片方は想定済みのエマージェンシー
古戦場から愛を込めて、どうやら生きて帰れそうなんだ……もしかしたら、この更新が届く前に作者が帰還してるかもな、ヘヘッ(フラグ)
「しれっと僕が言おうとしたことを先取りしないで欲しいんだけどなぁ………でもシルバー、実際どう思う?」
「ハンニャーは顔隠しのカースドプリズンを警戒してるんじゃないかしら? だから仕留める前にゲージを使わせたい。顔隠しは……もしかしてだけど、WΔの「超必殺6」ルールを狙ってるんじゃないかしら」
「ヘキサウルト?」
「トライアングル・トリニティの特殊ルールです。合計5回、両プレイヤーによって超必殺が発動されるとシティのどこかにウルトクリスタルってアイテムが出現するんです」
「ヒロイックorヴィラニックゲージを100%蓄積させる……つまり超必殺をすぐ撃てるのよエイト」
「あー、回復アイテム的なものなんですね……あ、だから序盤で超必殺を?」
GH:Cにおけるゲージ溜め行動を省略可能なギミックの有用性は説明するまでもない。そして恩恵はただ一人にしか齎されない以上、そこには駆け引きが生まれる。
「仮にここで二人が超必殺を使えば合計三回、気軽に超必殺を打つのは少し躊躇われる回数ですね」
「シチュエーション次第だけど、追い詰められた状況で相手にウルトクリスタルを取られればゲームオーバーになりかねないもの」
「顔隠し、般若共に攻撃の頻度が少なくなってきました……どちらかというと、牽制しつつ互いの動きを探っているように見えますね」
エイトが実況した通り、先程までの怒涛の攻勢と冷静な対処はその勢いを減じ、互いにジリジリと体力を削りつつもスタートダッシュの空砲を待つアスリートのような静けさを感じさせた。
「カースドプリズンの脚銃は残り二つ、互いに膠着状態になりつつありますが顔隠しさんは積極的に狙っていないようにも見えます」
「そりゃあそうでしょう、カースドプリズンの超必殺は「脱獄」、苦労して銃を破壊するより般若に超必殺を切らせた方が早いですから」
「あ、そういう事ですか……」
「ただプリズンブレイカーは強力な性能をしています、般若もリアルカースドプリズンに王手を……いや、なんでもないですアメリア・サリヴァンとは無関係ですしね、ハイ」
「そろそろ無理出てきてません?」
「建前、建前です。ともかく、般若氏がカースドプリズンの方が得意だとしてもプリズンブレイカーになったら弱くなるわけじゃありません、だから顔隠しもちょっとだけ慎重になってるんです」
「その逆にハンニャーもティンクルピクシーの超必殺を警戒してるわね、ティンクルピクシーの「ティンクル・ファントム」はアクション型、一撃でも食らえばそこから体力を一気に削られるもの」
ティンクルピクシーの超必殺「ティンクル・ファントム」はミーティアスのミーティア・ストライク同様、発動した時点で行動が終了するまでがオートで進行するアクション型超必殺である。
言ってしまえば単なる飛び蹴りであるミーティア・ストライクとは異なり、原作に準拠するなら「スペシャルなパウダー」を相手にぶち撒け、動きを封じてから分身を三体生み出して合計四人の妖精による一斉攻撃を仕掛ける……当然、パウダーを外せば超必殺は不発する。
「ガンギマリファントムは粉食らったら避けづらいからねぇ……本体も一時的に無敵状態だし、やっぱあの粉って……」
「ストップ! ストーップ! ゴールデンタイムですよ魚臣さん! 危ない発言はご勘弁ください!!」
「あ、すいません……ともかく、今は互いに先手を取りたいんですよ。顔隠しの方は怯ませた上で、って前提付きかもしれませんけど」
仮にティンクルピクシーが先手を取れたならば、鈍重なカースドプリズンでは対処が追いつかない。しかし隙の大きいパウダーを確実に当てる必要がある。
仮にカースドプリズンが先手を取れたならば、強力なスーパーアーマーを持つプリズンブレイカーの状態で対応できる。だが「脱獄」の効果が終了すれば機械群の鎧は当然消失する。
一進一退の攻防を続行しながらも互いに攻めあぐねている膠着状態という矛盾。かたや冷静な思考で、かたや加速した直感で機を伺う以上……均衡を破る者がいるとすれば、それは顔隠しでも般若でもない第三者に他ならない。
◆◆
それが聞こえた瞬間、俺とアメリア・サリヴァンは全く同じタイミングで超必殺を発動した。
「脱獄!!」
「ティンクル☆ファントム!!」
ぶち撒けられる合法パウダー、だが奴の全身から弾け飛んだ機巧の残骸がパウダーを僅かにだが押し留め、それを盾に真紅がバックステップでパウダーの範囲から距離を取るのが見えた。
失敗した……っ!
クソがっ! 超急戦に没頭しすぎた! ここはもっと慎重に隙を狙うべきだったが……く、ダメだこの場に残るのはマズイぞ……!!
「ガラクタ共が……厄介な時に割り込んで……!!」
「よそ見してんじゃねぇぜ羽虫野郎」
「ぐのっ!?」
顔ですか、仮にも小柄な女性の顔を狙いますか。上等じゃねーか背骨Σ形になるまでバッキバキにしたるわコラァ!!
だが状況は単純にプリズンブレイカーと対峙しているだけに留まらない、この場に乱入した第三勢力の存在は俄然有利になったアメリア・サリヴァンであっても無視しきれないものがある。
忌々しいポンコツこと「戦乙女」すらをも指揮下に入れた二体目のターゲットエネミー……
「……「大佐」!!」
ターゲットエネミー「大佐」、軍的呼び名を持つこのエネミーの特性は単純明快。
周囲の機械群を指揮下に置き、AIレベルを引き上げる。単体戦力として最強クラスの「戦乙女」が指揮下に入っている場合の厄介さは決して無視できるものではない。
「厄介な……!!」
車や家電が変貌したと思しき「機械群」の射撃を支援するかのように飛んできたミサイルをビルの陰に飛び込んで対処しつつも口からは思わず悪態が漏れる。
指揮下に置かれた機械群は偏差射撃とかしてくる上に被ダメージ量の大きい仲間を庇うような行動までしてくる。何より厄介なのは「戦乙女」を守る動きをしてくるってことだ。
ここで俺に提示された選択肢は二つ、一つは逃走……最低でもプリズンブレイカーの「脱獄」が終るまで身を隠すこと。
だが、「大佐」の特性的に……よりにもよってカースドプリズンをここに放置するのは不味い、ひっっっっじょーーーに不味い。
「うおお余所見してんじゃねーぜ半裸野郎が!!」
「次のキャラでテメェもそうなるんだろうがぁぁ!!」
一気に距離を詰めて、クロスカウンター!! 腕じゃ届かないから蹴りを食らえぇ!!
「ぐっ」
「ごっ」
ダメだ、出力で完全に負けている。向こうは頬に叩き込んで軽く怯んだだけだが、こっちは思い切り吹き飛ばされた上に体力も三割まで追い込まれた。
やはりプリズンブレイカーを相手に正面衝突は愚策か……ならば!!
「裏TQC……「邪悪」スタイル!!」
もはや未来は無し、死ぬまで暴れるしかねぇ! うおおお死なせるかよ「機械群」! 全員ティンキー☆してやるよオラァァ!!!
どうせなのでここで返信しちゃいますか
Q.作者、Twitterとかやってないの?
A.踏ん切りがつかないだけ、前々からやろうやろうと思ってるけど最終的に気づいたらコントローラー握ってた。
もう少ししたら踏ん切りつく、多分(結局踏ん切りつかないやつ)




