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オタクですけど、何か?  作者: TAKAHA
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プロローグ

文才もなく見切り発車のためお目汚しになるかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです!R指定は保険です。

私の名前は愛豊あいほう 真琴まこと昭和生まれの29歳。


楽しい事が大好きで、自分自身でいうのもあれなんだけど、まぁ・・年の割には子供っぽいと思う。

ぶっちゃけて言えばブランド物やおしゃれにはとことん興味がなく極度のオタクと自他共に認められるほど。


尚且つレイヤーだ。


女だけど女キャラをやる時は女装といい、男装の方がしっくりくるし周りのお墨付きでもある。コスしたときは黙っていれば女だと分からないらしい。


家族との仲もいいし5歳下の妹は見た目も性格も180度違うが仲はいいし、懐いてくれている甥っ子はとてもかわいい。グッズを諦めてなんでも買い与えてあげたくなるほどとてもかわいい!!

「子供可愛いなぁ」とか「彼氏欲しいなぁ」とか思ったこともあるけど、今後の人生はと深く考えれば「面倒くさい!」の一言に尽きる。


自分自身の楽しみ優先の私ごときが人ひとり育てられる自信ないし、「男なんかに使う時間があるなら本を読みふけります!」と公言しているくらいだ。

極めつけに「ただのオタクなのでリアルの男に興味が出ないし結婚願望なしっす!」とか言っていたら、どれだけの人に説教されたことか・・・。




それでもないものはない!何度でも言ってやるさ、異性との付き合いも結婚願望など皆無だ。

今まで付き合ったこともないのに、結婚してその後を想像するだけで寒気がする。











とまぁそれは置いといて、その日は珍しく買い物がしたくなって家を出た。












丁度辞めたばかりで仕事もしておらず―――月4日もらえればいい休みに十時間以上の立ち仕事で休憩すらない時もあった、な―――今までハードな仕事だった分反動でゆっくりしたくて次の仕事も探してなかった。


取りあえずバカだけどバカなりに頑張っていたし、大好きな漫画や小説読んで絵をかいて過ごそうと決めていて、貯蓄はそんなにないけどそれほど贅沢しなければしばらくは過ごせると思っていた。





実家から車で20分ほどの所に住んでいるが、その20分がすごい差が出る私が住んでいる町。ほどほどな名所もあるし自然が豊かでいいのだけど、アパートから実家に帰れば温度が3度は違うしイノシシが出れば猿も出る。

勿論私の父は狩猟解禁になるとイノシシ狩りをしてくるので、家は普通の家なのだが倉庫の中には業務用冷凍庫が数台ある。



父が庭先で捌くんですよ・・・父の処理は完璧なので臭く無くて美味しいらしいが、あんなグロイものを見せられたら食えたもんじゃないって!



まぁ、それはさておきね。買い物に出た私は徒歩圏内にあるスーパーやデパートによくいくのだが面倒くさがり屋のこの私がこの日は何故か車で出かけたくて1時間ほどの距離にある大型デパートに来ていた。

買い物が面倒くさければ何も食べなければいいじゃない!を、素でやらかす私だ。その割に太っているのは、食べるときには食いだめするように2食分食べたりするから・・。





買い物に時間掛ける部類じゃないのでざっと興味を引いた店や好きな店を見てほしい物は買うといった感じだが、ある店から目が離せなくなっていた。

天然石のブレスレットとか置物、程々に好きだったけどこのセールって文字と何故か呼ばれているような気がしてわざわざお金をおろしてまで大量買いをしてしまった。


『後でこんなに買ってどうすんだよとか自己嫌悪するくせにさ・・』


心の中でそう自称気味に嘲笑って、でも好きなストーンやデザインがあって車に戻っていそいそと身に着ける。3つ開いているピアスホールには中々なかった石が埋め込まれたタイプのピアス。



―――私はカフス系が好きで、垂れ下がったジャラジャラしたものは好みじゃないのだ―――



一番好きなのはタイガーアイ。青赤黄色と三種類の質のいい好みのデザインが安かったらそりゃ買うでしょう!他にも数種類の水晶やアメジスト翡翠にオニキス、ラピスラズリにカーネリアンと買い過ぎたという自覚は勿論ある。

右腕にはとりあえず大きい石や小さい石でできたブレスを5つほどつけたらジャラジャラとまるで幅広のハングルを付けているかのような厚みと重さに自分自身への呆れと満足感で両腕を突きだしたまま笑い出す。

助手席にはドーナッツ型のチョコパンや安売りしていた調味料やお気に入りのコーヒー豆や紅茶葉が大量にある。


「うん・・・買い過ぎた。まぁ、しばらく切りつめないとなぁ~・・・一番くじも近くあるし」


まぁ巣籠りするつもりだしいっか~っと一人納得して、某有名コーヒーショップで買ってきたブレンドコーヒーを一口飲んでから車にエンジンをかけた。


オタクである私には一番くじは死活問題といってもいい。特に大好きなキャラがメインなときは食事を切り詰めようとなんだろうとやる。絶対にやる。開始日から暫くは近くのコンビニ巡りしてまで寝不足覚悟でやる。



妹に「おしゃれをしろ!」「彼氏を作れ」などと戒められても、―――え?可笑しい?毎回妹に怒られてますけど何か?―――ブランドもの?なにそれ美味しいの?と某有名なセリフしか出てこない。












とまぁ、色々考えつつも家に向けての帰路を車で走っていた私は不意に車を止めた。














「なんだ・・ここ?」


と、言わずにはおれない場所だった。

確かに自慢じゃないが、私は重症ではないにしろ軽度の方向音痴だ。何度か通った道ならわかる。





しかしだ・・目の前に広がるのは見たこともないような場所。

久々に通って「あれ?こんな所にこんな店なんてあった?」とか「ん?ここって更地だったっけ?」とかいうレベルじゃない。







行きで通ってきたのは間違えようもない一本道の4車線ある大通り、帰り道に選んだのは商店街とかある裏通り・・だが、こちらもほぼ一本道で家屋や店も多い道で間違えようがない道なのに目の前に広がるのは鬱蒼と生い茂る森。



















可笑し過ぎるってもんじゃない!何だこれは!田舎である実家なんか比じゃないくらいの自然豊かな森だ!!ここは上高地か屋久島か?!と叫びたいレベルである。


「いかん・・風邪が悪化したか、自分は寝ているのか」


見たこともない目の前の景色にハンドルにかけている両手の甲に額を付けて目を閉じてみるが、熱は感じない。




ーーーいや、逆に額は冷たいくらいだーーー




目を閉じたまま思いっきり両手で頬を挟むように叩いてみるが、ただ痛くて涙が出るくらい。


「やばい・・夢じゃないのか!私は今どこにいんだよ!!」


「あり得んだろうが!!」と勢いよくハンドルから頭を上げると突然感じた爽やかな空気。

私はこもった空気が嫌いで、冬でどんなに寒くってもよく車の窓を開けて走るが、あれ?と思う暇もなく、目の前の景色に絶句した。


「・・・・はぃぃぃぃ?!!」


目の前に広がるのは美しいまでの深緑に透き通った青い湖が広がっている。しかもダイレクトに・・・。




いやいやいや、ダイレクトとかありえないって!!ていうか私の車はいずこ?!私の大切なスペード!!グッツ以外に珍しく名前にトキメイテ借金覚悟で手に入れたスペードは!!?ちょっ・・ふざけんなよ!まだローンが残ってんのに!!







ーーー親にだけど!ーーー






あまりのことにボー然として辺りを見回すが、目の前に広がるのは上下左右360度の大パノラマ。




車の座席に座っていた私は大自然の中、石の上に座っていた。その横には先ほど買ったものが散らばっている。


「・・・・・」


取りあえず落ち着け、落ち着け自分・・と頭抱えていた私は不自然な自分の影に上を見る。


「・・・た、いよおぉぉ?」


空にあるは雪だるまのような・・いや違う、大小二つの太陽。いやいやいやいや、ホントかんべんして!あり得ないから、マジで2つとかありえないから!!























色々パニックになっていた私だが、暫くしていたら意外に冷静になってきた。

うんまぁ、とりあえずわ・・ねぇ。


とりあえず思い出すのは異世界とかトリップとかそういう言葉。


回らない頭で考えながらも少々暑かったので羽織っていたロングコートを脱いで腰に巻き、いつもはケータイと財布と鍵くらいしかもっていなかった私が珍しく持ってきていた少し大きめのカバンを拾い上げる。


どれほど捌くっても鞄の中に入れたはずの財布とケータイ、剰え車&家の鍵がなくなっていた・・・うん、とりあえずそのあたりは考えるのを止そう。


鞄の中に入っていたのは煙草やライターを始め―――吸っても吸わなくてもどうでもいいんだけと、何となくで喫煙者ですとも―――数本のペンとノートや自由帳。


すべてを出して、散らばったものをキチンと鞄一つに纏めながらネット小説や自分で書いていた小説を思い返す。ファンタジーや時代物などの小説を書くために調べた情報を色々と思い返しながら忘れないように鞄の中に入っていたボールペンでメモ帳に書き出していく。


「今の状況・・景色・・日本・・・・国内、じゃないよなぁ・・」


二つに見えた太陽は何度目をこすっても変わることはない。始めは雪だるまのように見えた2つの太陽は、今は少し離れている。

異世界トリップの王道は勇者や賢者扱い・・・無理無理無理無理、絶対無理!!私は元々ひきこもりで消極的だ!頭はよくないし言葉の裏を読むのは大の苦手だ。


IFを仮定して魔法が存在するのはいい―――仕えようが仕えまいが特に困りはしないだろう―――、妖精や聖獣や魔獣が存在したっていい―――自分の命が無事ならば―――。



何が一番自分に必要なのかはいろいろな小説を読んでみてわかる。



言葉が通じるかどうかと、この世界になじめるかどうか・・・帰れないにしろ死ぬ気はないので、できれば戦争など無ければ尚良い!!




さて、本気でどうするべきか・・。




途方に暮れるというのはこういう事を言うのだろうか。私は何とも言えない気持ちで空を見上げて、深い深~いため息をついた。

取りあえずロンTの重ね着とコートを着ていると汗が出るくらいなので、今が冬・・の様な季節ではないみたいなのでまぁ何とか・・・なればいいなぁ。


ど素人の為、もし何かお気づきの点がございましたら教えてくださるとありがたいです。

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