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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜  作者: 硬梨菜
竜よ、龍よ! われらが駆けるは憧れの果て
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知りたいのは結果ではなく過程

「その、大変でしたね……」


「あーいや、まぁ途中から俺もちょっと楽しくなってノっちゃったし……」


「ムゥ、最初カラサイガ-0殿ノ友デアルト言ッテクレレバアアハナランダロウニ……」


なんというか、旅行のために家を出たけどガスを閉め忘れたことに気づいて急いで戻って来ました的なオーラを漂わせるバッタの蟲人族、ガルガガフノノノガス……なっげぇ、重複抜いてガルフノス氏が俺をみてため息をつく。


「我ガ旅路ノハジマリカラシテ、コウモ躓キ続ケルトハ……」


なんでも、見聞を広めるために旅に出ようとした矢先にレイ氏と……イムロン? 氏を発見、とんぼ返りさせられた上で改めて出発しようとしたタイミングで俺である。まぁ正直ちょっと申し訳なさは感じますね、はい。


あの第一印象強キャラのくせして戦法の一々に殺意が漲った蜂女との激闘は対人として見ればなかなか歯ごたえのある相手ではあったが……いややっぱしばらく戦いたくないわ、あれは時間経過でもっと面倒臭くなる雰囲気がした。言うなれば体力減少をトリガーにステータスが上がるタイプのボス。


「ココルコココレコト互角ニ渡リ合ウ姿ヲ見セテ認メサセル……マサカソレヲ狙ッテ?」


「え?」


考え事をしていたら何やら勝手に勘違いされていた。いや特に何か考えがあって悪役ロールしたわけじゃないし、そもそもここに来たのはサービスエリアにトイレ借りに来た程度の感覚というか……


「フ……中々聡いな」


別に肯定したわけじゃない、ただガルフノス氏の知性を褒めただけだ。仮にそれで何か違う受け取り方をしたとしても俺は悪くない、鉛筆式交渉術だ。


「ホウ、流石ハサイガ-0殿ノ友トイウベキカ」


「……なんかやたら持ち上げられてるけど何したの?」


「い、いえ、その……クエストを消化しているうちにいつの間にか」


あー、これ多分ヴォーパル魂とかそういう系のパラメータがあるな? レイ氏から聞いた話とさっき殴り合い(コミュニケーション)した情報から鑑みるに、勇敢であることがトリガーかな? ヴォーパル魂と違って無茶無謀もプラスに働きそうな気配だ。


「ふーん……あぁそうだ、実はレイ氏に相談がありまして」


「相談……ですか?」


「んー……ディアレにさ、ちょっとラビッツまで送ってもらいたくて」


「ディアレさんに……? でもサンラクさんは……」


「あーうん、ちょっと事情があってさ。今使ってるセーブポイントを更新したくないからリスポンで前線拠点に戻れないんだよね」


「あぁ……成る程。ディアレさんでしたら、ええとイムロンさんと一緒にこの里の鍛冶場にいます」


「イムロンって……えーと、なんかペンシルゴンが企んでるやつだっけ?」


「えぇと……まぁ、はい。あぁでも……」


……? 妙に歯切れが悪いな。


「サンラクさん……その、イムロンさんは鍛冶職で……その、英傑武器とかそういうものに、とても興味津々です」


「……ほう?」


成る程会うのは面倒そうだ、だが……何か商機を感じるな?












「ワァ! ヘンナノダ!」


「どうもぉ、変なのでーす」


必殺の上半身固定摺り足ウォークが炸裂し、結構印象的な見た目の蟲人族キッズがワァキャアと散っていく。あれアゲハチョウの幼虫みたいな姿してるけど……蛹になるの?


俺自身が蟲人族に完全に受け入れられた、というわけではなさそうだがいつの間にかポストトットリ(特定種族にちやほやされるポジの意)に就任していたレイ氏の仲間である、という事と蜂女と互角に渡り合った事がプラス方向に働いているようだ。

さて、人の事を災いだのなんだの言ってくれやがった蝉長老……名前は長すぎたので忘れた、確かミンミンブンシャカジジィみたいな名前の長老から鍛冶場の情報を手に入れた俺は、煌蠍の籠手(ギルタ・ブリル)をこれ見よがしに装備しながら鍛冶場へと乗り込む。


「……むむむ、ビィ姉さんが作ったやつより若干使い勝手がいい……いやでも、耐久はこっちの方が……」


「ふふん。耐久力も大事だけどやっぱ瞬間火力よ、壊れさえしなければ鍛冶師(わたし)が修復するんだから誤差レベルの耐久度で火力が上がるならむしろ積極的に削った方がいいのよ」


「いや、だがねイムロン。私は近距離での戦闘も視野に入れてるんだ、だから単純にぶん殴ることも考慮するなら耐久を削られるのはいたいぞ?」


「ばっかねぇ、一つの武器と心中するのを否定はしないけど、手数で戦う魔法使いが杖厳選してちゃ世話ないって。使い分けるにしてもスペアにしても、多様性はあって損にはならないわよ」


「うーむ、一理ある……」


あれがイムロンか、さて……


「やぁどうも、お取り込み中済まないがちょっとそこの兎を借りてもいいかい?」


「はぁ? なん………」


振り返ったイムロン……ロールプレイする気がないのか、ゴツいオッさんの見た目とは裏腹に女性の声で振り返ったプレイヤーの表情が俺の両腕を見た瞬間スコンと無表情になる。


「………な、なん」


「き、君はサンラク!? ま、まさかエムルもこっ、ここに!? くぅうっ、まさか修行がバレて……?」


「いや、エムルはここにはいない。だからこそ会いに来たんだが」


ククク、魔法の杖は木が重要だのなんだの言ってる奴の目の前にいきなり超未来兵器が現れたんだ、奴の視線は完全に釘付けだ。大事なのはイニシアチブさ……! 強い装備はそれだけで周りを威圧する、リソースでマウントを取るのだ。

実際これまでなんらかの交渉をする時はこの方法が最適解だった、だからこそ今回もこれでいけると思っていた。


だが、そう俺は……新システムをお預けされ続けていた生産職の執念というものを見くびっていたのかもしれない。


「お? これが気になっ」


ずだん!!


「ひえっ」


か、壁ドン!? え、性別変えた方がいい?


「……性能を」


「はい?」


「性能を、聞かせて」


入手法ではなく? まぁいいが……


「こっちの拳は弾丸サイズの水晶を飛ばして、振動で巨大な水晶柱を作り出す。んでこっちの拳が月光で魔力チャージ……あ、水晶柱の生成にもこの魔力チャージが前提だ」


超過機構は……まぁいいや、今は黙っておこう。それに今の情報だけでイムロン氏はご満足いただけたようだ。


「拳系武器は二つ一組、基本的に同じ能力になる……特殊パターン? 違う? っ! そうか別々の素材だから? いやその場合でも片側ずつで別々になるなんてそんな……」


………うん。

これ以上ここにいると(メンド)い気配がするので息を殺してそっとこの場を後にする。

ほーれディアレこっちこーい……


「あっ! ちょっと待った!!」


「げっ」


「別に譲ってくれとか言うわけじゃないからそんな構えなくていいわ……ぞ。むしろそれを作る過程が知りたいの……ぞ」


普通に複数質問要求して来たよこの人……まぁいいや、聞いた話じゃプレイヤーに限れば最上位の鍛冶師らしい。縁を繋いで損はあるまい。でもロールプレイは雑だな。


「まぁいいや……で、何から知りたいんだ?」


「全て」


ライブラリの似非魔法少女みたいなこと言うのはやめてくれよ……












見てくれだけで言えば、無骨な鍛冶師と半裸の想い人が会話しているだけの光景である。


だが、サイガ-0は短い付き合いとは言え知っている。イムロンのリアルがちょっとくたびれた感じのOLであり、男性が話しかけやすい性格をしている事を───!


「……ま、混ざるべき? いえ、でも……」


「ムッ! ソコニオルハ我ガ好敵手(ライバル)サイガ-0デハナイカ!!」


「ルガドドド・ル・ドドドドさん……黙って」


「ム、オォ……アイワカッタ」


ルガドさんはカブトムシの蟲人族であり、名前見れば分かるかもしれませんが七つ文字クラスのバグズ・プライドの一人。

電撃纏ってフォームチェンジしそうだけど純STR型、スキルも自身のSTRを上げることに特化してるのでヒロインちゃんは対マッシブダイナマイト用の立ち回りを取ることで実力を認められました


キャラ紹介もまだなのに書きたいこと多すぎる……でもこの後インベントリアみたらちょっと楽しいかも?

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― 新着の感想 ―
剛力招来や超力招来するのはおるのかのう? 蛹になって待つ。そのときがくることを。そして蝶だと思ってたら蛾で引かれる、てかやっぱりとある蛾は進化前を蝶の進化前と間違ってるよね。 蛾の進化前と蝶は目と口と…
[気になる点] ホントに電撃纏わない? キャストオフしない? 時間を置き去りにした加速しない?
[一言] 噛まずに言えるレイちゃんしゅごい…
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