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シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 作者:硬梨菜

見上げた空、広がる海、深淵の都市を駆けて

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繋ぐ、繋がる、繋ぎの日

甲殻類と甲虫を合体させて戦闘特化させたような重装甲人外が大好きだって一万年前から毎日欠かさず言ってる(ヂカラオすこ)

でも一番好きなのはシキです
お茶漬けだけでは足りなかったので簡単な料理を作る事にした。
フライパンに油をひいてご飯とコンソメを叩き込む。適当に冷蔵庫の中にあるものを叩き込み、最終的に塩胡椒で適当に体裁を整えて完成。

「名付けて……なんだろう、適当チャーハン?」

もしくはケチャップの入ってない半端者チキンライス……よし、お前は今日からヒヨコライスだ。だって卵が切れていたんだもの。

「とりあえず封将の一体を倒してみました、っと……」

SNSにクリオネを倒した報告をしつつ手早く食事を済ませる。
クリオネ、中々に強敵だったが逆に物理にそこまで強くないという致命的な弱点をなんとかするべきだったな。あとバッカルコーンの耐久度低すぎ、寒天か何かかよ。

とはいえ性能はさておき設定面でも結構気になる事は多かった、そう例えばクリオネの鮮度とか。
基本的にこのエリアでエンカウントする半魚人は皆腐っていた、それかもしくは人魚のように不自然に人間臭さが強かったり。
だがあのクリオネからはそういった違和感をあまり感じなかった。違和感を言語化するのが難しいな……なんというか、その……うーん、ガワの表記ミスみたいな?
見た目もアイテム欄での表示もナイフなのに実際に使うと何故か散弾を撒き散らす、表示がナイフなのに中身の判定はショットガンになっている、そういう感じの違和感と言うべきか。
半魚人や人魚にはそういったちぐはぐ感がある、何か別のものが無理に人魚として振舞っているというか……うーん。









「水が溢れない底の抜けた鍋、素通りできる閉じた門、ストーリー上は味方になったのにバグで判定が敵のままだから裏切りがネタバレされてるNPC……」

「一体なんの話をしているんだ?」

「ルルイアスの根幹に根ざす概念の言語化だ、言葉として形にすることで脳細胞が活性化するんだ」

「お、おう……?」

「サンラクサンの持病ですわ、気にするだけ疲れますわ」

「ビョウキ?」

失礼な、頭のエクササイズだ。
とはいえ俺の構築では物理完全無効の封将を倒すことは出来ない、それはモルドや秋津茜のような魔法職に任せるとして……問題は残り二体の封将だ。

「魔法も当たるし物理も通る、ただ時々魔法も物理も無効化してくる、と……」

だがヒントは多い、ここで謎を解く鍵になるのはクリオネだ。
魔法の一切を弾くクリオネに対し、残る封将の中には物理(スキル)を無効化するボスがいる。二体で一体のボスとして存在する、曰く「生き生きした半魚人ズ」なるそいつらは、クリオネと非常によく似た制限をプレイヤーに課している。
だがその性質は真逆、水と油、N極とS極……そう、対になっているんだ。

反転とは即ち表と裏がなければ成立しない、無地の球体はひっくり返したところでその性質は変わらない。
であれば認識がそもそも間違っていたんだ、一体のユニークモンスターと四体の封将ではない。

二体一対が二組(・・・・・・・)なんだ」

中々にエグいギミック仕込んでくれるじゃねーかクターニッド、魔法職がいなければ詰むしその逆でも詰む。残り二体、いや一組の共通はなんだ? 当たるときと当たらない時がある、条件はなんだ? クリティカルの有無? ダメージ量の制限?

「いや、ルスト曰く剛弓魔法弓を問わず無効化もされたが当たりもした。モルド曰くプレイヤー側が不利になると攻撃が当たり出したり、その逆もあった。秋津茜曰くクナイ攻撃は当たる時と当たらない時があった……」

にこやかな笑みで歌いながら近づいてきた人魚の顎をハイキックで蹴り上げ、歌が直撃して頭から転げ落ちたエムルをキャッチしつつ思考はさらに加速していく。

証言の中で最も重視すべきはモルドの発言だ、他の証言が無効化の有無であるのに対して彼の発言だけは別の対義語で語られている。

「有利な時だけ当たる、不利な時だけ当たる……」

流石にそんな頭のおかしい無効化条件ではないはず、なんらかの条件が結果として有利な時だけ攻撃が当たる、そしてその逆の状況を作っている。
憤怒の表情でハグを求めるという中々に笑える攻撃を仕掛けてきた人魚を回避し、そのうなじに斬首剣を叩きつける。ぴぎゅっ!? と中々アレな断末魔が聞こえた気もするが最早脳細胞はトップスピード、そのような些事は思考のはるか後ろに置いていかれた。

「秋津茜のクナイは両方の封将に対して同じ結果を出した、ルストの矢は有利な時は当たり不利な時は外れた……クナイの共通と弓の差異?」

弓の有利はなんだ、遠距離から攻撃を当てられることだ。では弓の不利は? アドバンテージである距離を詰められた時だ。
秋津茜のクナイの特徴は? 耐久度が通常の武器(ナイフ)より低い代わりに投擲武器として使える使い捨てのアイテムだ。

「…………距離か」

思考がトンネルを抜け、実証されてないとはいえ確信すら抱く答えという光に照らされる。
弓使いが不利になった瞬間攻撃が当たるようになったのは至近距離に近づかれたから、クナイが中途半端に戦果を出したのは投擲武器としての運用をしたから。

「答えに辿り着いた……っ!」

「辿り着いて欲しいのは答えじゃなくて安全圏ですわーっ!!」

「ん?」

ああそうだったな、無双ゲーみたいなもんだし考えに熱中していたから忘れていたが……絶賛戦闘中だった。

「アラバ! 上だ上!」

「む、無茶を言ってくれる……!」

「また愛刀を「大海峡」ならぬ「大股挟」にしたいのかー?」

「ぬおおおおおおお! この程度の登攀んんんん!!」

分かりやすい思考ルーチンは扱いやすいが見てて不安になる。ほら、ロクでもない絵しか描けない鉛筆とかに悪用されそうで……














サンラク:【重要】封将攻略について

サンラク:えー、先程長文コピペして貼った通りですが恐らく物理無効を除いた残り二体の制限は「遠距離無効化」と「近距離無効化」であるものと考えられます

サンラク:ですので近接職で巻き貝を殴り倒し、飛び道具持ちでフジツボをぶっ飛ばす事を提案した次第ですが今回は別件です

モルド:今ちょっとルストがマトモじゃないので代わりに僕が

サンラク:何があったし

モルド:GGCでネフィリム・ホロウのナンバリング続編の制作発表されたんだけど、知らない?

サンラク:マジか、よくもまぁ過疎ゲーの続編にゴーサイン出たな

秋津茜:休憩時間です!

サンラク:まぁいいや、俺が提案したいのは封将を倒すタイミング

サンラク:クターニッド戦でなんらかの特殊効果が出ると睨んで封将倒ししているわけだけど

サンラク:あ、お疲れ様です

サンラク:全部倒した瞬間クターニッド戦に移行する可能性もあり得るし、七日目になった瞬間自動的にクターニッド戦に移行する可能性もあるので

秋津茜:はい! もう少ししたらまた頑張ります!!

モルド:つまり六日目までに封将を倒し切りたいという事?

サンラク:そういうこと、俺は用事を済ませたから七日目までインできるので、端的に言うとメンバー募集

モルド:明日までにはなんとかルストを正気に戻して参加します

秋津茜:六日目なら大丈夫です!

秋津茜:呼ばれたので失礼します!

ルスト:世界マジエクセレント、来年まで死ねない

モルド:この調子なんで……

サンラク:その気持ちは分からなくもない

サンラク:出来れば七日目までにレイ氏とも合流できればいいんだけど

モルド:全く会わないけど、ログインしていないのかな

サンラク:リアルが忙しいのかもしれないな、願わくば最終日にはログインして欲しいが

サンラク:幸いクターニッドっていう特大のランドマークがあるしな

サンラク:んじゃ予定としては……











さて、と。

「よし、稼ぐか」

ボス戦は団体行動だ、であれば暇になってしまった四日目はユニークシナリオでもユニークモンスターでもない、この反転都市ルルイアスそのものを隅から隅まで堪能し尽くさせて貰おう。

なぁに物入れ(インベントリア)には余裕がある、無尽蔵の余裕がな。
今から残り三体のボス倒して、キャラ描写して、クターニッド行って、世界観掘り下げて、戦闘描写……

メタ特効と化したユザパさんの次の得物は誰だ
+注意+
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