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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 作者:硬梨菜

此岸より愛を込めて花束を

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走れ、スリップダメージに追われながら

認めよう、俺はシャングリラ・フロンティアを舐めていた。
所詮は大衆が評価したヌルゲーだと、まぁ頑張ればなんとかなると。
薬草なくてもノーダメ余裕です^^とか思い上がりだった、フェアクソをクリアしていた事で少し天狗になっていたらしい、その点は貪食の大蛇に感謝もしてやろう。
だが同時に言い訳もさせて欲しい。

「蛇型モンスターが糞ぶつけてくるとか予想できるわけないだろ!!」

お前仮にも竜に似た姿してるんだからもう少しプライドはないのか!!
ステータス画面を開き現在のHPを確認、28……毒糞を食らってから大体二十秒経過したから十秒で1ダメージ(多分割合ダメージなのだろう)、残りHP28、いや実質27だから二百七十秒、四分半が(サンラク)に残されたタイムリミット。
セカンディルまで走ってどれくらいかかる?スタミナの関係もあるから最適なスタミナ管理は?そもそも貪食の大蛇はあとどれだけHPが残っている?クソ、こういう時敵のHPバーが見えないシステムが最高に腹立つ!

「クソが、速攻で倒す!!」

RTAは専門外だがTAはそれなりに経験がある。
致命の包丁、シャンフロのクリティカル判定基準、貪食の大蛇の耐久及び防御……今持ってる情報から答えを弾き出す。

このゲームにおけるクリティカルはランダム発生ではなく、どうやらプレイヤーの攻撃が理想的な当たり方をした、もしくは急所に当たる事で発生すると見た。
そして幸運のパラメータは前者の判定にボーナス補正が入る。
例えば垂直に振り下ろす事でクリティカルが出るなら幸運のパラメータが上がるほど1、2度の角度がずれてもクリティカル扱いになる、そんな感じだ。

そして貪食の大蛇。
蛇型のモンスターは大体頭が弱点だがこいつ見た目の割に瞬発力が高く、本来は複数人で頭の動きを止めてアタッカーが一気に潰すのが正解なんだろう。
だがそれが出来ない以上無理に頭を狙っても時間がかかるだけだ。
ならどうするか、頭以外は効果が薄いか鱗で防御力の高い場所ばかりだが……弱点がないなら作ればいい!!

「そこだあ!!」

致命の包丁が出刃包丁タイプで助かった、多分中華包丁みたいなタイプだったら突き攻撃が打撃判定になっていただろう。
スクーピアスで包丁の先端が貪食の大蛇の横っ腹に突き刺さり、抉るように鱗を裂いて傷口(ポリゴン)を露わにする。

流石にたまったものではないのか、のたうつように俺を搦め捕ろうとする大蛇だったがお前の行動パターンは大体把握済みなんだよ!!
タップステップを使用し、傷口に張り付くようにして回避行動。
貪食の大蛇のアクションが終了したタイミングを狙って一転攻勢に移る。

「スタミナ!一撃で5!!」

回避行動で回復しきっていないから攻撃は三回で止める必要がある。
スタミナを使い切ると強制的に疲労モーションを取らされてしまうからだ、そしてスクーピアスで攻撃を当てると数秒間「傷口」が残る事は実証済みだ。
傷口という無理やり作り出した急所に更に攻撃を叩き込んだ事でクリティカル発生、耐え切れずに貪食の大蛇は仰け反りモーションを取り、その隙にスタミナとスキルの再使用時間(キャストタイム)を確認。

「くたばれぇ!!」

スクーピアスの発動に必要なスタミナ……間に合った。
スクーピアスを命中させたことによるクリティカル判定……左右共にクリティカル。
弾けるように貪食の大蛇の傷口からポリゴンが飛び散り、心なしか致命の包丁が光ったような気がした。
そしてポリゴンの爆発が貪食の大蛇の全身へと広がり、その巨大が爆ぜる。

「よ、よっしゃおらぁあ………!」

疲労モーションはマジで疲労感を感じるのか……いや、それよりもドロップアイテム!HP!スタミナ!時間がない!!

ロクに確認もせずにドロップしたアイテムをインベントリに叩き込み、スタミナが回復したことを確認して走り出す。
やばいやばいやばい、体力がもう一桁だ。あの糞蛇アクションが一々長いんだよ!!

「走れ走れ走れ……!!」

本来なら崖の下を見て震えたりするものなのだろうが、知ったことかと全力疾走で吊り橋を駆け抜ける。
残り体力6!五十秒で街について……解毒薬を買う!?いや、それよりもリスポーンポイントの更新!!
クソ、スタミナが持たない。スタミナを回復させつつ歩かなければならないのがもどかしい。この間隔だと辿り着く前に死ぬ……いや、待て。

「エリアボスをソロ討伐なら経験値独り占めだろ………ビンゴ!!」

レベルアップしてる!そしてポイントも!!
とりあえずパンクしそうな思考で辛うじて見えた30のポイントを半分ずつSTM (スタミナ)とAGI(敏捷)に叩き込む。

「うおおおおおおおおおおお!!!」

そして俺は倍近くの速度と持久力をフル稼働させてセカンディルへと飛び込むのだった。
余談ですがこの蛇モンスターは「◯食の大蛇」でシリーズが存在するため、ある程度やり込んだプレイヤーはしょっちゅう蛇と戦うことになります。
中には「食蛇」のみを狩り続ける集団もいるとかいないとか
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