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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 作者:硬梨菜

竜災未だ止まず、狼は吠える

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アンコントロール・モーション

んあああああああああああ、んおっ、おあああああああああああああああ!!!?!?

最高にアホな矛盾点を見つけてのたうちまわる音

インベントリアで第一スロット潰れてて、アクセサリー屋に行ってないのに別アクセサリー装備できるわけないやん!
というわけで修正します、さらに言えばこの話の前に一話差し込みます。とりあえず
・アクセサリー屋に行ってスロットを開いた
・コロシアムでトリガーの検証した
・ビィラックの武器屋に行くことを思い出した
の順番でお願いします……おおおおお………
瑠璃天の星外套の性能についてはいろいろ言いたいことはあるがまず何がヤバいって300て、MP300て。猿でもウィザードになれるぜ。
多分バケツと同じで枯渇したらプレイヤーのMP使って補充するんだろうけど、瞬間的に300+プレイヤーのMP分だけ魔法を連射できるのはヤバい。魔法の火力はMPの最大値に依存する、って話だが何も連射が効果的な魔法は攻撃魔法ばかりではない。
さらにいえば魔法のストック、詳しくは使ってみなけりゃ分からないが……ものすごく悪巧みできそうな気配がプンプンする。

そもそも短期決戦ならリキャストタイムという制限を持たない魔法は非常に優れた性能をしている。
MPという別の制限こそあるが、大火力をぶっ放せるという点では一発の火力は魔法職の方が上だ。まぁ武器による通常攻撃の兼ね合いもあって最終的なDPSは物理職の方が上かもしれないが。

「要検証だけど、魔法のDPSがイカれたことになるんじゃねーかこれ……」

もしも設定する魔法が詠唱無詠唱の威力減衰が関係なければ……いやそもそも、このアクセサリー最大のメリットは一度の魔法行使で魔法を記録できるということだ。
例えばクターニッドとの決戦でレイ氏が使いまくった使い捨て魔術媒体(マジックスクロール)、それに記録された魔法……高価ということはそれだけ希少ということ。

馬鹿みたいに高価な魔法をいちいち購入せずとも瑠璃天の星外套に記録させれば使い放題になる。うん、控えめに言って頭がおかしいよ……考えつくだけで四つは悪用方法を思いつく。







問題はこっちだ。

「サ、サンラクサン……それ、使って大丈夫なんですわ……?」

「それを確かめるための検証だろー? 一応危ないかもしれないから離れておけエムル」

「は、はいなっ」

かつてはここで猟犬の群れやらミイラ椰子やらを倒したラビッツ・コロシアム。そのうち秋津茜もここで戦うことになるだろうが、今はもう一つのアクセサリー「封雷の撃鉄(レビントリガー)(ハザード)」の検証のために俺が使う。

アクセサリーの説明文を読む限り、デメリット付きの強化アイテムってところか。気になるのは「過剰伝達(オーバーフロー)」状態、密封の琥珀は五つのクラスがありその中でも「(ハザード)」がデメリット付きの効果だとすればモーション感度の上昇、全モーションへの補正、スリップダメージの三つ全てがデメリットということはないだろう。

「とりあえず使ってみなきゃ分かるものも分からないってな……っ」

念のため封雷の撃鉄・災以外の装備品を全て外し、意を決して手袋の親指部分に嵌め込まれた琥珀をちょうど拳を胸に叩きつけるようにぶつけて発動条件を満たす。
チリッ、と静電気のような痺れが叩きつけた琥珀を中心に全身へと迸る。次の瞬間、全身に走った痺れが漆黒の雷へと転じた。バチバチと全身を覆う……いいや違う、これは俺の表面を覆って(エンチャントして)いるのではなく、俺というアバターの内側から溢れ出しているような。琥珀の中に封じ込められていた太古の雷、その発生源に俺自身がなってしまったかのような。

「これは……!!」

全身に力が漲る。思わず大声をあげながら全力で走りたくなるような力強いエネルギーが(サンラク)の中で暴れ狂っている。
俺は我慢できずに全力で駆け出し──────壁。

「へぶぉ!!?」

「サ、サンラクサァァァァアアアア!!?」

俺は死んだ。









「……はっ!?」

コロシアムの控え室、兎御殿の俺に与えられた部屋にあるベッドと比べると質素なベッドの上でリスポーンした俺が目を覚ます。
え、いったい何が起きた? なぜ俺は死んでいるんだ!?

「サンラクサン、大丈夫ですわ!?」

「すまんエムル、死因の説明を頼む」

「サンラクサン、いきなりものっそい速度で壁に激突したんですわ!」

壁に……激突? バカ言え、俺が立っていた場所から壁まで20メートルはあったんだぞ? それも壁にぶつかっただけで死ぬわけ……いや待て。

「まさか、そういうことなのか……?」

「サンラクサン……?」

「よしエムル、ちょっと今から死にまくってくる」

「ふぁああ!?」

デスペナも抜けきっていないが、それ以前に確かめたいことが一気に増えてしまった。駆け足でコロシアムに戻った俺は再び撃鉄を胸に叩きつける。

「モーション補正、感度の上昇……」

例えば「腕を持ち上げ顎に手で触れる」という動作をするとする。その時に腕を持ち上げる動作を極限までスピードアップし、顎に手で触れる動作にパンチするくらいのエネルギーを込めたらどうなる?
人は、生き物は常に100%の力を発揮しながら生活することはできない。肉体の限界とかそういう理由もあるが、常にリンゴを握りつぶすような握力と瓦を叩き割るような腕力で生活できるわけがないのだ。

つまりはだ。

「ぶげっ」

バク転を試みた俺は、過剰なまでのエネルギーと加減のきかない動きでバック宙返り二回転を行い、顔面から地面に落ちて死んだ。ちょっと首がヤバい方向に曲がってたぞ今。








「これはなんというか、ヤバいな」

「物理的に首がへし折れてたのに平気な顔して起き上がるサンラクサンも大概ヤバいですわ……」

「巨大な鉤爪に掴まれてぐしゃっとされる死に方よりはよっぽどマシだからな」

握りつぶされた折り紙みたいな死に方ってすごいぞ、痛みがなくてもショッキングだし痛みがあるともっとショッキングだ。尤も、痛いとかそういうのを近くする前に頭が真っ白になるんだけどな。
とはいえ今の過剰な運動エネルギーで大体分かったぞ、「過剰伝達」状態時は全モーションが非常に大雑把かつ全力になるんだ。しかも遮那王付きのようにモーションそのものに補正が入るからさっきのようにバク転しようとしたら勢いが強すぎて二回転するし、ちょっと走ろうとしただけで壁に激突するほどの速度が出る。
出力調整ミスったロボットみてーだな、歩くだけなのに足を限界まで振り上げて転倒するタイプの。

しかも、ある理由からこの状況下ではかすり傷でも死亡する。

「ここで響いてくるか「神秘(アルカナム)」……!」

神秘(アルカナム)愚者(フール)」の効果はスキルを再使用できるまでにかかるリキャストタイムの半減、そしてその代償として回復行為が乱数となりスリップダメージ(・・・・・・・・)が倍増する(・・・・・)
そして封雷の撃鉄・災に含まれる効果として「十秒ごとにその時点の体力の50%のスリップダメージ」が発生する。それが二倍になるということは即ち十秒経過する度に俺は体力の100%分のダメージを受ける。
即死しなかった、ということは恐らく毒状態とは違い体力を削りきることはないのだろう。つまり100%ダメージではあるがHP1で持ちこたえるということだ。
とはいえHP1の死にかけ状態、刻傷のせいで半裸、行動の制御が困難になる……これらが絡み合うことで壁にぶつかれば死ぬ、足を挫けば死ぬ、着地に失敗すれば死ぬ、当然攻撃が(かす)れば死ぬ。
というかこれ下手に格闘戦とかやったら殴った衝撃で死ぬんじゃ……いや、そこらへんは幸運による食いしばりでなんとかなるのか? 確か自傷、反動は幸運50以上で耐えるって話だし、いやでもあれって連続発動するのか? うーむ……

「レトロゲーの一撃死キャラかよ……」

しかもゲーム内速度が三倍くらいになっている、ゲームそのものの質ではなく周辺環境で殺しにかかるのやめーや。
フルダイブ以前のゲームだと本体側をいじって倍速プレイとかもできたらしいが、フルダイブでそれをやると仮想現実と現実の間で意識にラグ(・・)が生まれるので今じゃあ法で制限されている。とはいえ最近じゃ「意識ごと」加速する技術やらも研究されているらしいし、封雷の撃鉄・災の場合はあくまでもボディのみの加速だからドラッグカーで曲芸を要求されているだけだ。ドラッグカーって曲がれないんですけどどうすればいいんですかね?

「要するに1が10になる、サイズを大きくした定規の最小単位が1ミリから1センチになる、想定を割って、いやむしろ結果を掛ける……?」

「まーた始まったですわ……」

悪いなエムル、システム的な理不尽に遭遇するとむしろ燃えるタイプなんだ俺。理不尽って大抵制作側も制御できてないからバグとか未調整のメリットが確保できたりする。乱数で割引100円で買えるアイテムが150円で売却できる、とかな。適当に割引値を設定するとこうなるパターンは多い。

「よーし、今日……いや、なんとなく外道(バカ)がなんかやらかしそうだし明日までに基礎的な動きを練習だ!」

「その前に!」

むっ

「サンラクサン忘れてることがあるですわ!」

「忘れてること?」

「ビィラックおねーちゃんのとこに行くって自分で言ってたの忘れてるですわ!?」

「あっ」

ガチで忘れてたわ、とりあえず色々雑務を済ませないとな。
コ ン ジ ャ ク シ ョ ン
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