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砕球!! 改稿6回目  作者: 河越横町
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タイヤ少女

 4月1日。


 始まりの季節。


 山頂の寮を目指して緩やかなけもの道を登っていた少年――蓮剛羽は轟音とともに発生した大地の震動に、慌てて近くの木に手を付いた。


「た、助けてくださぁ~い!」

 

 すると、どこからともなく、可愛らしい少女の声が耳に滑り込んでくる。


 剛羽は混乱しながらも、その声の主を探し……剛羽の視線は「それ」に釘付けになった。


 茶色のポニーテールを揺らしながら、山頂方向から駆け下りてくる少女に……ではなく、その背中に猛然と迫る禍々しい漆黒に。


 その圧倒的な存在感に、びくっと一瞬身が竦む。

 

 果たして、今まさに少女の呑み込もうとしている暗黒の正体は――


(デカ過ぎだろ……!?)


 車用ゴム輪。通称タイヤだった。


 しかし、黒色の輪型護謨はとにかくでかい。


 特注品なのか、直径五メートルは優に超えるサイズである。

 

 また、立っていられないほど地面を震わせていることから、相当な重量だと窺える。


 変身していればともかく、生身で轢かれれば命を落としかねない。


(0.03……0.02……0.01)


 剛羽は胸中で珍妙なカウントダウンを始める。

 

 そして、カウントが0.00になった瞬間。ぴたり、と。爆走していた黒車輪が、完全に停止した。


 まるで何かでがっちりと固定されたかのように……!?


 間もなく、剛羽によってタイヤは横倒しにされ、事態は無事収拾するのであった。


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