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夏祭り(前)

奈美「夏祭り...ですかぁ?」


奈美は皿洗いを手伝いながら言った。


渚「出雲大社前で屋台を開くんだ。


出し物は決めてないけど。」


俺はのんびりとお茶を啜る。


カモミール「焼きそばなんてどう?」


今日は久しぶりにカモミールが一泊二日の休みを取って俺の家に遊びに来ている。


渚「ありふれ過ぎじゃないか?」


新聞を広げていると...面白いネタを見つけた。


渚「ホルモン焼きでもやらない?


ホルモンを一口サイズに切り分けてさ。」


カモミール「確かに食べやすい」


奈美「ホルモン焼き?」


カモミール「内臓を料理にしたものよ。


身体の部位は余すことなくってね。


かの哲人―」


渚「長くなるから一旦切るぞ!」


俺は話を遮ると新聞を折り畳んだ。


渚「他に案ある?」


奈美「回転寿司はできますかぁ?」キラキラ


カモミール「さすがに屋台に回転寿司はきついんじゃない?


食い逃げする悪質な人もいるし」


奈美「それならご安心を」


出た!イザナミちゃんのご都合コンボだ!



奈美「冥界の力で必ずや即席回転寿司屋台を完成させましょう!」


回転寿司がすっかり気に入った奈美は食べ物の話になると回転寿司のことを喋り始める。


渚「まぁ...奈美の回転寿司もいいね...」


カモミール「ネタは私が用意するわ。


握れる?お二方」


渚「俺と奈美は時々手伝いしてたから大丈夫だよ。(あの時なんか奈美が回る寿司が捨てられるのを見て激昂。誰も取らずに捨てられそうな寿司を食い散らかす騒動まで起こしたからなぁ...)」



カモミール「じゃあ、回転寿司で決定ね。


今年はのんびりと寿司でも握ってるわ」


渚「俺たちも握るよ。」


奈美「レイアウトも考えましょう。」


こうして俺たち三人の一大プロジェクトが幕を開けた...。



ヤマタノオロチ「(-.-)zzZ」



*********


夏祭り前日...。


俺たちは屋台の設置作業を始めた。


畑中とナツメさんも参加して次々と作業が進む。


畑中「僕たちはレジ打ちとお金の管理をするよ。」


ナツメ「私に任せて。


こう見えても少林寺拳法と柔道マスターだから。」


渚「何金盗まれる前提で話進めてんだよ!?」


畑中「こういう時に限って不良共は狙ってくるんだ。」


畑中は袖を捲り眼鏡をかけ直した。



*********


そして当日...。



俺たちはみんな浴衣姿になって(ヤマタノオロチまで浴衣風のオムツを履いていた)スタンバる。



やっぱり奈美は似合ってるなぁ...。


大和撫子って感じ....ぶへぁ!?


ナツメ「はい、見とれてないで仕事!仕事!」


ナツメのゲンコツが俺の脳天にダメージを与えた。




カモミール「準備はいい?」


奈美「大丈夫でぇす。」


渚「じゃっ!開店!」



簡易冷凍庫を用意していたカモミールはネタの鮮度を確認、ナツメが酢飯を作り、俺と奈美が握る。


畑中は威圧感を出しながらレジ打ちをしている...威圧感は要らない。



回転寿司屋台はかなりの人気が出た。



なぜか知らんが美男子と美少女ばっかり来るぞ!?


なるほど!ナンパか!


悪いが忙しくて付き合ってる暇はない!


カモミール「もうすぐ売り切れ」


渚「早っ!?」


寿司はあまりにアブノーマルなだけあり飛ぶように売れ、開店から一時間後...売り切れた。


渚「完売~!!!」


俺は万歳した。


畑中「気を抜くことなかれ。」


畑中の視線の先には...ガラの悪い高校生(?)数人が耳打ちしながらこちらを見ていた。


奈美「私に任せてください。」


奈美はおしぼりで手を拭くと無謀にもそいつらの前に立った。


奈美「申し訳ありませんが完売してしまいました。」


奈美はペコッと頭を下げ、他にもグルが大勢居ることを確認する。


不良「そんなことは良いんだ、それより君可愛いね。」


奈美「何をご冗談を~」


不良「俺たちと遊ばない?


絶対飽きないよ?」


不良たちが醜い笑みを浮かべる。


一人が奈美の手を掴む。


不良「行こうぜ。」


だが奈美は...不気味な笑みを浮かべた。



直後...!!!


触った不良が金切り声をあげてのたうちまわる。


不良「助けてえええええ!!!!


身体から蟲が!蟲があああああああああああああ!!!!!!」



可哀相に...触った時点で奈美は強力な幻覚を打ち込んだようだった。


呪いは彼を媒体にグルたちを巻き込む。


不良「いやだああああああああ!!!!


死にたくない!!」


不良たちは身体を爪でえぐりながら悲鳴をあげる。



奈美は...ノホホンとした顔で戻ってきた。


奈美「もう大丈夫ですよ?


これで私たちをナンパしようと考える人間に戒めを与えることができました。」


渚「....................さっさと店畳むか。」


俺たちは急いで店を畳むと、怪しまれないように全部片付けた...。


*********


噂によればあの不良たちは手に負えないほどの悪でドラッグや飲酒などしてナンパしては女性に乱暴する最悪の連中らしい。


だが奈美の呪いの影響で彼らとその仲間は全員謎の発狂と精神崩壊とともに精神病院に押し込められたらしい。



もう屋台はやらない。


そう強く誓った俺たちだった...。

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