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異世界の神子は、逆ハーを望まない  作者: 一花八華
第一部
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小説、編集中です。文体作法などお目汚し失礼します。今月中に修正完了予定です。

 すべてのはじまりは、私の男嫌いから。触れられ、近付かれ、嫌悪と恐怖から、どぎつい言葉を吐く。そうやって吐く度に、心の中で相手に謝る。反省する。

 それでも、またきつい言葉で傷付けてしまう。


 その繰り返し。


◇◇◇


「先輩、うざいです」

「私の事は、ほっといて下さい」


「夏休み? お祭り? 海? 一緒に行くわけないじゃないですか? 二人で? なんで?」


 大学の広場にある、ベンチ。私は、先輩に辛辣な言葉を投げつけた。 何かと私に気をかけ、好意を持って声をかけてくれた先輩に……



ーーー


「ねぇ。早坂ちゃん! 夏休暇どうすんの? どっか行ったりする? よかったらさ、一緒に遊びいこーよ! 海とか、祭りとか、キャンプもいいよね!二人で行かない?」


 前期の講義を終え、一息ついていた。ベンチに腰掛け、夏休みの事を思案していた。何の予定もないな。悲しい事に……いや、バイトの予定はあるのだけれど、色恋関連は全滅だ。自分から潰しておいて言うのもたあれなんだけど……。


 そう溜息をついていた所、先輩に声をかけられた。にこやかに手を握られ誘われた。それを反射的に振りほどき、睨み付けた私は、気付いた時には全文の暴言を吐いていた。


 (触れられた事に)カッとなりやってしまった。後悔は(もちろん)している。


「それに【俺が男を教えてやる】って公言されてるそうですね。はっ? 何様ですか? 私にだって選ぶ権利があるんですよ? 例え天地がひっくり返ったとしても、先輩に男を教えて頂く事などございませんので! 失礼します!」


 捲し立てる私の言葉に、先輩もぎょっとする。

 女友達経由で、聞いたそれ。男嫌いな私に対して、先輩が言っていた(らしい)言葉。言葉自体は「彼氏作った事ないんだー。なら、俺初めての彼氏に立候補したいな。楽しい事とか嬉しい事、たくさん教えてあげたい」っという柔らかなものだが……聞いていたとしても、私がそれを言っちゃだめだよね。


 同時進行で、脳内は盛大に反省してるのに……どうしてかな……口撃って止まらない。


「金輪際、私に迫ってこないで下さいね? パワハラかセクハラで訴えますよ!」


 にっこり微笑み、私は先輩に釘を刺した。釘なんて生易しいモノじゃない。エッジの尖ったナイフ?いやいや、この宝具展開は、かの有名な伝説の聖剣エクスカリバーに匹敵するだろう。シール・サーティーン、 デシジョン・スター……いや、こんなもの否決だわ! 抜いちゃだめ!


 と……とにかくだ。私は、きつい言葉を吐き捨てその場を後にした。


 真っ白に固まる先輩を、そこに残して。



◇◇◇




「……また、やってしまった……」



 校舎裏の壁にもたれ掛かり、はぁあぁああーっと深いため息をつく。 魂が持ってかれそうな程のふかーいため息。



 あんな酷い事、言うつもりなんてなかったのに……後悔ばかりが浮かぶ。


 女子以外と打ち解ける事のできない私に、何かと気をかけてくれてた貴重な存在《先輩》。


 本当は、一緒に海とか山とかお祭りとか行きたかった。付き合えたら、何も知らない自分に色々教えてもらいたかった……それなのに。


 うん。男を教えてもらえるなら、土下座してでも教えていただきたかったのですよ。はい。だって周りは、ほとんど卒業しちゃってるからね?

 先輩なら、優しいし 顔もいいし 好きか嫌いかって聞かれたら 嫌いじゃない。大体、選べる立場でもないしね!私!



 極度の男性恐怖症&超絶天の邪鬼な毒舌女が、選べる立場なわけないじゃない!ツンデレ?いや、そんな可愛いものなわけがない。


 だってデレがないんですもの。デレがない ツンのみな女に、昨今の男子が近寄ってくるわけがない!くるとしたら、どえらい ドMか、メンタルハードな勇者様くらいじゃないすかね?


 ──はぁ。



 じんわりと滲む目の端を、そっと拭う。


「神様。私、処女として朽ち果てるんですかねぇ?」


 諦めと自嘲を混ぜた呟きが零れ落ちた。視線を足元に落とした瞬間、私は驚きの声をあげた。


「え?」



 目映い光が、地面から零れ出し そのまま私の体を包み込んでいく。


「なっ!?」


 驚きのあまり、言葉を失う。そうして、そのままぐるんと視界が反転し、私は意識を手放した。




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