顔は所作程にモノを言う
復ッ!活ッ!
ブラキディオス復活ッッ!! ブラキディオス復活ッ!! ブラキディオス復活ッ!!
狩猟してェ〜〜〜〜〜〜〜〜……
笹原氏を映像内に収めた状態でカメラが目を覚ましたプレイヤー達へと向けられる。悔しげなもの、どこか清々しげなもの、「俺ロクに何をするでもなく撃破されたんだけどー!」とカメラを意識して叫ぶもの……そんな中、満足げな笑みを浮かべて立ち上がる小柄な少女が。
『あ! もしかして貴女が勝利した真紅のネフィリムを操作していた方ですか?』
行ったーっ!! 笹原氏が行ったァーっ!! 笹原氏が悪いわけじゃないけどペンシルゴンすら口の端が引きつっているゥーっ!!
『ええと………はい』
『とても素晴らしい戦いでした! ネフィリムホロウ2はその名の通り続編作品ですが……もしかしなくても?』
『……ええ、初代はやりこんでいます。私にとっても思い入れの強い作品なので続編が発表された時は本当に驚きました』
◇
サンラク:あいつネフホロのことになると早口になるな
鉛筆騎士王:ルストちゃん…………
◇
『プレイしてみてどんな感想ですか? ネフィリムホロウ2は前作と比較しても技術的な相違点が多い、とは聞き及んでいますが……』
あ、笹原氏それ地雷。
『そうですね、とりあえず操作性に関しては大幅に優しくなっていると感じました。前作は五感五体の全てを動かすことを前提とした設定だったのでどうしても操作難易度が高かったのですが今作では思考反映も含めて大幅に操作の簡易化ができています。それを踏まえた上で前作の操作スタイルを任意で選択できるので前作経験者であっても取っつきやすいですね。ユーザーインターフェースの観点から見ても新規と経験者の双方に配慮している素晴らしい判断だと思います。特に2からの操作法と1からの操作法にそこまでの差が生じていない、というのが高得点ですね。戦闘に関してですがデモプレイ用に調整されているのか少々体力が低いように感じました。たしか装甲全外しのフレーム状態での被ダメージ補正が2倍だったはずでランチャーの火力と軽量級フレームのダメージからしても1の頃よりも脆いなとは思いました。とはいえ単純な速度に関しては操作性の向上もあってか制御が難しい傾向もあり戦闘がスローテンポになっていたのもあったのであの軽量級の動きは目を見張るものがあり…………』
「( ´゜д゜`)」
「こ、これは…………」
嗚呼………思わず瞑目して額に手を当ててしまう。ルスト………今君は冷静じゃないんだよ………全国区だよルスト………全世界にエナドリキメたシーン流された俺がどうこう言えたことではないかもしれないけど………あいつ、ネフホロの話になると早口になるから……をリアルタイム中継されるのを未来のルストは受け入れられるだろうか………
◇
鉛筆騎士王:これむしろモルド君にメッセージ飛ばした方が面白いリアクション見れそうじゃない?
サンラク:グループに招待しなきゃ
鉛筆騎士王:グループ名変えておかなきゃ
【グループ名が「現場からお送りします」に変更されました】
【サンラク さんがモルド さんを招待しました】
モルド:え、なにこれ
サンラク:あー、まぁ、そのなんだ
モルド:え?
鉛筆騎士王:すごく、早口だね………
モルド:えぁ
◇
『んふっ………ん゛んっ』
「ふくくっ」
「どうし、ましたか?」
「い、いや………ちょっと、いや………」
「???」
笹原氏はルストモルドに対して何か特効的なものを持っているのか? フェードアウトする早口女というギャグな絵を取ろうとしたのか、それともいつまでもルストを映してるわけにもいかないのかゆっくりと動いていくカメラが携帯端末片手にめっちゃワタワタしている身体のでかい男子を映している……正直ちょっと罪悪感が湧いてきたぞ。
◇
鉛筆騎士王:悲しいお知らせ
サンラク:悲しいお知らせ
モルド:え?
サンラク:お前も画面に映ってる
鉛筆騎士王:SNSで「早口少女」がトレンドイン
◇
『えん゛ふっ!!』
「ふぶふぉっ!!」
『ちょっ、天音さん?』
「ら、楽郎君!?」
く、まさか俺と鉛筆が別のものを見て笑ってたとは思わないじゃん……っ!! うわ、本当だものすごい勢いでヒットする! こ、好意的なコメントが多くて……その、良かったね…………カッツォとかほら、魔境産の地雷があるし。あいつエゴサにもメンタル的危険が伴ってるとか面白すぎるでしょ。
「い、いや………大丈夫……大丈夫………」
『な、なんでもないよ……なんでも……』
『そ、そう……』
チッ、うまく誤魔化したか外道文房具め。
「も、ものすごく語ってますね………」
「ちゃんと質問から逸れてないのがまたなんとも……」
プレイした感想だからな、実数値に言及するのも致し方ないなHAHAHA…………うん、はい。
さらに五分後。
他の参加者にルストが勝手に話しかけるというどっちがインタビュアーなのかよく分からない展開を経て最終的に参加者全員でネフィリムホロウ2の販促に着地するという、恐らく動画サイトに未来永劫残るだろう偉業を達成したルストの笑顔で映像は終わった………
「ものすごい笑顔だった……」
「というかルストさん、顔そのままでアバター作ってたんですね……」
確かに言われてみれば。解像度がマジ現実なのでよくよく見れば肌の色とか目の色とか要所要所の色を変えてるだけで、あのルスト(現実)の顔がルスト(シャンフロ)……あとルスト(ネフホロ)のそれとほぼ同じ構成であることが分かる。こんな形でゲーム友達のリアル情報を知っていいのだろうか……
◇
鉛筆騎士王:じゃあルストちゃんもご招待〜
サンラク:イエーイ!
モルド:げ、外道………
【鉛筆騎士王 さんがルスト さんを招待しました】
ルスト:さっきからモルドが挙動不審になってた理由がこれ?
モルド:そうだね………
鉛筆騎士王:いやー、語ってたねぇルストちゃん
サンラク:テンション上がりすぎでは?
ルスト:……………
ルスト:グループ名から推測して
鉛筆騎士王:え?
サンラク:ん?
ルスト:二人ともこの場にいる
ルスト:もしかして天音 永遠本人?
【鉛筆騎士王 さんがサイガ-0 さんを招待しました】
鉛筆騎士王:実はサンラク君はサイガ-0さんと私の目の前にいる
サンラク:おいコラぁ!!!
サイガ-0:!?
鉛筆騎士王:先の先を見据えて自爆するんだーっ!!
モルド:勝手に自爆して勝手に誘爆した………
ルスト:天音 永遠のファッション誌にはお世話になっている、とりあえず同じのを買っておけば間違いはないので
ルスト:あと天音 永遠のネームパワーでネフホロ2を宣伝して
ルスト:今すぐして
鉛筆騎士王:嘘でしょ強すぎない………?
サンラク:いきなりフルカウンター喰らったんだけど
ルスト:前々から思ってたんだけど、GGCの時に出てた顔隠しってサンラク?
サンラク:待て
サイガ-0:えっ
サンラク:ちょっと待て
鉛筆騎士王:ちょっと待って笑顔固まりそうやばい
ルスト:攻撃に移行する時の癖が似てたしテンションも似てたし
サイガ-0:なんで癖を知っているんですか
サンラク:おい待てカメラ止めろ!
モルド:ルストが悪い笑顔浮かべてる……
サイガ-0:なんで癖を知っているんですか
ルスト:オフ会行っとく?
鉛筆騎士王:この私が、押されている……っ!?
モルド:うちのルストがすいません……
なんで癖を知っているんですか?(真顔)




