床に置きを繰り返す。

 

 エレナは前述のこのぬいぐるみを収拾した国王の如く、欲しくなってしまったのだ。

 現在、エレナの姿をしているプラムドールは合計で九人、さきほどの戦闘をみて、エレナ(本人) を含めて三十人はいらない。 と見積もり、合計で二十人いればいいかな? と思い、ぬいぐるみのプラムドールを自身に変えようと、ぬいぐるみのあちこちをまさぐる。


「プラムドールを使うには鼻を押して下さい」

 エレナが、プラムドールの使い方戸惑っているとエレナ(プラムドール) 一号が使い方を教えてくれる。




 エレナの周囲には、再びエレナの大軍が完成されて、エレナにとって過去へ戻ってきた件もしくはループの件等、どうでもいい。 


という結論に達し、エレナ(本人) のテンションは爆上がりで、気分サイコーッ! といった感じになってしまう。


  最終的に、こんな楽しいチートッぷりができるなら、何度だって過去へ戻っての繰り返しをしたりループをしてもいいとさえ思ったのであった。


 エレナ(プラムドール) の説明によると、エレナの姿に変化しないものは、身代わりの人形であるということも知り、身替わりの人形も全て、エレナのブラヘと放り込まれたのである。


 

 

 

 






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