帰路とて道ならば躓きの石もある
うおおおおお! 更新遅れてすまぬァーっ!! 大体歴戦王のせいだーっ!! 責任転嫁したけど作者のせいですホントごめんなーっ!!!
あとTwitter始めました、活動報告の正解はIDが該当カードの型番です。正直わかりづらかったなと反省してます
多分硬梨菜で検索すれば出てくるかと……
立てられた五本の指はきっと5kとかだったんだろう、きっとそうなんだろう。そう信じて断腸の思いで転売を断った俺を嘲笑っているのか微笑みかけているのか……表情の読み取れないダイヤモンドバドゥガモス君をそっと鞄にしまい直す。転売は、良くない……っ!
それはそれとしてスーパーノヴァ社のスタッフさんからAR対応のヘッドセットがあれば擬似的なプラネタリウムマシンの代用にできる、という助言を頂いたりと色々と実りの多い時間だった。アレを使えとおっしゃるのか神よ……
「そろそろ終わるね……」
「そう、ですね……楽しかった、ですね」
「そりゃもう」
財布はそれなりに軽くなったけど、楽しい楽しくないで言えば間違いなく前者だった。ダイヤモンドバドゥガモスが排出される事実に資本主義ゲームの強者たちに激震が走っていたのが印象深い………とはいえどんなイベントもいつかは終わってしまうものだ。秋の日は鶴瓶スープレックス、いつの間にか太陽もほとんど沈みつつある。
「特に後夜祭とかあるわけじゃないし、もう帰っちゃう?」
「そう……ですね、帰宅ラッシュに……巻き込まれるかも、ですから」
朝見たアレの逆バージョン、進んで混ざるには気が引ける……と言うわけで少し早いが帰宅することに。同じ考えの人はちらほらといるようで、閉幕までに一つでも多くのブースを曲がろうとする者もいれば俺たちと同じ方向に歩いている人たちもいる。
「岩巻さんには感謝しないと、今日は楽しかった」
「そ、そうですねっ! 私も、とても……はい、とても楽しかったです」
それは何よりだ、後半は俺の都合で振り回していた面もあったし。僅かな安堵を感じつつも来た時よりも随分と重くなった鞄やらを持って入場ゲートをくぐったその時、ポケットに入れていたデバイスがピコンと音を立てた。
『今日はジャパン・ゲーミング・エキスポに来てくれて本当にありがとう! 貴方のヴィジットボーナスを計測するね!!』
ホログラムで現れたガチ肉食マスコットの周囲にシャボン玉の中にゲームメーカーのロゴが入ったような球体がいくつも現れる。ユートピア社にロワイヤル社、スーパーノヴァ社に……今日一日で結構回ったなぁ。
『計測完了! 貴方のヴィジットボーナスは合計75ポイント! ノルマたっせーい!! 達成報酬として本日訪れたメーカーがリリースするゲームで使用できるアイテムコードをプレゼントするね!!』
アイテムコード? 幕末とかならまだ分かるがリアルとゲームとを完全に切り離したシャンフロとかにアイテムコードなんて概念が……あるぅ!?
「玲さんこれ、シャンフロで使えるアイテムらしい」
「ひゅ……そ、そのようでっすね! えと、フィジカル……リモデルパス? 肉体改造?」
物騒というかシャンフロで肉体改造という単語が出てくることが怖いんだが。これが幕末なら鼻で笑うところなんだけどな……仮に全身サイボーグにしてもコアに団子の串が突き立てられて爆散しそうなのが幕末だ、唯一死んでも引き継がれる衣装に金かけた方が有意義だぜ。
「現在使用不可、って事は何かの条件がゲーム内で進まないといけないって事なんだろうけど……」
「プレイヤーは、神代に関わる存在……ですから。その辺りの、解放でしょうか……?」
疑わしきはリヴァイアサンか……まぁ暫く触れるつもりはない、今の俺はモチベーションのベクトルを既に定めている。スーパーノヴァ社のブースでちらほらと聞こえてくる話の中で、近々大きな戦争が第三銀河で起きるという話が聞こえてきたのだ。
第三銀河といえば俺のデータが最後にセーブした場所だ、つまり直接参戦するにせよ観戦するにせよホットスポット最前線にいるということ……これは行かなきゃ損ってもんだぜ。質屋に入れる嫁はいないがシャンフロに費やす時間を使う価値はある。
「結構、色々使えそうですね」
「そうだね……まぁとりあえず帰ろっか」
「そう、ですね」
こうして、俺達はメガフロート・サイトを後にして帰宅するべくリニアの駅へと向かうのだった────
……
…………
………………
と、いけばよかったのだが。
………………
…………
……
よーし待て、落ち着け。状況を整理しよう。
まずリニアに乗る前に玲さんがお花を摘みに行った、その際に荷物があっては大変だろうと俺が玲さんの荷物を預かった。
で、待ってる間ちょっと暇だったので駅の売店で無糖コーヒーを買って微糖にすればよかったと若干後悔していた。あと冷たいやつを買ったのも少しばかり後悔している。いやこれはどうでもいい。
問題はお花畑から戻ってきた玲さんが明らかにナンパっぽい男に絡まれてるってことだ。
「いや……まぁ玲さんくらいならナンパも来るだろうけど」
何も今じゃなくても……という気持ちが大きい。玲さんがナンパに乗るつもりはない、というのが分かっているからこそ困った様子の玲さんを見てるだけ、というわけにもいかない。
なんというかザ・ナンパというかナンパしそうな顔してるというか、こう……ナンパ男の彼には失礼かもしれないが、ナンパしてそうだししてる顔だ……
「あの、私リニアに……」
「いやいや、リニアなら少し遅れても問題ないって。ほら、そこのカフェでちょっとお話ししようよ」
手口が古すぎて古典文学に使えそうだぜ。いやナンパの最新版とか知ってるわけじゃないが……さてどうしようか、玲さんが困っているのは見れば分かる。しかしこんな時の対処なんて知らな…………いや?
「行けるか?」
でもこれでいいのだろうか……いやだってクソゲー式のナンパ対処術だぞ? 今から岩巻さんにナンパから主人公を守るイケメンの対処とか聞く時間はない……ええいままよ。
「ほら、ここで会ったのも何かの……」
「やぁ玲さん、もしかして知り合いだったり?」
「楽郎君っ」
さて、話しかけてしまった。ナンパ男の視線がこちらへと向けられる。推し量る目だ、玲さんとの関係性を探っているのだろうか? 仮に彼氏彼女の関係だとしても自分の方がマウントを取れるかどうか考えていそうだ。だが残念だったな、今の俺にインストールされているのは漬鮪サンラクの魂! ピザの悪夢を回避するために高速で進行する一年間の中で一度だけ発生するナンパからヒロインを守るイベントの対処法!!
「あのさ、今この子と話してるから邪魔しないんでほしいんだけど?」
「玲さん、次のリニアがそろそろ来るっぽいよ」
「え、あ、はい」
「よしお前、あんまり古臭いナンパしてると見た目までダボっぽさに引っ張られるぞ?」
「は? 何、喧嘩売って」
「ところで玲さん夕食とかどこかで食べる? リニア内の購買でもいいけど何処かファミレス寄るってのもアリだと思うんだけど」
「え、え? あ、はい、そうで───」
「おいそこのナンパメン、お前のナンパは軽いんだよ渋みが足りない。なんでか分かるか? はいシンキングタイム」
「はぁ? なんだこい「はい時間切れ正解は苦味が足りない、残念賞だこの飲みかけのコーヒーをくれてやろう」は、お?」
一秒すらもロスになる、運命をピザの線路に乗せないためにラブ・クロックのプレイヤーは言葉を常に連結させる。お前の返事は聞いてない、スキップ出来ないなら会話を連打するしかねーんだよ……!!
「じゃあなパンピー、それ飲んで苦味を知っとけよな」
よし乗り越えた、乗り越えたよな? 玲さんに目配せしてさっさとこの場を………
次の瞬間、頭頂部から冷たい感触。そして、左目の視界を黒い液体が埋めた。
Q.なんでこんな更新遅れたの?
A.ヒロインちゃんがナンパされる絵を想像するのに壮絶に苦戦したから




