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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 作者:硬梨菜

此岸より愛を込めて花束を

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半裸、悪化し再び

一週間前の自分に「この作品カテゴリ日刊一位、総合日刊四位になるよ」と言ったら果たして信じるだろうか

皆々様のお陰でカテゴリ総合日刊ランキング四位という、「日刊ランキングをもっと見る」を押さなくても作品を見つけることができる場所まで来ることができました! 本当にありがとうございます!
これからも拙作を宜しくお願い致します。
要するに何が問題なのか?簡単だ。

・半裸を強制させられる胴、脚装備不可。
・常に格上と戦わなければならない雑魚敵逃走。
・呪術師のバフ、最悪魔術師のバフを弾く可能性のある呪い抵抗。
・さて私のキャラは今初心者、中級者、上級者のどれに該当するでしょうか。


「これは………クソゲー展開じゃな?」

なんてことだ、神ゲーに拒絶反応を起こした俺の肉体に染み付いたクソゲー達の怨念がシャンフロをクソゲー化させる呪いを因果律を曲げて呼び寄せてしまったのか………? いや、落ち着け、冷静になれ。クール、ソークール。
クソゲーをプレイするにあたって重要な三か条。一にクソシナリオへの寛容な心、二にアホAIへの不屈の忍耐、三に突発的不具合への冷静な判断力だ。

「まずやる事を纏めよう……」

ステ振り、そうステ振りだ。50ポイントあればそろそろキャラビルドの方針が定まる頃だ。現状は幸運紙装甲クリティカル戦士だが、これからレベリングを何の問題もなく行えるとは限らない。それにリュカオーンの呪いも完全にデメリットというわけでは無い、それを加味した上でどう分けるか。

「………そういえば」

このゲームって逃げたモンスターはどうなるんだ? この手のリポップはある程度プレイヤーから離れたモンスターは自動的に消失して、初期位置に再発生したりするものだが、俺から逃走するとしてどこまで逃げる? 何せ一切のロードを挟まないフルダイブVR、実質的にほぼ現実と同じ法則で動いている以上俺の予想通りなら。

「そうだな」

もういっそHPやVITは最低限あればいい、オワタ式でこのまま突っ走っていこう。今更タンクビルドにしても中途半端な出来になるだけだ。 重要なのは逃げるモンスターに追いつく(・・・・)脚力、それを支えるスタミナ……極振りは流石に怖いから技量にもちょっと振りつつ幸運にブッパ……そう、夜襲のリュカオーンの攻撃をHP1で耐えることができたのはきっと幸運が関係しているんだろう。


「これは…………」


————————————
PN:サンラク
LV:28
JOB:傭兵(二刀流使い)
2,000マーニ
HP(体力):30
MP(魔力):10
STM (スタミナ):50
STR(筋力):15
DEX(器用):20
AGI(敏捷):60
TEC(技量):20
VIT(耐久力):6
LUC(幸運):65
スキル
・ラッシュスラッシュ
・スパイラルエッジ
・ナックルラッシュ
・スライドムーブ
・レペルカウンター
・ループスラッシュLv.4
・エッジクライム
・アクセルLv.3

装備
右:致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)
左:致命の包丁(ヴォーパルチョッパー)
頭:凝視の鳥面(VIT+1)
胴:リュカオーンの呪い
腰:隔て刃のベルト(VIT+4)
足:リュカオーンの呪い
アクセサリー:無し
————————————


おかしい、縛りプレイをするつもりは別になかったのに……
ここまで来ればもう幸運戦士と心中するしかあるまい、紙装甲は避けのテクで、火力はクリティカルと手数で補うしかないだろう。というか新しく習得した双剣で壁を登るスキルやら一定時間文字通り加速するスキルやら、我がことながらどんだけ必死に戦ってたんだと笑えてくるぞ。いやそもそも、ちょっと手探りでプレイしすぎたかもしれない。強敵を前にヒャハってしまったがよくよく考えれば夜襲のリュカオーンが現れる前兆はあったのかもしれないし、オンラインゲームだというのにソロでプレイするのはどちらかと言うとマイノリティに属するのではないだろうか?
組むプレイヤーがほぼいない為に強制的ソロプレイになるクソゲーとは違って、常に数千人はログインしている神ゲーなら野良でもパーティは組めるだろう。
いや、でも俺より下のレベルのモンスターが逃げる以上他のレベリング目的のプレイヤーからすれば迷惑以外の何物でもなく……ああくそ、どれだけ考えても「ソロで頑張るしかない」という結論に到達してしまう。
というか明らかに数十人で倒すようなモンスターの呪いを解ける奴っているのか?トッププレイヤーなら行けるのだろうか? というかそんな高レベルのプレイヤーがこんな初心者の街に来る確率なんてそれこそランダムエンカウントであの黒狼に出会う確率とほぼ同じだろう。

「はぁ………」

そして何よりも、あのクソ狼に噛まれた両足の膝から下と胴体を黒く蝕む爪痕のような……呪い(マーキング)
まるで当然の権利であると言わんばかりに隔て刃のベストとズボンは破損し消失、ステータス画面で何度確認しても装備欄を埋める忌々しい黒狼の名前。
比較的ネタで済む不審者は、再び通報されるレベルの不審者になってしまった、ということだ。

「まぁこの程度の艱難辛苦で俺が運営に泣きつくと思ったら大間違いだが……な。」

自分でも驚くくらいこのゲームにハマったものだ。打倒「夜襲のリュカオーン」を燃料として、俺は改めてこのゲームのやり込みを決意するのだった。
主人公が強制半裸になった原因たる「呪い」ですが、ゲーム内においては三種類存在します。
最初にデバフや魔法をもっとねちっこくした感じの攻撃手段「(まじな)い」、これは職業「呪術師」や一部のモンスターが使用するシステムに基づく魔法に分類されるものです。
次にシナリオの中におけるファクターとしての「(のろ)い」、これはプレイヤーがシナリオのフラグを達成することで解除されるシナリオギミックです。例としては「幽霊屋敷探索依頼で幽霊屋敷の中にいる間は継続的にステータスがダウンし、幽霊屋敷を探索完了することで解除される」などが該当します。
そして最後にユニークモンスターのみが扱うことができる特殊な「呪い(マーキング)」、これはいわゆるシステムに干渉する凶悪なデバフであると同時に装備欄を潰すだけのメリットも内包した特殊なシステムです。
とはいえメリットもうまく活用したら、という前提付きなので基本的にはデメリットです(恒常的な格下モンスターの逃走強制など)
一応補足すると、二つマーキングされたとしても効果が二倍! とはなったりしませんが、NPCの好感度補正だけは例外としてその影響をモロに受けます。
NPC(PL的視点を持たない物語の人物たち)にとって「地方信仰で神扱いされてもおかしくないようなモンスターから認められた証」を付けた者がどういう風に見えるか、という話ですね。
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