表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RuiN-花の咲く音-  作者: みづき
二部
6/21

2

「ロゼ、起きて。行くわよ。」


うとうととしてしまっていたロゼをゆすり起こす。

眠そうに目をこすっている。本当ならゆっくりと寝かせてあげたいが、そうもいっていられない。


「シリー、ごめんなさい。私だけ…。」


「いいえ、いいのよ。ほら、急がないと。」


「うん」


扉をゆっくりと開ける。だいぶ古いので油断すると大きな音が鳴ってしまう。

少しだけ開けて、隙間から外の様子を伺う。

外には誰もいないみたいだ。気まぐれに見張りを置かれるがそれもいない。もし居たとしても準備してあったこの木の棒で殴るつもりだ。


「外には誰もいないみたい。このまま抜け出しましょう」


「分かった。シリー、慎重にね」


「えぇ」


もう少し開けなければ通れない。力を加減しつつ慎重に、ゆっくりと開けていく。


ギィ


「ぁっ!」


「大丈夫!そんなに大きい音じゃない。」


「けど、誰か起きちゃうかも」


「…急ぎましょう。」


本当はこの先も物音を立てぬようにゆっくりと進む予定だった。けれど、いつ誰が来るか分からないこの状況では悪手だ。


周囲を警戒しつつ近くの茂みの入る。ここから村を出るにはひとつしかない門を通らなければならない。

ここは外からの訪問を拒むように、それとも内から抜け出せないようにここは高い壁に囲まれている。


門に辿り着くまでには木に姿を隠してもらえる。

問題はそのあとだ。門を開けるのは容易い。けれど、やはり音が響く。私達が出るのが先か、捕まるのが先か、時間の勝負になる。


「門番は一人みたいだよ」


「運が良かったわ。」


「私がやってるく。シリーは少し休んでて」


力のある私は門を開ける役割、村人の制圧はロゼに任せてある。

ロゼは足音もたてずに門番の背後に迫る。一人くらいなら大男でも敵わないだろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ