X Day:Count down!
天玉神核が出たので更新です
え、古戦場? や、ややや、やってます! はい! 逃げてないです!
Xデーまで、残り四日。
俺はちまちまとリヴァイアサン攻略を進めつつ、学校での昼休み中に携帯端末でとある動画を見ていた。
「何見てんだ?」
「ようザッピー、イキって新しいピアス穴開けたらまた雑菌入って腫れたってマジ?」
「うぎぐっ」
「身を以て天丼ネタを張る度胸……あとついでにマンネリを恐れないそのタフネス、感動したぜ……っ!」
あとうちの高校はピアス禁止だ、プライベートならともかく学校生活という面だけで見れば勝手に耳たぶに穴開けて勝手に自爆する最高にアホな絵面だ。
「う、うるせーっ! って、なんだゲームの動画かよ。なんてゲームだ?」
「ジャスティスバーサス」
「まぁ知らんわな、おもしれーの?」
面白いのか、と聞かれると……うーん。
「やるより見てる方が楽しい感じ?」
「ふーん」
ジャスバはちょっと特殊な楽しみ方のゲームだからなぁ……最終的にプレイヤー人口が過疎りすぎて衰退したゲームだし。今でもちまちまやってる人はいるっぽいが、やっぱ見応えがあるのは全盛期の頃だ。
学食で買ってきたおにぎりの包装を毟り取りながら耳朶に絆創膏を貼った友人殿にも見えるように携帯端末を机の上に置く。
「よくわからんけど、確かに派手なバトルだな。なんか解説してくれよ」
「ここカスタム8の小パン連打で相手をノックバックさせて怯ませたところをゲージ技で空中に吹っ飛ばして……」
「解説の意味調べろ」
「怯ませて、蹴り飛ばして、空中でボコしてる」
「要約しろとも言ってねーべ」
注文の多い野郎だな……
「このゲーム、普通に相手を張っ倒した方の勝ちって格ゲーではあるけどプレイヤーの間じゃ別の楽しみ方がメジャーでな」
それこそがジャスバが名作たる所以だ、俺はコントローラー操作系はそこまで得意というわけでもないし動画視聴勢で済ませているが、純粋に見世物としての完成度も高いんだよなぁ。
「どういう楽しみ方なんだべ?」
「だべんなザッピー、まぁ簡単に言うと「より派手な技を見せたら人気者」って感じ?」
「あー、あー? 芸術点とかそんな感じか?」
それが一番近いだろうか。画面の先で少女のキャラクターがフィールド全体を花畑にしながら分身して対戦相手を袋叩きにしている映像を流し見ながら俺は学食で購入した焼きそばパンを齧る。
ジャスバ最大の売りは通常技から必殺技に至るまでをカスタマイズできる点にある。
拳の打ち方一つにしてもボクシングからロケットパンチまであるし、必殺技に至っては半ばプログラミングじみたレベルのカスタマイズが可能だ。
今見ている動画も、厳密にはガチの対戦動画ではなく技のお披露目動画に近い。操作者の手元も一緒に撮影している動画なんかもあるが、奇妙奇天烈な持ち方で指一本一本が別の生き物であるかのような動きをしている。
「お前もこれできるの?」
「バカ言え、フルダイブとは全くの別物だぞこれ。流石に猛練習しないと出来ん」
「無理とは言わねーのな……」
ここまでのテクニックを会得できるかは知らないけどな。俺はいろんなゲームを渡り歩くタイプだから一点特化のゲーマーにはどうしても届かない面がある。
「で、本題に入るがお前本当に斎賀さんとは───」
「夜明けの空、暗闇が明るくなる。僕の心のようだ、君と言う太陽がむごが」
「なん……っ!? はぁ……!!? お前っ、えっ、なんで知って……! 誰にも見せて……!!」
「カフェでカフェモカ飲みながら作詩したんだって? お前の座った席の後ろに高崎が座ってたらしいぞ」
「高崎テメェ地獄を見せてやるァァァ!!!」
「やっべぇ! 暁ハートさんに地獄見せられちまう!! みんな助けてくれーっ!」
「暁ハート! 落ち着け!!」
「俺はいいと思うぞ暁ハート!!」
「SNSで検索したらポエム垢みたいなのヒットしたんだけど……あっ」
「おごぁぁぁああああ!!!!」
フォロワー万単位って素直に凄くね? 恋を歌う文章に心キュンキュンですぅ!!
◇
『おはようアメリア、ケイからのメールは読んだ? パンプキンはハロウィンが終わって暇してるから来てくれるそうよ?』
『上等、シルヴィあんただって内心楽しみにしてるんじゃねぇか?』
『当然じゃない、アメリアには悪いけど彼はカースドプリズン・プレイヤーとしてのベストアンサー。なんなら貴女そっちのけで私が対戦したいくらい』
『誰が譲るか、私が先だ。リアルカースドプリズンの称号にそこまでの未練があるわけじゃないが……「カースドプリズン」であんたからラウンドを取れる奴なんざ、私かあんたのとこの恋ボケくらいだろ。新顔が出てきたなら確かめたくもなる』
『私達が出演する番組じゃ別のゲームをするって聞いてるけど?』
『冗談だろ? ジャパニーズのゲームなんてシャングリラ・フロンティア以外はGH:Bにも劣るゲームしかない』
『貴女、それ放送中に言わない方がいいわよ』
『流石にそれくらいは心得てる、というかシルヴィあんたケイと同棲してるんだろ? さっさと叩き起こせ、昨日勝ち越したまま勝ち逃げさせるか』
『今年のクリスマスはケイの部屋の合鍵をサンタクロースにお願いするつもりよ』
『あんな子鹿野郎の何処がいいんだか……日本人はどいつもこいつも薄口な顔してるから見分けがつかん』
『枯れ枝趣味に言われたくない』
『ジャパニーズブドーのタツジンは結構好みの顔が多かった』
『あっそ……』
『あぁそうだ、もう一つ聞きたいことがあるんだった』
『何よ』
『この国のサブウェイはなんだってああも複雑なんだ、ナビゲーション有りで迷ったんだが』
『タクシー使いなさい、私は諦めた』
『タクシーは頭がつっかかるから嫌いだ』
◆
Xデーまで残り三日。どう考えてもGH:C以外のゲームをプレイする未来が見えなかったので重い腰を上げてギャラクシア・ヒーローズ:カオスを開封。
一応縁があるわけだしとりあえずカースドプリズンを選んでみたが、所謂2Pカラー的なカラーバリエーションの中に明らかにカボチャカラーがあるのはそういうことなんだろうか? 考えだすと思考にハマりそうだったのでちょっとニヤついた表情を努めてフラットに戻しつつとりあえず一戦。
対戦相手は……なんだこりゃ、S…A、I……SAIKYOKASUPURI? せめて_くらい入れろよ読みづらいな。というか始めたばっかのレートでマッチング………いや、将来の目標を最初から掲げることもあるだろう、うん。
だが奇しくもミラーマッチ、アメリアナントカさんがリアルカースドプリズンに一番近かったとか言うならミラーマッチは経験しておいて損はないだろう。
「っし、」
なんだか懐かしさすら覚えるケイオースシティに、再びカースドプリズンとして降り立つ感慨も程々にして。
とりあえずティアー中位くらいまで目指すかと近くにいた白バイ隊員を殴り飛ばすのだった。
補足:最強カスプリ(初心者)さんはおまる帝ではないです




