悪の幹部
魔美達の世界とは、異なる異世界。
高度に発達した技術は、まるで魔法の様であった。
彼らは、その技術を用い、繁栄を誇っていた。
そんな繁栄の裏には、当然の様に闇もあった。
魔法の様の技術を制御には、高度な知性を有した者の脳波が必要不可欠なのだ。
高度過ぎる医療技術により、不老長寿を得たこの世界の人類は、低過ぎる出生率が問題であり、当然の様に技術制御に用いる脳波を放つ人材不足が社会的な課題となっていた。
そんな課題を克服する一つの技術が開発された。
それこそ『擬似脳波発生装置』である。
これは、ある一定以上の知性体の脳を使用する事で、擬似的に脳波を発生させる事が出来るのだ。
画期的な発明と思われたこの技術だったが、すぐさま問題点が発覚した。
それは、必要とされる脳波を発生させるには、人類以外の生物の脳では、とうてい不十分だったのだ。
それが判明すると同時に倫理的、道徳的な問題が壁になりこの装置は、表向きには、流通することが無くなった。
あくまで表向きな話である。
公に出来ない場所では、様々な方法、死刑囚を始めとする犯罪者や経済的貧困者の脳を使用して作られた『擬似脳波発生装置』が高値で取引されていた。
そんな裏社会で大躍進した組織があった。
それが、『ウロボロス』である。
彼らは、『擬似脳波発生装置』に必要な脳を大量に確保し、それを取引することで莫大な富を手に入れていたのだ。
その入手経路は、謎に包まれていた。
『ウロボロス』のアジトの一室。
「またチュパカブラを失ったそうですね?」
眼鏡をつけたガチガチのインテリ女性にその倍の年の中年男性が身を縮めていた。
「それは、その、しかし、脳の回収は、順調に……」
「当然です。そうで無ければ、とうの昔に貴方は、組織から消されています」
言い訳を遮るインテリ女性、センテーに更に身を縮める中年男性、レフテット。
「チュパカプラは、我が組織が開発した、脳回収用の最新装置。異界の異常環境でも活動可能で、高い耐久性を誇っています。当然、それ相応の金額です」
センテーに睨みつけられながらレフテットがオドオドと告げる。
「その件なのですが、調査の結果、チュパカブラを倒したのは、『魔法少女』らしいのですが?」
それを聞いて苦々しい顔をするセンテー。
「『魔法少女』ですか。厄介ですね」
「厄介なのですか?」
問い返すレフテットにセンテーが呆れた顔をする。
「『魔法少女』も知らないのですか? 異界学の初歩ですよ」
「えーと学校の勉強の方は、あまり……」
言葉を濁すレフテットにセンテーが不機嫌そうに顔をしながら説明する。
「どの世界にも異界からの干渉に抵抗する存在がいるといわれています。有名なところでは、『八刃』や『十二支騎士団』等があり、そういった者の中でも一般的なのが『勇者』や『魔法少女』です」
「『勇者』は、ともかく、『魔法少女』が一般的なのですか?」
疑わしそうな顔をするレフテットをセンテーが睨む。
「異界からの干渉に対抗するには、強固なパーソナリティーが必要とされ、その構築に一番適しているのが第二次成長途中の少年少女。男子の場合は、武器を持って攻撃をする『勇者』であり、女子の場合が魔法を使う『魔法少女』なのです」
「しかし、所詮は、下位世界の人間、我々が本格的に戦力を投入すれば、容易く排除出来る筈ですよね?」
いまいち緊張感の無い答えを返すレフテットにセンテーが詰め寄る。
「本格的な戦力の投入? 何を馬鹿な事を言っているのですか? そんな事をすれば、神々の監視網に引っかかってしまいます。その為に、意思探査で発見されないチュパカブラを利用しているのです」
「ですが、それでは、『魔法少女』の妨害を防ぐ術が……」
レフテットの力ない言葉にセンテーが短い思案の後、妖しい笑みを浮かべた。
「貴方は、いまの地位のままで満足ですか?」
「それは……」
レフテットは、自分の半分も生きていない小娘に馬鹿にされる状況を快く思っていないかったが、学の無い彼には、脳取引を主だった商売に変えていった『ウロボロス』では、成り上がる術が無かった。
「『魔法少女』殺し、公式では、認められませんが裏社会では、立派なステータスです。それこそ本部への栄転も可能な程のね」
センテーの顔が先程までの冷徹な顔から男を全てを奪い取る淫婦のそれに変わっていた。
「しかし、先程の話では、本格的な戦力投入は、出来ないのでは?」
戸惑うレフテットにセンテーが一つの装置を見せる。
「本格的なのは、です。貴方一人なら発見される可能性は、極めて低いでしょう。そして、これは、我が組織が生み出した最新型の戦闘スーツ。これさえあれば貴方でも一級軍人と対等に渡り合える」
問題の装置を受け取り、唾を飲み込むレフテット。
「独りで『魔法少女』と戦えと言うのですか?」
センテーが距離をとる。
「その判断は、貴方にお任せします。正、これいじょうチュパカブラに被害が出るようなら組織は、貴方や貴方の家族に損害の補填を求めるでしょうね」
慌てるレフテット。
「か、家族には、手を出さないで下さい!」
肩をすくめるセンテー。
「あくまで予測です。貴方が『魔法少女』を排除すれば、幸せな未来が待っていますよ」
レフテットは、問題の装置を凝視する。
「早い決断が望ましいですよ」
そう告げてセンテーが本部に戻っていくのであった。
レフテットは、手帳に挟んであった家族との写真を見る。
そこには、幼馴染だった妻と結婚十年でようやく生まれた何より大切なまだ幼さが残る少女が写っていた。
「……やるしかない」
覚悟を決めるレフテットであった。
魔美達の世界の中学校。
「近頃、ナチュラルマミ出てこないね」
つまらなそう顔をする明美に光男が強く頷く。
「そうそう、何か政府の作った特殊装置って奴でチュパカブラを倒せなくても牽制出来るって感じでめっきりマミちゃんの出番が減ったよな」
「言い事だよ。魔法少女なんてふざけた者を頼りにするより、政府の人達が対応した方が確かなんだから」
魔美の言葉を一志が補足する。
「実際問題、その装置が出来てから、被害者の数は、明らかに減っている。所詮、魔法少女なんて個人に頼ろうと考えている時点で間違いだったって事だ」
「でもよー、結局のところ、チュパカブラは、倒せてないんだぜ? ただ単に問題の先送りにしてるだけじゃないのか?」
光男の指摘を一志が苦笑する。
「チュパカブラをただ倒すだけでも問題の先送りにしている事には、変わらない。本格的に問題解決するのだったら、チュパカブラを送ってくる大元、『ウロボロス』をどうにかするしかない。政府ならその対策も出来るだろうが、魔法少女にそんな事が可能だと?」
「何言ってるんだ! マミちゃんは、きっと今もその『ウロボロス』って奴を懲らしめる為に死闘を繰り広げて居るに決まってる!」
光男が力強く断言すると魔美が顔を引きつらせる。
「どうしてそう言い切れるの?」
「そんなの魔法少女だからに決まってるじゃない」
明美まで自信たっぷりに答えるのであった。
放課後、コンピューター部の部室。
「なんであちきが『ウロボロス』と死闘を繰り広げなきゃいけないのよ?」
顔を顰める魔美に一志が苦笑する。
「確かに、世のアニメでは、魔法少女が独りもしくは、少ない仲間と共に悪の組織を倒すって言うものがあるな」
「アニメと一緒にしないで! だいたい『ウロボロス』の連中ってこっちの世界にチュパカブラを送るけど、本人達は、来ない。死闘を繰り広げようも無いよ」
魔美の言葉に一志が頷く。
「そうだな。『ウロボロス』にとっては、このチュパカブラで脳の回収が出来ればそれで十分。多少効率が悪くなろうと、それが出来ている以上は、本格的な対処は、して来ないだろう」
「あちきは、一生、このままが良いよ」
少し疲れた顔で言う魔美に一志が淡々と言う。
「そうは、成らない。さっきも言ったが、被害が出ている各国の政府がこのままの状況を良しとする訳が無い。魔美の様な素養を持った人間を見つけて、新たな魔法少女を生み出す等の方策を見つけるだろう。そうなったら『ウロボロス』は、脳の回収が出来なくなって新たな行動に出ることだろう」
「その時は、その魔法少女に任せれば良いと思う」
魔美の素っ気ない言葉に一志が複雑な顔をする。
「僕もそれで良いと思うが。正直、嫌な予感がする」
「嫌な予感?」
魔美が聞き返すと一志が続ける。
「チュパカブラは、そう安いものじゃないらしい。それを魔美は、何十体も壊した。『ウロボロス』としては、無視できない損害が発生してる可能性がある。もしかしたら、魔法少女に対して何かしらのアクションを取ってくる可能性がある」
嫌そうな顔をする魔美。
「もしかしてそれって?」
そして一志は、ディスプレイに一つのライブ映像を映し出す。
「お約束の新たな敵の登場だ」
そこには、チュパカブラと同じ材質の戦闘スーツを身に纏ったレフテットが映っていた。
「行かないと拙いかな?」
面倒そうな顔をする魔美に一志が淡々と気楽に言う。
「準備だけして、傍観としゃれこもう」
少し時間が戻り、最初に事件が発覚した場所、多くの慰霊の花束が置かれた渋谷ハチ公口にチュパカブラが現れていた。
「皆さん、急いで避難してください!」
警察もマニュアルにそって避難を開始させるが、出会い頭に襲われた人々は、既に脳を吸われ始めていた。
警官達も、それには、どうする事も出来ないでいた。
そうしている間に隼人が指揮する特殊部隊がやってくる。
「『意思増幅棒』で牽制をしろ! 一定時間を過ぎれば奴等は、撤退する。これ以上の被害を出すな!」
一志が開発したステッキをベースに開発された特殊警棒は、持ち主の意思力を増幅し、力に変化させる。
物理攻撃が殆ど効かないチュパカブラにも少ないながらもダメージを与えられる。
「よし、今回もなんとか凌げそうだ」
チュパカブラの侵攻が止まったのを確認し隼人が安堵の息を吐こうとした時、それは、現れた。
チュパカブラの外皮と同じ材質の全身スーツを着た人間と同じシルエットのそれは、指先から光を出してチュパカブラの侵攻を妨害していた特殊部隊の一人を即死させた。
『邪魔をしないでもらおうか』(異界語)
「しゃべっただと?」
今までにない行動に隼人が一瞬だけ思考しそうになるが、直ぐに気持ちを切り替えた。
「B班、相手の指先から、射線を予測し、回避しながら接近し、集中攻撃せよ!」
特殊部隊の行動は、早かった。
そして、全身スーツの存在、レフテットは、慌てて連続して光線を放つが、戦闘経験では、まさる特殊部隊は、それを避けて一気に迫り、特殊警棒で打ち付けられる。
『下位世界の屑が!』(異界語)
レフテットの意思に答えて、スーツの全身が輝き、特殊部隊を吹き飛ばす。
「チュパカブラとは、明らかに違う。攻撃意思をもった存在……」
隼人は、危機的状況においても状況判断を継続していた。
そんな中、空中に光が集まり、ナチュラルマミが現れる。
「来たわね、悪の秘密組織、『ウロボロス』の構成員! あちきが退治してあげる!」
ナチュラルマミを睨むレフテット。
『貴様が魔法少女か!』(異界語)
「貴様が魔法少女か!」
ナチュラルマミの杖がレフテットの言葉が翻訳する。
「意味が通じないと困るかもって翻訳機能を付けてきました」
ナチュラルマミの説明を聞いていた隼人が問う。
「あれが『ウロボロス』の構成員だと言うのかね?」
ナチュラルマミが頷く。
「あちきのパートナーの予測では、あちきがあんまりチュパカブラを倒しすぎたから、あちきを倒す為に来たんじゃないかって」
『散々邪魔をしてくれて! お前を倒して俺は、出世するんだ!』(異界語と翻訳音声)
光を連射してくるレフテットにナチュラルマミは、杖を突き出す。
『鏡の精霊さん。あちきの声に応えてここに集まって! マジックミラーシールド!』
短縮呪文で発動したミラーシールドがレフテットの光線をあっさり跳ね返し、レフテットにダメージを負わせる。
『いてえ! こんなにあっさり跳ね返されるなんて聞いてねえぞ!』(異界語と翻訳音声)
その台詞に隼人は、既視感を覚えた。
「こんなやりとりを以前に体験した覚えが……」
その間もレフテットがさっきの全身発光攻撃などを続けるが、ナチュラルマミは、マジックミラーシールドを併用しながら遠距離から回避に集中する。
『ちょこまかするんじゃねえよ! 死ねよ! お前が死ななければこっちがヤバイんだ!』(異界語と翻訳音声)
隼人が思いつく。
「そうか、ヤクザの事務所を強襲した時の相手の態度と似ているのだ」
そう確信してから隼人が改めてレフテットの行動を観察する。
「『ウロボロス』についての情報がネットにのっている通りなら、非合法組織、端的に言えばヤクザの類。詰りこれは、シノギを邪魔する相手に対する報復行動なのだな」
そうこうしている間にレフテットは、疲労から肩で息をし始める。
『何でだよ! これを着てれば一級軍人と同じじゃなかったのかよ』(異界語と翻訳音声)
隼人は、呆れる。
「馬鹿な奴だ。どんな装備を使おうと、使用者が未熟ならその能力は、発揮されない」
そしてナチュラルマミがステッキを掲げる。
『大地の精霊さん。あちきの声が聞こえたら、その意思を示して』
地面から魔方陣の光が立ち昇る。
『なんだ! 何が起こってるんだ!』(異界語と翻訳音声)
その光の中心に居たレフテットが混乱する中、ナチュラルマミの呪文が続く。
『あちきは、悪い奴を懲らしめたいの。だから力を貸して!』
立ち昇っていた光が消えるが、地面に描かれた魔方陣は、残っていた。
『マジックグラビトン』
ナチュラルマミがステッキを振り下ろすと、レフテットは、地面に押し付けられる。
『グゲェェェ!』(異界語と翻訳音声)
暫くもがいていたレフテットだが、そう時間も掛からず動かなくなる。
それからナチュラルマミは、近づいてスーツを脱がすとこっちの世界の人間とは、多少髪や肌の色が異なる程度の人間が出てきた。
「翻訳装置を置いてきますんで、あとお願い!」
そういってナチュラルマミは、翻訳装置を傍に置くとあっさり消えていってしまう。
「急いで確保しろ! 剥がされたスーツは、チュパカブラ保存用のケースに入れて移送しろ!」
隼人の指示で特殊部隊がすぐさま行動を開始する。
警視庁の取調室。
「こちらの言葉は、解るかね?」
家久の言葉に拘束されたままのレフテットは、だんまりを通す。
家久は、慌てず、レフテッドが身に着けていた家族写真を取り出す。
「意外と家族思い見たいですね」
レフテットの頬を冷や汗が流れるのを見て家久がライターに火を点け、写真に近づける。
『止めろ!』(異界語と翻訳音声)
暴れるレフテットだが、拘束は、どうにも出来ない。
「質問に答えろ。こちらの言葉は、ちゃんと翻訳されているのか? 答えないなら……」
更にライターを近づけると慌ててレフテットが答える。
『通じている! だから止せ!』(異界語と翻訳音声)
家久が微笑む。
「最初からそう素直なら助かるんだよ。君には、色々と聞きたい事がある。まずは、『ウロボロス』について。本当にそんな組織が存在するのか?」
『存在する。需要が高い知性体の脳を非合法で回収し、高値で捌く事で組織の規模を大きくなっている』(異界語と翻訳音声)
レフテットが答えると家久が続ける。
「詰り、チュパカブラを使った脳の回収は、そちらの世界でも違法と言うことですか?」
『そうだ。元々、異界に対する干渉は、神々の意思に反する行為。ばれれば大変な事になる』(異界語と翻訳音声)
レフテットの回答に家久が思案する。
「宗教的な問題という事ですね?」
その問い掛けを鼻で笑うレフテット。
『神々は、実在する。それを解らないとは、所詮は、下位世界の人間だな』(異界語と翻訳音声)
横で聞いていた隼人が睨む。
「ヤクザ紛いの下っ端が偉そうな顔をするな」
『俺は、下っ端じゃない! 支部でも顔役なんだ! そりゃあ、脳のシノギがメインになってからは、大した成果を出してないが、それまでは、一番危険な場所に出てたんだ!』(異界語と翻訳音声)
激昂するレフテットに呆れ顔になる隼人。
「詰り、インテリヤクザが幅をきかせているんで立場が無くなった武闘派ヤクザって所か」
顔を真っ赤にするが反論できないレフテットに家久が質問を続けようとした。
しかし、突然苦しみだすレフテット。
「どうした!」
慌てて駆け寄る隼人。
「医者を呼んでください」
家久が直ぐに医者を呼んだが間に合わなかった。
「異界の人間だから治療が出来なかったのですか?」
遺体の検死終了後の家久の質問に医者は、首を横に振る。
「いいえ、肉体構造は、こちらの人間とそう大差は、ありません。例のスーツの内側に遅効性の毒が塗られていました」
眉を寄せる隼人。
「どういう事だ? なぜそんな物が塗られていた?」
「短い応答でしたが、異界に干渉するのは、かなりのタブーな事は、解りました。それを犯した人間を生かしておくつもりは、無かったと言うことでしょう」
家久の予測に隼人が顔を顰める。
「最初から捨て駒にするつもりでこっちの世界に寄越したって事か。しかし、折角の情報源を失ってしまったな」
「それでもいくつかの事が解りました。それにどうせこれ以上は、こっちの手には、残りません」
家久の声に応える様に外人が大量に入ってくる。
「この遺体は、我々米国が管理する」(英語)
隼人が睨むが家久が制する。
「了解しました。有効に活用してください」
血の一滴残らず持ちさられた後、隼人が問う。
「渡して良かったのか?」
家久が肩をすくめる。
「残念ですが阻止する手段がありません。それに遺体を調べたところで大きな収穫がありません。本命は、こっちですよ」
家久が翻訳装置を隼人に渡す。
「なるほどな、これに使われた部品から魔法少女のパートナーを探り出す訳だな?」
「そうです。あちらさんは、翻訳する相手が居ないからと気にしないでもらえて助かりましたよ」
家久の言葉に隼人が苦笑する。
「目先の物に囚われては、大きな成果が求められないって事だな。すぐに取り掛かる」
早速行動に移す隼人であった。
『ウロボロス』の存在する世界のレフテットの家。
「む、娘だけは許してください!」
レフテットの妻が必死に懇願するが、男達は、レフテットの娘への陵辱を止めない。
そんな様子を楽しげに見るセンテー。
「旦那さんの独断の行動でのチュパカブラと最新型戦闘スーツの損失による損害は、きっちりと払ってもらいますわ」
「助けて、お父さん!」
父親の死を知らずに助けを求めて泣きじゃくるレフテットの娘は、この後、長い地獄の様な日々を送る事になるのであった。
今回は、ウロボロス側の動きを入れました。
あまり背負わない魔美とは、対照的に周囲は、本当にハードです。
実は、途中に出てきた十二支騎士団というのとナナカレイは、微妙に関係があったりします。