さよなら...レアン
渚「結婚って...」
ナツメ「どういうことなの!!!」
突如ナツメたちがやってきた。
お前らさっきまでどこにいたんだよ!?
レアン「実は...父の薦めで最近お見合いをしたんです。
相手の方は東京で一流の株式会社の社長で。」
カモミール「もしかして...その人は『山武 文五郎』?」
山武文五郎...一流の株式会社の社長で40歳台のオッサン。キモデブ。
レアン「はい...」
カモミール「駄目よ!
それはあなたが愛人になるってことになるわ!!!」
そう、文五郎は既婚者で多くの愛人がいるとして知られている。
レアン「本当は...父の会社が借金で火の車ちゃって...融資の代わりに...ボクを差し出せと言われたんだって。」
畑中「酷い...」
レアンは目元に涙を溜めていた。
レアン「先輩...私は先輩と一緒にいて楽しかったです!
素敵なお兄さんお姉さんと遊んだり...先輩に勉強を教えたり...本当に楽しかった」
涙が後から後からこぼれていく。
レアン「もう会えないかもしれません。
だから...思い出が欲しかった。」
それだからあれだけ一生懸命に...。
と、突然俺とレアンと奈美以外の全ての時間が唐突に止まった。
渚「!?」
奈美「じゃあ、女神様からの贈り物です。」
レアン「奈美さん...?」
奈美「初めての相手がそんな不気味な男というのも嫌でしょ?
だから...今から一時間時間を止めましたぁ。
てへ☆」
奈美がいたずらっぽく舌を出した。
奈美「さあ!せっかくの時間でいっそのこと渚君の赤ちゃんでも孕んじゃお~☆」
渚「な///」
マジかよ...。
と...レアンが泣きながら俺の手を握った。
レアン「先輩...」
そして笑った。
レアン「初めての相手が先輩で本当によかった.....」
渚「フッ...辛かったらすぐ言えよ...」
俺たちはキスを交わすと茂みに隠れた...。
*********
奈美「一時間...経過っと」
奈美が指をパチンと鳴らすと時間が元通り進んだ。
俺たちは元の場所に戻って会話を続けた。
渚「レアン...大丈夫だ。」
俺はレアンの頭を撫でた。
渚「必ず待た会えるよ。」
レアン「先輩...えへへ。
そうですよね?
きっと会えますよね?」
レアンは間もなくやってきた黒い車まで走っていき...
レアン「また会いましょうね~!!!!!!!!!!!!!
さよならは言いません!!!
行ってきま~す!!!」
そう笑顔で叫ぶとレアンは車に乗せられていなくなった...。
いってらっしゃい...
が...
次の日...
レアン「ただいま~!」
渚「え?あれ?確か昨日...」
レアン「あれ、無しになったの。
私が処女じゃないからって理由で突っ返されたの。」
なんだよそのオチ...。
でも...よかった。
バッドエンドじゃなくて...
渚「またよろしくな....レアン」
レアン「はい♪」
今日の笑顔は奈美に負けないくらい輝いていた...。