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注意!痛そうな描写あり!
「いたぞ!!」
「一歩も出すな!」
「何だあいつ!!一人で門を開けているぞ!」
「相手は化け物だ!油断するな」
大勢の男達が一斉にこちらに向かってきている。
あの人数を相手にするのは厳しいかもしれない。
「シリー!!!」
「うぉおおおおおお!!!!
ロゼ!!!!先に通って!!!!」
ギリギリ通れるまで広がった門へ向かって走って向かう。助走をつけ、シリーの上を飛び越えて外へ出た。
「シリー!あなたも早く!!!」
もうすぐそこまで迫っている。
「シリー!早くこっちに来て!!!」
手を差し伸べるが一向に掴む気配がない。
「ロゼ」
シリーは笑っていた。痛みに顔が歪んでしまっているが、そこには私の好きなシリーの暖かい笑みが広がっていた。
「ロゼ、あなただけでも、生きて」
フッと彼女が力を抜くのが分かった。
そんな、どうして!!二人で逃げようと約束したのに!!私達は二人で一人。
どちらかが欠けては生きていけない。そんなの私は耐えられない。
隙間から手を入れ、ロゼの腕を掴む。そのまま一気に引っ張る。反対の腕を男が掴もうとしていたがそれよりも早く。
門が閉まるよりも早く。
シリーの驚いた顔が見える。予想外だったのか全く力の入っていない体を引っ張るのは簡単だった。
「一緒に」
バン!!!!
門が閉まった。
「うぎゃぁぁぁあああ!!!!」
「シリー…シリー、あぁ、シリー!!」
「ロゼぇ~」
「馬鹿なこと言わないでよ!!わたし、わたし…」
「ごめん、ロゼ…間に合わないと思って、ぐすっ。
あなただけでもっでぇ!!」
涙で濡れたシリーの顔に安堵する。
間に合って良かった。
出る直前に男に腕を掴まれていたが、返ってそれがブレーキとなり私達は倒れることなく門の外へ立っていた。
門の中からはシリーの腕を掴んでいたであろう男の子悲鳴が聞こえているが、彼には感謝したい。
これ以上彼女の体に傷が出来なくて良かった。
もっと直接的な表現をしようと思ったけれど想像してアイタタタタって先になっちゃったのでやめました…次で双子編さいご!!!