一話「恋をしました。」
初めて投稿する作品ですので緊張しています。
今後、ゆっくりと投稿していくつもりなのでよろしくお願いします。
一話「恋をしました。」
僕はその瞳を、顔を容姿をみて言葉そのままの通りに人生で一番最初の恋、俗に言う初恋をした。
僕、山本 翔太は極々普通の高校生である。ちなみに今年二年生である。
一年の時はそこそこの成績でそこそこに友人に恵まれており、いじめもなく、そこそこの学園ライフをそこそこ満喫していた。
そして、今日4月某日、僕は高校二年になる、クラス替えの張り紙を見ると一年で同じクラスだった友だちとも同じクラスのようで僕はホッと一息ついた。
そして、その友だちによれば僕と同じクラスに峯岸重工のお嬢様の峯岸 彩香さんが同じクラスだと言うことを聞かされた。
まず何故お嬢様が僕の高校に通っているのかが不思議なのだが・・・
まず僕の学校の話を始めよう。
僕の通っている高校はよくあるそこそこの偏差値の中堅の私立高校である。
進学校ほど勉強に力を入れている訳でもなく、全国区に常連のスポーツ強豪校でもない。
そこそこの大学に進学したり、そこそこの企業に就職したり、たまに全国区に届いたり届かなかったりする程度の底辺ではないけど、上位でもないありふれた高校である。
そんな学校にますます何故、お嬢様が通学していらっしゃるというと色々噂が飛び交っている。
勉強がそこそこしかできないから親のコネで入学したとか、奴隷を作りに来たとか様々な噂が飛び交っているが彼女はコネを使って入学したわけでもなく、ましてや奴隷を作りに来たわけでもない。
きちんと入学試験を受けて合格してこの学校にいるし、日々の勉強の賜物か中間期末テストの上位20位以内には必ず名前が載っているほどである。
それに彼女は人当たりがいいらしく、生徒会の書記を務めたり交友関係もとても良好と聞く。
そんな彼女の話では、親がこの学校に多少の寄付をしているから校風が分かっているらしくオススメされたと言うことらしい。
何故、聞くとからしいと言ったかと言えば、この一年間彼女と僕の接点は全くない。
顔すら合わせたこともない。
写真すら見たこともないのだ。
だが話を聞くととても美人で男共からのアプローチも毎日のようにあるらしい。
だが彼女からの良い返事は誰からも聞いたことはないし、浮ついた話も全く聞かない。
むしろファンクラブまでできていて彼女には不干渉の条約が秘密裏にできているらしい。
それにいつも三人の取り巻きがいて、まず彼女たちで大抵の男は引き下がるらしい。
それに彼女自身も忙しいらしく学校が終わればすぐに家に帰るし、学校もいつもギリギリに来ているらしい。
そんな彼女との接点が一つもない僕からすれば空想の話なんじゃないかと毎回思ってしまう訳ですよ。
そんな話を友だちとしながらクラス替えして初めての新しい教室に入っていくと何人かは座席を確認した後、各々《おのおの》の席で座って待っていたり、峯岸さんが同じクラスだからかそわそわしている奴がいたり、一年の時のクラスが一緒だったのか仲良く談笑している人達もいる。
僕もそんな中で今年もクラスが一緒になった友だちと談笑しながらチャイムが鳴る時を待った。
「ここで僕の友だちを紹介しよう。佐藤 悠君だ。」
「いきなりどうした翔ちゃん。誰に俺の名前を紹介しているんだ?」
「いや、何故か猛烈に悠を紹介しないといけないと思ってさ。」
「ふ~ん。まぁいいや。」
この悠君は僕とは正反対の人間でまさに読んで字のごとく文武両道、成績の学年で常に一位、生徒会副会長であり今年の秋から生徒会会長の有望視されている、おまけにスポーツでも野球からサッカー、バスケにバレー、おまけにバトミントンからテニス、卓球等となんでもこなせるまさしくスーパーマンなのだ。
なんでこんな凄い奴が僕の友だちなんだろうとよく思うがこいつとは小学校からの付き合いだ。
そんな悠君、勿論モテる。
神様は天に二物も三物も彼に与えたのだ。
容姿は文句なしのイケメン。
文武両道のイケメン。
もうモテない要素が何一つない。
だが彼にはなんと彼女がいる。しかも何の設定かは知らないが許嫁らしい。
彼はそんな古い家でもなく財閥の息子でもない。
だが許嫁がいて関係は良好。
ますます意味が分からないが話によるとお爺さんが居酒屋で飲んでいた時に気が合う同じくらいのお爺さんがいたらしい。
二人はかなり気があったらしく、当時生まれたばかりの孫を結婚させようと裏で決めていたらしい。
悠の両親は勿論反対はしたしお爺さんも酒の場の話だから相手も本気じゃないと笑っていたが、相手方のお爺さんは本気だったらしい。
しかも両親はお爺さんをよっぽど信頼しているらしく、お爺さんが認めた相手のお孫さんなら一度会ってみたいとトントン拍子で話がついていつの間にか許嫁同士になったと言うらしい。
だが最後は本人達の意思に任せると言う話らしい。
だがそれを聞かされたのは二人が付き合い始めた時に聞かされたらしい。
悠いわく「道理であいつとよく合わせるし一緒に遊んだりして、あいつの女として意識させるようなわざとらしいハプニングを頻繁に起こさせてた訳だ。」と、正直、僕には全く関係のない話だからここまで長く話してもなんの得にもならに訳だが。
話を戻して、そんな完璧人間悠君は彼女がいる、それだけでも羨ましいが、彼女が居てもモテる。
皆に彼女持ちも公言しているがバレンタインには大量に女子からチョコを貰ってくるしクリスマスや大きい休みのGWや夏休みなどの期間には、どこから聞いたかは知らないが悠の携帯に直接電話をかけて遊びに誘う猛者まで居るらしい。
女って怖いな。
それでも悠は彼女一筋でデートは基本お断り、女子と二人っきりに相手が意図して起こした場合は速やかに帰るなどして徹底的に彼女以外の女子と二人っきり、もしくは男子が悠一人で女子が複数の状態にならないようにしている。
その徹底ぶりに苦戦している女子はそんな一途なところも好きと何故か高感度が上がっている。
イケメンってすげぇわ。
「翔ちゃん、いきなりぼーっとしてどうしたんだよ。」
「なぁ悠、なんで僕なんかと友だちなんだ?」
「いきなりどうしたね、翔太君?いやワトソン君。」
「いや、僕はワトソンじゃないけど、悠みたいに完璧な人間が僕と友だちなのかなぁってふと思ってさ。」
「そんなの決まってるじゃんか、俺と楽しく過ごせるのが翔ちゃんしかいないからに決まってんじゃん。」
「いや悠は他にも沢山友だち居るじゃん、前のクラスの関君とか。」
「いや、あいつはあいつで楽しかったけど、あいつ常に俺が振った女子を狙ったりしてたぜ?なんかハイエナみたいな目してたし。そんな友だちばかりの中に俺に対してなんの劣等感やおこぼれに預かろうなんて思っているハイエナみたいな友だちじゃない、親友ってやつは翔ちゃんしかいないんだよ。」
「ハイエナって中々酷い言い方だな。」
「いや、ここだけの話、裏も取ってるから事実なんだよ。」
こいつは一体どこで裏を取ったんだよ・・・。
ハイエナねぇ、確かに悠の周りにはおこぼれを預かろうと思っているのかは別として、利用してやろうと思っていそうな奴は少なからずいたけどな。
でも僕も悠を利用したりしてるし劣等感を持ったりしてるんだけどなぁ。
「あ、今、俺に対して劣等感持ってるって思ってるでしょ。翔ちゃん、顔に出てるぜ?」
「え?マジ?」
「翔ちゃんは分かりやすいからなぁ。」
悠はケラケラ笑いながら僕の心を呼んできやがった。
「翔ちゃんが俺に対して思ってる劣等感なんかそんな些細なもんは劣等感と呼べねェよ。」
「え?だって彼女持ちで羨ましいとか思うぞ?」
「そりゃ思ってるだろうけど翔ちゃんは、本気で思ってないからなぁ。人に興味なさそうな顔をいつもしてるし。」
む、それは心外だな。
僕にだってちゃんと人に興味持っているぞ?
これは一言行ってやらねば。
「心外だな。僕にだって人に興味持ったりしてるぞ。」
「ある程度は興味持ってるだろうけど、なんか仕事だから仕方なくみたいな感じなんだよ。翔ちゃん、人の名前覚えるの苦手でしょ?」
「まぁ、確かに苦手だけど。」
「初恋とかしたことないっしょ?」
「・・・まぁ、ないけど。」
「男子校じゃないんだから気になる子とかいるでしょ、俺は翔ちゃんが女の子に必死にアピールしている所をみたい。そして手伝いたいな。」
「なんか今日の悠、気持ち悪いぞ?」
「それ酷くね?!せっかく翔ちゃんの為を思って行っているのに!」
怒っている悠を無視しつつ今日の予定を頭に思い浮かべていると教室の前のドアが勢いよく開いた。
そこには一人の綺麗な長い黒髪の女子が息を切らしていた。
その瞬間チャイムが鳴り響く。
「な、なんとか間に合いました・・・。」
「峯岸、間に合ったのは嬉しい事だろうが取りあえず席に着け。」
「あ、先生。おはようございます。すみません、今つきます。」
「ほら、席に付けお前ら、点呼取るぞ。」
チャイムが鳴り響き彼女の一言、その顔を見た瞬間、僕は先生の姿を忘れ・・・。
僕は、 初めての“恋”をしました。
ここまで誤字脱字があるかとは思いますが読んでくださってありがとうございます。