愛情というものは
初めましてみづきです。私が作った曲をもとに小説を書いています。初心者が小説を書くとこうなる、ということで誤字脱字はもちろんのこと表現のおかしな所などありましたらアドバイス頂けたらと思います。
優しい母だった。厳しい父だった。面倒見のいい姉と頭のいい兄と騒がしい弟。家族が好きだ。大切にされてるし大切にしたい。
笑顔で「おはよう」といい、「おやすみ」を繰り返す。代わり映えしない毎日を送るのだと思っていた。
あれは私が6歳の誕生日。
母の手作りケーキは形が綺麗とは言えず、いつも崩れていた。甘さも味もその時々で違っていたりするけれど、不味いなんて思ったことはない。売っているケーキよりも愛情が詰まっていて大好きだ。皆で取り合いになっては怒られて、ぶすくれた私や弟にしょうがないといった顔で母は自分のケーキを分けてくれた。
姉は手先が器用でこういった日には部屋を華やかに飾りつけをしてくれる。紙で作った色とりどりの花やアーチは幼い私には十分で、見ているだけでも楽しくなる。
父は仕事が忙しいから帰るのはいつも皆が寝た後だ。唯一言葉を交わすときは怒られる時だから小さい弟は怖がっているけれど、私は知っている。寝ているときに優しく頭を撫でてくれる手もお祝い事の日は枕元にプレゼントを置いてくれていることも。なかなか会えないけれど、父を悪く言う家族はいない。
今年も好きなケーキを食べてプレゼントを貰って、幸せな日を過ごすのだろう。
「アキラ」
弟と積み木で遊んでいた私は後ろからの聞きなれた声に顔を輝かせた。
「おばあちゃん!」
遠くに住んでいる祖母が今年は来てくれると手紙で知ったときは飛び跳ねるほど嬉しかった。少し前はよく家に来ていたけれど最近足腰が弱くなってしまい、来れなくなってしまっていた。
それでも手紙は毎月のようにくれて可愛い一輪のお花を送ってくれる。
「いらっしゃい、おばあちゃん。お腰は痛くないの?」
「いたくなーいー?」
「お邪魔するよ。あぁ、大丈夫だよ。見ての通りおばあちゃんは頑丈だからね。」
ゆったりとした優しい声色は心地がいい。昔は寝る前に必ず絵本を読んで欲しいとねだった。眠くないからと弟と二人、祖母を真ん中にして色々な話を聞かせてくれた。けれど、祖母の声を聞くとすぐ眠ってしまうから不思議だ。
「お母様、お久しぶりです。遠いところ、お越し頂いてありがとうございます。」
料理の準備をしていた母が祖母に挨拶に来た。「ほら、アラン。あなたもちゃんとご挨拶なさい。」と良いながら弟の頭を軽く下げさせた。
そんな母をみて「いいさ、いいさ」と祖母は朗らかに笑い、鞄からタッパを取り出して渡した。手作りのクッキーだろうか、あの大きさだとパイかもしれない。祖母の作るお菓子は形も綺麗だし味も美味しい。
「これ、お隣さんがじゃがいもをたくさん分けてくれてね。それで肉じゃがを作ったんだ。良かったら食べてくれないかい。」
「まぁ、ありがとうございます。お夕飯で一緒に頂きます。」
「えぇー、おかしはー?」
「私もクッキーの方が食べたかったー」
祖母の手料理も好きだけれどやっぱりお菓子が食べたい。そう思っていた私は弟に便乗して不満の声を上げる。
「こら、我が儘言わないの」と母に言われながら私達は軽く頭を叩かれた。弟は驚いたようで更に機嫌を損ねてしまった。
「あぁ、ごめんね。おばあちゃん、すっかり忘れていたよ。
今度来るときは作ってくるから、そんな怖い顔をしないでおくれ。」
祖母は魔法を使えるのだろうかと常々思う。今の一言だけで弟の機嫌は戻り満面の笑顔で指切りをしている。そんな私も沈んだ気持ちが戻っているのだから本当に不思議だ。
あらすじが全く思い付かない。タグも全く分からない。曲の方は無事完結できたら晒します。ちなみに曲の方は4部構成なのでこちらの小説もそこのどれかなんだろうなーという事を頭の隅っこに置いておいてください。