表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

自動運転車は中国の時代となった。

作者: さきら天悟

2030年、自動運転車は中国メーカーにトップ5を占められた。

日本メーカーは、国の自動運転政策が遅れたため、

T社が9位に辛うじて入っているだけだったし、

N社は、もはやフランス企業になっていた。


しかし、これは当然の結果と言ってよかった。

中国は自動運転を国の基幹産業に育てるべく、

国があらゆる手段を打ったのだった。

2023年には自動運転特区が中国の数か所に指定された。

その翌年から自動運転が実施されたのである。

「まだ早すぎる」と言う日本、アメリカ、EUの声を無視して。

当然のこと、死亡事故が多発した。

人工知能のレベルはまだ安全に自動運転を果たすレベルには達していなかった。

しかし、そこは中国である。

人権、いや人の命より国家の繁栄、威信が重んじられた。

「人体実験だ」と他の国は批判したが、

中国は確実に技術をものにしていった。

わずか3年後には、以前の人による車の運転より、

事故率が下回っていった。

その結果を見れば、多くの人の命を救ったと言えるかもしれない。

これを受け、国家指導部は中国全土に自動運転化を推進した。

それと同時に中東、アジア諸国に進出した。

そして、中国企業のシェアは世界で95%を占め、

中国の基準が世界基準となっていた。


2028年に入ると、中国企業は日本に進出を果たした。

大都市部は中国企業の自動運転車であふれた。

確かに便利だった。

スマホで予約すると、家の前に自動運転車が迎えに来る。

それに乗り、目的地に行くだけだった。

要は、格安の無人タクシーだ。

自分の車を持たないため、駐車場代や維持費が発生せず、

料金が格安になるのだ。

このため、中国車は都市部にあふれかえった。


しかし、日本企業が後れを取ったとは思えなかった。

中国企業より後発だったが、そこは日本の企業である。

安全面は中国車の数段上だった。


が、しかし、みな中国車を選んだ。


それは命の選択という都市伝説だった。

それは自動運転車の命題でよく問われるモノだった。

『人が飛び出してきた際、回避する方向にも人がいた時、

自動運転車に搭載された人工知能はどう判断するか?』という。


中国車の会員(スマホを検知)の安全を優先する、

と世界中の人々はその都市伝説を信じていたからだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ