15話
ガルスとエルと共に悠悠自適に過ごしていた数日・・・萌えすぎて確か3回は鼻血噴いて貧血の為に倒れた。そして、3回とも血相を変えた兄様2人に加えて父様までも仕事をほっぽり出してシャルトルーズ家に乗り込んできたのはいい思い出だった。
「心配かけてしまってごめんなさい。そこは謝りますし、反省しています・・・でも、でもね!!仕事をほっぽり出してくるような兄様達は大嫌いです!!」
何とかならない?との陛下からの手紙を掲げて怒れば、面白そうな顔をしたガルスとエルが勿論追い打ちをかけていた。特にエルは隣国の王族という事もあって、兄様達はたじたじだったのにはちょっと気分が良かった。
そんな3人 ――特に兄2人―― を散々説教してションボリと影を負わせたのは言うまでもない事だろう。父様の仕事は隠居された前皇帝陛下と共に公の場からは退いているのでそれほど重大なものではない筈だが、あの兄2人は現皇帝陛下の側近中の側近だろうが!!私でもその重要性が分かるぞ?!
「マティアス殿、フォルディナート殿対俺とガルスの二人で手合せ願いたい」
「ガルディス・・それにエルスガルド様が?それは一体どういう・・」
「本気の紅騎士と俺らが互角に渡り合えれば外出許可を頂こうか」
「誰のとかは言わなくてもいいですよね?勿論第3騎士練習場でお願いします」
その後日、改めてお見舞いに来た兄様達にエルとガルスがニコニコしながら言ったそんな一言に、珍しくも動揺したマティ兄様を見た。
悩みに悩んだ兄様だったけど、渋々と言った感じで許可をした。勿論それは隣国とはいえ王族に立てつくことなんて出来なかったから。あと、第3練習場は魔力を封じられたフィールドで、己の力量だけで戦える練習場だ。
その手合せはすごかった・・・そう、手合せ だ・け はすごかった。と言うのも互いの出した条件に呆れたから。因みに結果はエル&ガルス組の勝ち。元々魔力を抑えられているエルとガルスだったけど、武の国だけあってエルは強かったし、ガルスも留学していただけあって見た目とは裏腹にすごかった。一番力のある黒騎士のサイラス様だったら負けていたかもとの2人談だが、フォル兄様の強さも相当だったのにびっくりだ。
だがしかし、あのどシスコンで色騎士であるフォル兄様との本気の手合せで対等な力を見せたエルと、エルよりは劣るが相当体術を身に着けているガルスと一緒 ――尚且つ陛下直々に妹離れを誓わされた―― という事もあり、オリエントの森という事は言っていないけど屋敷外への外出を自由にされた。
と、まぁ・・そんなこんなで過ごした時間は意外と長くて、エルが来てから半月ほどは楽しんだ。
そんなことを経て、私がデザインした ――んで、縫製をリーシャ達に頼んでいた―― 服が出来上がり、2人共がその服や小物の数々に大満足してくれた。その上でのファッションショーではもうモデルが良いから大満足!勿論映水晶で2人を撮りまくってやりました。
エルは超ノリノリで、ガルスは少し呆れながらも異世界風 ――と、書いてコスプレと読め!―― の服がお気に召したようでとてつもなくいい笑顔が見れた!
そして、前々から言われていた“仕事”が始まる事になり、エルはそのまま国に帰り私とガルスは城に呼ばれた。その為私は今慣れない正装をして、ガルスと共に色騎士を始め重鎮を従えた陛下の座られる玉座の下で深々と礼を取っている段階である。
「ハハッ、そんなに畏まらないで2人共。この場は一応非公式なのだから後ろの彼らは気にしなくたっていいよ」
横を向く余裕もなかったのでガルスはどうだか知らないが、ガッチガチに緊張している私は重苦しい空気を遮った明るく透き通るような陛下の声にビクッと肩を震わせた。
陛下とは一度和やかに一緒にお茶をしたことがあるが、これだけのお偉いさん方に囲まれたこともなければ、これほどの重々しい空気も体験したことなく私はマジでビビっていた。
「・・レフィー、もう顔あげて大丈夫太だよ?」
「う、ぅん・・・ひぃっ」
多少の苦笑を滲ませたガルスに横から支えられるようにして顔をあげると、とても優しそうな陛下と目が合いほっとしたのだが・・・その背後に視線を向けると、呆れた様な重鎮の方々や騎士方の中に、険しい顔をしたマティ兄様とフォル兄様の姿を見つけ思わず悲鳴を飲み込んでガルスにくっ付いてしまったのはしょうがない事だと思うの。
さらに不機嫌そうなオーラを出さないでお兄様!!くっ付いてごめんガルス、でもなんでガルスは挑戦的な目で兄様達を見てるの?!わざとらしく煽るなよ!あぁもう私が悪いんだよ!
「う~ん・・さて、妹がかわいいのは分かるけどね。仕事だと、一体何度言えば分かってもらえるのかな?君たちは」
「申し訳ありません」
「以後、気を付けます」
「うん、そうしてね。私としても罰したくはないのだから」
―――その為の非公式の場なんだからね―――
と、聞こえたのは私だけじゃない筈だ。
陛下は私にとってはどこからどう見てもとても爽やかで神々しい笑みで見惚れるほどだったが、陛下のその笑みを湛えた視線を受けて兄様達は顔色悪く無表情に戻った。
そして、その場が落ち着いたのを確認した陛下は再度私とガルスに向き直って笑みを浮かべた。
「悪いね、2人共」
それからさっと片手を上げて合図をすると、部屋の後方にある控えの間の扉が開いて黒髪の可愛らしい女の子・・・もとい、第二皇子が登場した。
「ガルディス、君には前々から説明したとおりだ・・が、レフィールにはきちんとした話が伝わってないと思うからこの場で説明するね」
「はい」
「は、はい陛下」
「そう脅えなくても大丈夫だよ」と慈愛の笑みと言うのだろうか、微笑んだ陛下を見ていると強張った緊張が解けていく気がして不思議な気持ちだ。
「レフィーも知っているだろうけど、彼は私の弟で現在の皇太子の地位にもいるヴィンスだよ」
「・・お初にお目にかかります、殿下。レフィール・ウェルナールともうします」
「よろしく。ヴィンスだ」
陛下は玉座の真横まで来たヴィンス皇子の背を支えるように手を回して1歩前に立たせた。
軽く会釈をして私達を見下ろしているヴィンス皇子に、淑女の礼を取って深々と頭を下げた。
「こら、レフィー・・肩が震えてる」
「・・・っくふ・・だってぇ・・」
「はぁ・・まったく」
が、ぶっちゃけ1度とならず2度ほどあっているので内心は複雑だし、下げている為に陛下たちには見えていないだろうけど私は必死に笑いそうになるのを堪えていて、ガルスに横から窘められた。なんだよぅ、しょうがないじゃないか!
「さ、ヴィンスもガルディスたちの方へ」
「はい、兄上」
あ、相変わらず見た目と中身のギャップが激しい事この上ないな!美少女なのに、外見は超美少女なのに!声変わりもまだみたいで余計に・・駄目だ、男装しているご令嬢にしか見えない!!ぷふぅ―――っ・・。
と、内心大爆笑とガルスからの呆れた視線を何とかやり過ごし、ガルスの隣にヴィンス皇子が並んだのを確認した陛下がにっこりとほほ笑んだ。そして、マティ兄様も一緒にこれまでの事とこれからの事を説明してくれた。
私がガルスの所に長期滞在することになっていたのは、1番の理由は私に自立心を持ってもらう事の他、年の近い友達を作らせることだったらしい。その裏で、私の兄離れならぬ兄達の妹離れ計画も同時進行だったとか何とかは今のとこスルーしようと思う。
ここからが本題。その本題とは隣国の処刑された前国王の双子の妹姫の事。
本当はもう少し早くにシドラニアに来るはずだったらしいのだが、国が乱れすぎていたという事と、あの前国王の妹なんかを大国シドラニアに行かせて何かあったらどうするんだという声も上がっており、色々と大変だったらしい。
そして何とかやっと収拾がつき、色々な準備が片付き漸く妹姫がこの国に来られたらしいのだ。
「それで、一番信用でき血筋も問題ない君たちに学友になって貰おうと思ってね。アニス嬢の方が年上という事もあるが、魔力と体調面から言っても彼女の成人の儀がまだ出来ない事も問題だ。何より、君たち3人はこの国でも上位の魔力保持者だからね」
心配そうな表情で話される陛下の言葉を継ぎ、マティ兄様が私たちの方を向いて口を開いた。うん、真剣に仕事をしている兄様はやっぱりかっこいいと思う。
「アニス嬢は存在を隠されて過ごされていました。その為、長年魔力を極限まで抑えられていた事によって成長過程に支障が出ております。ヴィンス殿下とガルディス殿はこの国でもまれにみる魔力保有者なので、一緒に過ごす事によって長年抑えられていて歪んだ魔力の流れを正常に戻せるのではと魔術長たちからの見解になります」
そこで一度区切り、少し痛ましそうな表情で私を見てマティ兄様は再度説明を始める。
「・・・魔力の流れの正常化だけならお二人だけで良かったことですが、どのくらいの時間を要するのかがわからず、ご令嬢が成人の儀の前とはいえ男とだけ過ごすのは外聞も悪いですし、同性が入っていた方が安心だとの意見があったからになります。そしてその為に、同性の中からこの国の令嬢の中で一番の魔力保持者という事と、血筋から見てレフィーが選ばれたからです」
「兄様・・・あ、えっと宰相様?」
魔力量は多い方とは聞いていたけど、私の魔力は魔石によるもののはずでその上その中の末端に位置しているはずだ。それに何より、自分自身でもわかっているほど私はご令嬢とはかけ離れた性格をしているのだが・・・と、仕事口調ででも私の方を向いて説明してくれるマティ兄様に質問をしようとしてうっかりいつも通りに兄様と呼んでしまって慌てて言い直す。
はいそこ!ここは“兄様”呼びしたところを咎めるのであって、私が言い直したことに対して傷ついた顔をするな!
「私が許そう。正式ではないからお兄様呼びで構わないよ・・マティが今以上に使い物にならなくなったら困るからね」
「・・・はい、陛下」
しまったと言う顔をしてからマティ兄様に向かって渋顔を作った私と、一瞬パッと笑みになったのちに暗く沈んだ表情になった兄様を交互に見て、陛下がクスクスと楽しそうにそう許可を出してくれたことに・・・はい、ガルスも笑うのを堪えてんじゃない!
―――というか!今以上に使えなくなるって何?!私が言えた義理じゃないのは分かってるけど、仕事しろよ!しゃんとせいや!
色々とツッコミたい事が満載だが、ここは普通に話を勧めた方がいいよな?
ちらっとガルスを見ると、小刻みに肩が震えている。うん、私も早く爆笑したいわ。
「陛下・・・それから兄様もご存じのはずですが、私なんかで大丈夫でしょうか。アニス王女の友人など勤まるとは思えません・・世間知らずですので」
―――・・世間知らず如きで済めばいいけどね。との言葉はここでは飲み込む。
まぁ、深層のご令嬢と言う話だから高飛車とかじゃないとは思うし、どちらかと言えば大人しい方だよな・・・どっちにしろ不安だなぁ。
大人しい“世間知らず”なご令嬢だった場合が一番やばいと思うのだが・・。私が“普通”の令嬢と捉えられたら余計に。
そんな心配が顔に出ていたのか、陛下が玉座から態々立ち上がって私の目の前まで来られた。
―――ひぃぃぃっ!!お、畏れ多いって!!!
驚愕に目を見開いてしまった私の目線に合わせるように屈み、陛下はポンポンと私の頭に手を置いた。へ、陛下が簡単に玉座から離れていいのか?!
「心配性だねぇ、マティ達が過保護になるのも仕方ないね。でも、そこも含めて問題はないよ。レフィールの柔軟な考えと存在をアニス嬢も好まれるだろう。あぁ、それとアニス嬢は望まれて血縁の儀をされてね、今は王女ではなく“アルトス伯爵”令嬢だよ」
「あ、失礼しました」
「知らないのも無理ないよ。血縁の儀が行われたのは4日前だったからね」
ニコニコと微笑む陛下は私の肩に手を添えたまますっと立ち上がって、私の隣に居るガルスとヴィンス皇子に向き直った。
「君たちに過ごしてもらう場所は皇太子宮の奥の宮にて過ごしてもらう」
さらりと言った陛下に、私はただ単に広い皇宮の一角かぁ~やヴィンス殿下の私室の方ねぇ~位のことしか思っていなかったのだが、陛下の言葉を聞いたガルスは珍しくもぽか~んと口を開けている。
「え・・奥の宮って、一体どういう」
暫く呆けていたガルスだったが、良く分からない私が横からガルスを突くと何故かサァーッと血の気が引いたような顔をしてその隣の殿下へ勢いよく向き直った。
無視された私は拗ねちゃうぞ・・・陛下が慰めるように肩をポンポンと叩いてくれたので、成り行きを見守って置くだけにとどめよ。会話から分かるかもしれないし。
私が陛下をそっと見上げると、にっこりとほほ笑んだ陛下 ――・・・あ、眩しい!!―― は段を上り、玉座へ戻って行った。その姿を見送りつつも、ガルス達の方へ視線を向けると二人は向かい合って話をしていた。
「問題ない。議会で決まった事だ、反対する理由もない」
「で、でも・・ヴィー・・」
「あれが使用されるのは皇太子の成人の儀の後だ。それに、アニス嬢の事は公にする必要ない事だ・・・あとは」
顔色の悪そうなガルスに、ヴィンス殿下は顔色を変えずにさも当然と言う態度で話していたが、一度言葉を区切って私の事をちらりと見た。
「必要以上に、レフィール嬢を人目にさらしたくないそうだ」
「・・・あぁ、そういう・・・そんなんで、いいの?」
奥の宮は何か重要な所って感じはするが、アニス嬢の事はさて置いて・・何故に私が出てくるかなぁ?!
ちょっとそこの兄2人!!貴方達は一体全体っっ・・~~~議会をなんだと思っているのですか?!私用を入れ過ぎじゃね?!と、そんな私の疑惑の念が届いたのか、マティ兄様が首を振りながら口パクで何かを伝えてきた。
―――ち・ち・う・え・と・ぜ・ん・こ・う・て・い・へ・い・か・の・ご・い・こ・う・だ。
ちちうえとぜんおうへいかのごいこうだ。ちちう・・・あぁ、父上と全・・違うな、前皇帝陛下・・の、後以降・・・・じゃないな。う~ん・・・はっ!
もしかして、父上と前皇帝陛下のご意向だ。だったりするのだろうか?
いやいやいやいや、そっちの方が意味わからん!!何故前皇帝陛下が出てくるんだ?!
***
取りあえず、アニス嬢は現在リヒトおじ様の元教会の方へ身を寄せているらしく、城に上がるのはもう少し後とのこと。
ガルスと殿下は乳兄弟兼親友とのことでとても仲良しなので、まずは私を含めて仲良くなれよと話に出ていた奥の宮に連れて行かれた。
「殿下とガルスは同い年なんですよね?」
「・・・あぁ」
「珍しい事だけどね。正確に言えばヴィーの方がみつきほど年上だよ」
侍女が数名控えているが、私達は3人綺麗に手入れされているガーデンテラスにてお茶をしている。殿下好みのお茶で、初めて飲む味だが・・・近いところとしてはダージリンに似ているこの世界の物だ。言わずもがな、この宮に仕える侍女は絶対的な信用置ける侍女たちで、現在10名ほどだが数日後からは私付きの事情を知っている者がリーシャを含めて数名配属されてくる。ま、お針子部隊と呼ばれてる私付きの侍女だけどw
因みに、殿下の一番の好物のおやつは私が前回城来た際に陛下の側近の料理長に教えたプリンだそうだ。見た目に違わずかわいいな!
「へぇ~、そうなんだ。あれ、でもガルスって留学してたんだよね?普通は後々側近になるとかだったらずっと殿下の近くにいるもんじゃないの?」
私が今まで読んできた小説等ではそんな感じだった気がするが?そう思って口にしたところ、2人共キョトンとした顔をしている。
「ん~・・確かに、そうかもしれないけどね。僕が皇太子付きじゃなくてヴィー付きになることを望んでいるから、かな?」
「乳兄弟は基本ついてきてくれるからな。学友たちは皇太子付きになるよう指導されているけどな」
「何が違うの?」
はい、そこ女顔の皇子!残念な子を見るような目で見るでない。しょうがないなぁって顔でこっち向くガルスは大好きだよ。ごめんよ、頭悪くて!
「僕の他にヴィーの乳兄弟はもう1人いてね、彼は僕と入れ違いで今は北の隣国に留学中。あとは、今ヴィーは皇太子の地位にいるけど、もしも陛下に男児がお生まれになったら継承権第一位は移るんだ。それに、ヴィー本人が陛下に男児がお生まれになったらすぐにでも皇位継承権を放棄するつもりなんだよ」
「この国は平和だが・・いつ何時反旗を翻すともしれねぇからな。愚かな貴族も少なからずいる・・・俺は僅かな不安要素でもすべて消す」
苦笑しながらのガルスの説明にふんふんと頷きながら聞いて、とてもよく理解できた。すごいな殿下は、そこまで具体的に考えているだなんて!ちょっと尊敬するわ!しかし、やけに力の入った殿下の言葉には少し疑問が残る。
「・・・なんか、嫌に具体的だね。過去にそういうバカ居たの?」
思わずそう答えてしまった私は悪くないとは思うのだが、言い方悪かったかな。バカとか?
駄目ならダメって言ってよ!2人で顔見合わせて何かぼそぼそ相談しないで!!
「・・・だから、僕と彼はヴィーについていくつもりでいるからね。このままだろうと、臣下に下ろうと、どちらでもいいように人脈作りと勉強も兼ねて国外に出て行ってるんだ。本当はヴィー自ら短期留学・・・しようにもヴィーの兄姉が過保護だからね、レフィーと同じく」
話をそらされたと思わなくもないのだが、話しかけようとした私は少し遠い眼をして最後の一言を付けたしたガルスの言葉に勢いよく殿下の方を向いた。
殿下も少しうんざりと言ったような顔をしている。
「・・・苦労されているんですね」
「・・・分かってもらえるとはな」
同志よ!とお互いにしみじみ呟いたのは仕方ないと思うのだ。ただし、私も殿下もそれでも兄弟は嫌いじゃないけどねと付くからこそのこの溜息だろう。
それにしても、実際過去に何かあったのだろうか?そう思えるような殿下の言葉だったけど・・・相変わらず慣れない殿下のこの見た目と言葉使いのギャップ!
でも、笑い出さないくらいにはここ数時間で慣れてきたと思う。
「それより、お前いつまでそう呼ぶつもりだ?」
「何がです?」
2杯目のお茶も飲み終わり、侍女さんに珈琲のリクエストをし終わった私に殿下が少しつまらなそうな顔をして話しかけてきた。ガルスの方へちらっと視線を向けると、『ほら、言った通りでしょ』と言う顔をして軽く頷いた。
因みに今話していたのは、ガルスの家でエルとガルスと私の3人での冒険談や私が作った衣装の話などだ。
「エルとガルスはそう呼んでいるなら俺の事はヴィーでいい。元々殿下と呼ばれるのは好きじゃない。敬語もいらないし、俺もレフィーと呼ぶ」
「うん、分かった。それじゃあ私もガルス達と同じでヴィーって呼ぶよ」
「ん」
少し頬を朱に染めた殿下・・ヴィーは照れ臭そうにカップを口に運んだ。
『ヴィーは一度認めた者と言うか、内に入れた者にはとても情が深いよ。それに、あんな風に見えて意外と寂しがり屋と言うか、仲間外れは嫌いと言うか』
『あいつは見た目があんなんだろ?え~っと・・レフィーの国の言葉でこんぷれっくすって言ったか?少しでも男らしく見せようとしてんだ。ま、あれで剣の腕はそこそこ立つんだぞ』
言葉使いとかで俺様的な性格なのかなって思ってたけど、意外と親しみやすい性格みたいでこれからが楽しみだ。
とにかく、アニス嬢が来るまでもう少し!ヴィーとの交友を深めようか!
やぁっと王子を出すことで来た!次はアニス嬢だ!
そして、何故かマティ兄様がヘタレてきた・・・ダメだな、そっち方向へ持っていっちゃうよ。
っていうか、前回から1ヶ月近くたってた・・ぅわぁぁぁ・・(汗)




