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砕球!! 改稿6回目  作者: 河越横町
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その隣に

これが最終話です!


 一回戦でアリスを下した剛羽たちチーム神動は、そのまま破竹の勢いで新人戦を制した。


 それから数日後のある日。


「蓮さ~ん!」


 教室の入り口で足踏みする耀が、とびっきりの笑顔を咲かせながら手を振る。


「放課後ですよ! 練習行きましょう!」


「おう」


 剛羽が席から立ち上がると、待ちきれないとばかりに耀が廊下に飛び出して駆けていく。


「耀様!? 廊下を走るのは危険です! 誰かとぶつかりでもしたら……」


「大丈夫大丈夫~、避けるの得意だも~ん」


 耀と侍恩の背中を、廊下に出た剛羽は眩しそうに見詰めた。


「あ、ま、マシロくん……」


 名前を呼ばれた剛羽が振り返ると、そこにはアリスが。


「ひ、ヒカリ、最近どうデスの? け、怪我とかしてマセんわよね?」


「ああ、元気過ぎるぐらいだよ」


「そ、そうデスか、それはよかったデスわ。オホホホ……」


 笑っているつもりだろうが、苦笑いなのは明らかだ。


 まあ、耀本人のためとはいえ、彼女を退学させようとしていた手前、この状況は居心地が悪いはずだ。が、


「なあ、エイツヴォルフ。耀、多分気にしてないと思うぞ」


「ハ、ハイ? 一体何のことやら……」


 とぼけるアリスに見かねた剛羽は、軽い調子で呟く。


「耀は結果を出して無事学校に残ることができた。それでいいじゃん」


「…………」


 王女は小さくなっていく耀にちらりと目をやる。


「あの子、本当に楽しそうな顔をしていマシたわ。ワタクシ、間違ったことをしていたんデスのね」


 アリスは自虐的な笑みを浮かべる。


「そんなことないと思うぞ。耀のためになると思ってやったんだろ?」


 もし、耀が王族の隠し子だと世間に知れ渡ったら……蓮ジュニア以上にたいへんな運命が待っているだろう。


「安心してくれ。なにがあっても、俺は耀の味方だよ」


 勿論、何も無いに越したことはないが。


「だからさ、アリスも力貸してくれないか? 今度は耀の隣に立つ形でさ」


「え?」


 アリスはぱちぱちと目を瞬かせる。


 そんな王女に、剛羽はにっと笑い掛ける。


「仲間は一人でも多いほうが、あいつも喜ぶよ」


「ッ…………はい。はい……!!」


 神動耀。

 実の妹のような少女。


 その隣に立とうと、アリスはその瞳を涙で濡らしながら静かに、強く誓うのであった。


〈完〉


最後まで読んでくださった方、ありがとうございました!


次はG7かG8か……ナンバリングがどうなるかは不明ですが笑


次回作も読んでくださると嬉しいです! ではでは!

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