ワンツー弾丸ナックル
イェーイ! プロット崩壊イェーイ!!(書きたいこと過多)
◇
「おっとここで般若さんと顔隠しさんが会敵! 「戦乙女」も含めて序盤から三つ巴ですね!」
「いやー、まさか初手エンカするとは思いませんでしたね。とはいえダスト的にもディスプレイ的にもあまり好ましい盤面とは言えませんね」
ARによって映し出されたケイオースシティの光景を見上げながらも、実況が板についてきたエイトと慧による解説が行われる。
「ディスプレイはシーカータイプとフィクサータイプの中間みたいなキャラ性能なので、そもそもタイマンで戦う事すらデメリットです。まぁそこはアメ……ん゛んっ! 般若氏のプレイヤースキルでどうとでもなるかもしれませんが……「戦乙女」込みの乱戦が望ましくないのは事実です」
「対するダストの方も弾丸の消費が激しい乱戦は避けたい……ってところですか?」
「んー、これはあくまで極論ですけどNPC攻撃しながらヴィラン殴ってるだけでも結構継戦できるんですよねダスト。ただ銃弾の威力が高い代わりに格闘攻撃が弱い上に「戦乙女」とディスプレイに有効な悪の弾丸を貯めづらいのがつらいですね」
ダストは二つのゲージを持つキャラクターであるが故に、そしてそれらに対応した弾丸補充法を備えているが故に、善行と悪行の二つを行わなければならない。逆に善行も悪行も行えるとも言うが……少なくとも属性的にヴィランな二者を相手にしている顔隠しダストは悪の弾丸を補給する手段が乏しい。
「ダストはつい最近アプデで追加されたキャラですから、効率的なゲージ溜め行動がはっきり判明してないんですよねー……原典的には悪を裁くために周囲を顧みないキャラ、という感じなので積極的に悪事を働くって訳でもないですし……」
「あ、状況が動きましたよ! ……っていうか、シルバーマスクさんはどこに……」
「裏で説教食らってるっぽいです」
「あー……」
◆
ダストの基本戦術は「とにかく弾を稼いで撃ちまくる」に尽きる。
弾丸の補充手段がゲージ依存だったらクソキャラ間違いなしだったのでな別枠なのはありがたいが、それでも何も考えずに戦い続けるのは不可能だ。
「どうしたどうしたァ! カースドプリズン以外じゃ戦えませんってかぁ!?」
「忙しねぇ奴だ……っ!」
だが荒っぽい口調の割に行動は冷静かつ厄介だ。
WΔにおけるアタッカー三人、いわゆる「オールファイター」は一体一体が戦力であるからして、それを失えば単純計算で戦力が三分の一削れることになる。
だがアメリア・サリヴァンの編成は先頭にクソテレビことMs.プレイ・ディスプレイを置いて盤面有利を取る「トップディスプレイ」……本命は後ろに控えている2キャラ、つまりクソテレビを捨て駒として扱える。
被弾を恐れない攻勢に対応しつつも、俺は思わず仮面の下で舌打ちする。
実際ダストとクソテレビの戦術的価値は等価だが、精神的な余裕の点で既に役目を果たしたクソテレビの方が遠慮なく戦える。自覚してたってどうにかできるもんじゃない、そして何より中身がプロゲーマーだからこのクソテレビ鬼強いんだよ!!
「そっちの銃は玩具か何かか!? 弾詰まりしてんなら捨てちまえよ!!」
「抜かせ」
「ぐっ!?」
お望み通り弾丸を馳走してやろう、画面ごと砕け散れクソテレビ。
温存してる訳じゃねー、いつでも撃つ覚悟は決めている上で節約してるだけだ。放たれた弾丸二発は前者がガードを抜けてクソテレビの胴に命中したものの、後者は腕に防がれる。
「ターンを寄越せ、優しくぶん殴ってやるよ」
「貧弱野郎のパンチでか?」
「まるで弾丸のようなワンツー!」
「弾丸だろうがっ!!」
数秒熟考してチャート変更、当初の「脳筋ファイター作戦」を放棄して一気に攻勢に出る。後々を考えてなんとしてでもここでクソテレビを落とす必要が出てきた。
清貧は美徳だ、なら清貧の結果溜め込んだ清らかな財で消し飛べクソテレビ。
まさか軽く煽っただけで弾丸フルバーストしてくるとは思わなかったのか、回避ではなく防御で善悪白黒の弾丸を凌ぐクソテレビ。だが俺と戦っているという事以上にこの局面で動かない事は罪だぜ。
「ミサイルのような乱入アッパー!」
「ミサイル、だろう……がァっ!!」
文句は「戦乙女」に言ってくれ。俺とアメリア・サリヴァン双方を諸共に葬らんとするミサイルが着弾爆裂し、ガードを固めていたとは言え直撃したクソテレビが吹き飛ぶ。俺も俺で余波によるノックバックを喰らったが奴よりダメージを受けているって事はないだろう。
「善3、悪0……チッ、爪に火を灯せってか」
戦い続ける為の武器とするにはあまりに乏しい残弾数、思っていた以上に悪の弾丸の溜まりが遅い。とはいえ弾無しになった瞬間ヘタれるような性能もしていない。
「おっ、ナイスタイミング!」
ハァイポリスメーン、ちょっと正義執行するために爆炎と銃器が足りてないから奢ってくれ。
「戦乙女」のミサイル攻撃によって発生した土煙に乗じてその場を離脱、「戦乙女」がクソテレビに追撃を加えている隙にパトカー群の元へと飛び込む。
「な、なんだ貴様はっ!」
「この街の治安を憂う一市民だ、こんな豆鉄砲で勝てると思ってんのか? 没収だ没収!」
「ぐはっ!」
警官の胸倉を掴んでヘッドバット、上手い具合に失神した警官の持っていた拳銃を拝借する。
「失せな、くそったれのパーティに参加したいなら拳銃じゃチップにもならねぇ。ロケランくらいは持ってきな」
お、悪の弾丸が一発チャージされた。景気付けにもう五人くらい殴り倒しておくか? おっと、流石にそこまでフリーにはしてくれないか。
可視化された音波攻撃が俺が隠れるタクシーへと命中し、金属の車体が嫌な音を立てて軋み始める。数秒後に何が起きるかなど言うまでもない、俺自身が気絶させた警官達を雑に放り投げつつその場を離脱……しようとするも、若干間に合わず再び爆発のノックバックを食らう。
「出てこいよ顔隠し!!」
「せっかちさんめ……上等だ、やってやろうじゃねーか」
銃四丁、第一条件はクリアした。「戦乙女」が邪魔だが……いけるか? いや、いや、何を恐れることがあるものか。今の俺はミックスでアクセルなジョイント状態、カフェイン大明神のご加護によって曲芸まがいのアクションだってなんだかやれそうな気がするってもんよ!!
「なぁオイホークアイ! 先に言っておくぜ、俺はお前ほど勝利にがっついてねぇ」
「あ゛?」
舐めプ? 肯定はしないが否定もできない、だがただでさえ受動的にこの場に立ってるんだ、俺なりにテンション上げてんだから文句を言われる筋合いもねぇ。
「俺はやりたいことをやりきるだけ……」
だから、途中で死んでくれるなよ。
「踊る銃の決闘を見たことは?」
「なんだそりゃあ……?」
そうか、まぁ和ゲーだしな。
「なら……初見を楽しみな」
登場する全キャラが何かしらの銃器を持っている銃撃系格闘ゲームダンス・ガンズ・デュエルより挙動参考! 四丁拳銃格闘術を見せてやろう!!
Q.今日は何しに?
アメリア「顔隠しと戦いに」
サンラク「他ゲーのアクション再現してドヤ顔しに」
カァーッ! 勝つつもりそこまでないけど結果的に勝っちゃったら仕方ねーわカァーッ!!
なお負けたら負けたで下唇を噛む系主人公




