夏祭り(後)
屋台を一日で辞めた俺たちは貯まった売上金で遊ぶことにした。
カモミールはいつもの黄色ショートの髪にモノクロの浴衣。
いつも履いてるハイヒールは下駄に変わっている。
ナツメさんは紫を基調にした浴衣に赤い腹帯、長い黒髪ストレートは団子にして簪をさしている。
畑中は芝草色の浴衣を身につけ手には絵の具セットを持っている。
奈美「行こう!」
渚「そうだ!
後で巫女の舞を見に行かないか?
あいつの特訓の成果を見てやりたくてさ!」
ナツメ「賛成ね」
畑中「じゃっその前に遊ぶか!」
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まずは射的。
ナツメ「スナイパー映画で鍛えられた射撃の腕をとくとご覧あれ!」
流れていく的を狙撃して俺たちが注文した物を片っ端から倒していく。
威力では倒せない物は弱点を狙撃して倒し...結果。
携帯ゲーム機6コを撃ち落とした。
フッと銃口に息を吹きナツメはドヤ顔で銃を返した...。
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奈美「型抜き...ですかぁ?」
奈美はお菓子でできた型を眺めた。
渚「爪楊枝で型を抜いて見事に抜ければ景品がもらえるんだ。」
奈美「私、やって見ます!」
奈美は型を貰うと爪楊枝を手にとった...。
三分後....
奈美「あうう...失敗しましたぁ...」
渚「ドンマイ」
俺は奈美の髪を撫でて隣を見ると...。
渚「スゲェ!!!!
六枚重ねて一気に型抜きやがった!?」
カモミールはドヤ顔で抜いた型を店員に見せた。
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カモミールはポ〇モンのゲームソフトを六つ貰うと袋に入れた。
根気のある作業得意だもんなぁ...。
カモミール「ん?
わたあめ...実に興味深い。」
渚「はいはい、買いたいんだろ。」チャリーン
俺は女性陣にわたあめを渡すと違う屋台で鯛焼きを注文した。
渚「あと10分か...そろそろだな。」
俺たちは舞台の前へと向かった...。
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渚「よっ!レアン!」
レアン「先輩!来てくれたんですね!」
舞姫装束に俺が鍛えた刀を携えたレアンはもう完全な巫女だった。
レアン「剣舞...絶対に成功させますから!」
渚「特訓の成果...見せてくれよ!!」
俺はレアンの頭を撫でて気合いを注入すると客席へと向かった...。
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奈美「こっちですぅ!」
客席に向かうと奈美が二人分を陣取って待っていた。
奈美「暖めておいたよ?」
渚「ありがとう。」
俺が座った時、舞が始まった....。
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回想)
レアン「いたっ!」
渚「駄目だぞレアン。
剣はダンスで使うステッキの感覚で使うな。」
剣の傷がレアンの頬に浮かぶ。
俺は絆創膏を貼るとレアンを立たせた。
渚「この舞には俺の刃物店としての意地もかかってる。
それを無駄にしないでくれ。」
レアン「うん...」
俺が鍛えた剣で舞いたいと言い出したのはレアンだった。
だから俺はみっちり扱いてきっちり舞えるようにしている。
渚「剣は魂なんだ。
剣は人と同じ魂を宿す。
だから剣を道具として見るな。
舞を二人で踊るイメージで行け。」
レアン「はい!」
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奈美「綺麗....」
女神が評価するほどのレアンの剣舞は観客を魅了し...拍手をもたらした...。
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レアン「先輩!」
舞が終わり、レアンが走り寄ってきた。
渚「お疲れ様。レアン。」
レアン「大変だったけど楽しかったです!
いい思い出...ありがとうございました!」
渚「そうか!そうか......え?」
どういうことだ!?
レアン「実は...ボク、結婚するんです。」