三つ巴の三角形
タイタンフォールからタイタンとフォール(さらに言えばウォールラン)を取り除いたゲームをスピンオフと呼んでいいのか……でもPUBGとオーバーウォッチのいいとこ取りって時点で既に強キャラですよね、インドミナス・レックス的強さを感じる
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エナジードリンクの神は気難し屋だ、ただ祈っただけでは視線を向けてすらくれない。
だが祈り手がカフェインを摂取していれば途端にエナドリの神様はご加護を与えてくれる。一種のトランス状態に近いな、シャーマンかよ。
例えばそう、俺よりもタッパのある般若面の女にメンチ切られている現状においても心を強く持つための勇気であったりな。
「私はGGCであなたを見た、ですから私はあなたに会いたいと思いました」
「……そ、それはどうも」
なんで般若面チョイスなんだ、エナドリ神からもらった勇気が端から崩れ始めてるんだけど。つーか単純にこえーよ!!
「あ、あのー」
「私はリアルカースドプリズンの称号に執着していません。しかしながら、あなたがリアルカースドプリズンの称号を取得した理由が知りたい」
「えぇ……理由……?」
そもそも自称した覚えがないんだが。ほら見ろ、カメラマンと笹かまぼこさんが困ってるだろうが。
「ほらアメ……ハンニャー! もうちょっと愛想よく! ほらカメラにピース!!」
おっと謎のシルバー仮面、素性を隠す気ゼロな謎のシルバー仮面じゃねーか。え、俺もピースするの? 仕方ねぇな……イェーイ。
おやカッツォ君、マイクが拾えないくらいの小声でどうしたんだい?
「サ……じゃないや顔隠し、どうしたの? なんか挙動の一々が妙に不審だけど」
「……日本産とはいえ「タブー」は流石にアレなのでバックドラフトとトゥナイトを「ミックス」してスポドリで混ぜてぐいっとね……へへへ」
「ちょっ……「ミックス・アクセル」とか正気!? っていうか、ここにもう一本持ってきたってことはまさか……!」
「ふふふふふ……「ミックス・アクセル・ジョイント」さ……」
「ば、馬鹿な……」
俺の口から放たれたコンボ名にカッツォが信じられないと頭を振りながら恐れ慄く。
「タブー」の廉価版とはいえそれなりにリスキーな「ミックス」を「アクセル」で加速させつつ、さらに「ジョイント」をも解禁する……この後しばらくエナドリ断ちをしないと俺をしても危うい程の危険摂取だ。合法だけどな。
正直気づくと無意識のうちに腰のライオットブラッドを撫でてるのでちょっとヤバいのだが……今の俺は普段以上にキマっている、どっちの意味でもな。
「そ、そこまでして勝つつもりなの……?」
「いいや……? 勝ち負けはそこまで重視してないぜ……ただ、やりたい事をやる為にはカフェインレベル5.5以上が必要なのさ………カフェインレベル5以上で体感1.5倍の集中力をデフォルトに出来るのは常識だろ?」
「あ、ごめん流石にそこまでは履修してない、つーかそこまでライオットブラッドに魂売ってない」
「にわかやろうめ……」
「理性的と言ってもらいたいね」
とはいえ「ジョイント」の実行は結構難易度が高い。大前提として個人差がある上、何度もエナドリをキメておおよそのタイミングを把握しておかないと成功しないテクニックだからな……だが俺は出来る、ヘビーではないがミドルなユーザーですから。
「ちょ、ちょっとちょっと魚臣さん! 貴方まで勝手に話し込んだら私一人じゃ手綱握れないですからねー!?」
「あぁすいません、まぁつまりこういうわけでして。シルバーマスクの方は気にしないでください、下手に公共電波下でゲームしたりすると割とガチめに怒られるらしいんでガヤだと思って貰えば」
「いや流石に全米一をガヤ扱いする勇気は無いですねー……というか、本当はグレイブバーサスの先行プレイをするはずだったのにギャラクシア・ヒーローズ:カオスになったのって……やっぱりそういう事なんですかね魚臣さん?」
「そういう事ですねぇ……まぁ色々手を打って彼を引っ張り出してきたんでそれで勘弁してください」
ジャスティスバーサスのためにギャラクシアヒーローズで本来やるはずだったグレイブバーサスが……あれ? 困ったな、カフェインがまだ完全に馴染んでいない。ガスコンロの火が点かない感じだな、仕方ないから俺から発破をかけてやろうじゃないか。
「ようイーグルアイ、態々俺なんかと対戦するために来日したんだって?」
「肯定します。私はあなたとの対戦を希望しています」
何事かと俺は問わんとするカッツォへと掌を見せて制止する、つーかお前には事前に話しただろうがよ。
片手でライオットブラッド・リボルブランタン(日本産)を開封し、一気に煽ってからエナドリ特有のえぐみが残った舌を回してアメリア・サリヴァンへと言葉を突きつける。
「トライアングル・トリニティで決着をつけようぜ」
「……!!」
日本語的発音であっても理解はしてもらえたらしい、いいねエンジン温まってきた。
「TVだぜ? だったらエンターテイメントじゃないとな」
トライアングル・トリニティ。
それはギャラクシア・ヒーローズ:カオスのアップデートと同時に新規実装された変則対戦形式の名だ。
通常の1on1、1キャラクターを操作して2ラウンド先取で勝敗を競うそれとは明確に異なるこのカテゴリは、3キャラを手持ちとしてケイオースシティという箱庭で自分、相手、NPCによる三つ巴の戦いを繰り広げる3×3のバトルロワイヤル形式のワンラウンドマッチだ。
「わざわざ来日したんだ、カースドプリズンは使ってやるよ」
「私は承諾します」
「上等」
おっ、頭が冴えてきた。この即効性流石はリボルブランタン、クァンタムとは別方面でヤバいとはよく言ったものだ。
「うわー……合法堕ちしても保険降りないからね?」
「大丈夫、まだカップ麺の正しい作り方は覚えてる」
「お湯入れて三分待つだけの工程すら忘れるレベルなのか……」
お湯を入れて三分待ってる間にライオットブラッドを開けて飲む、ほら正常。
「あのー、私もスタッフも置いて展開進めないで下さーい!」
「あぁ、すいません……とりあえず般若氏の方が既にVR起動してるんでこっちはこっちで解説始めちゃいましょうか。いやほんと、すいませんね」
全くだ、勝手に展開進めてく般若面には困ったもんだ!!!
◇
「えー、私の番組なのに私そっちのけで進んで正直泣きたいんですが、エイトちゃんはメゲないのでペース戻して行きたいと思います! では魚臣さん、勉強不足で申し訳ないんですがトライアングル・トリニティというのは?」
「トライアングル・トリニティは本当に最近実装された新対戦形式です、プレイヤーは3キャラ選択してKOされる毎に次のキャラに交代します。僕としてはゲージ消費でもいいから途中交代があって欲しかったんですけどねー」
「Me too!」
「つまり、手持ち三キャラでラウンドを取る代わりに相手のキャラ全てをノックアウトすればいいんですか?」
「んー、ちょっと違います。ケイオスキューブ取得の勝利が無くなってるのもありますが、トライアングル・トリニティ……略称はWΔだったかな? WΔはGH:Cならではの対戦形式とも言えます。簡単に言うと……対戦するプレイヤー二人の他にも、NPCも出てくるんです」
「3on3on3、だから三つ巴の三角形なのヨ」
「成る程……」
「あ、キャラ選択に入りましたね。アメリアは……Ms.プレイ・ディスプレイにカースドプリズン、ゼノセルグスか。二番手三番手は得意の重量級ですが……「トップディスプレイ」かぁ」
「顔隠しは……ダスト、ティンクルピクシー、カースドプリズン。ワオ、オールファイターね!」
「顔隠しさんが全部戦う系のキャラクターなのは分かりますが、般若さんのトップディスプレイというのは?」
「WΔにはラウンドが存在しない、さらに言えばある理由から最速でNPCを見つけるのが推奨されてる……ほら、始まりますよエイトさん。「侵略者」か、「再古代」か、「機械群」か……」
「第四の視点モードなら……イェア!! Mechanitanだわ! これは面白くなりそうね!!」
作者の感想返しで「3対3なら六人目誰や」と感想欄でちょくちょく見かけましたがごめんなさいね、二人です




