表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

ホワッツ?


魔界にトリップというものをしてから早一日。

そう、既に一日という時間が経過しているのである。血塗れ青年こと、ハスと魔王様とじゃれあってつかれた私はこれまた居心地の良いふかっふかなベッドと睡魔に襲われ夢の世界へトリップしてしまっていたのである。決して私は悪くない、高級ホテル以上にふかふかなベッドをだされたらそこで寝るのが日本人っていうものだ、高級ホテルなんてとまったことないけどな!だがきっと、あれは高級ホテル以上のベッドだとみた。


まあ、それはいいのだが私は今非常にお腹がすいている。


お腹がすいているのだ、ずばりハングリー状態。そりゃ、今の今まで寝てたからお腹がすいてるのは当たり前といえば当たり前なのだが。それに加えて体がべとべとして気持ち悪い、お風呂にはいらなかったせいだ。果たして魔界にお風呂は存在するのか、うーんと独りで考え込んでいれば魔王様らしき人物の声が聞こえた、人じゃないけど。


「何をそんなに考え込んでいるんだ?」

「ああ、魔王様……魔界ってお風呂ってありますかね」

「あるにきまってるだろ」

どうやらあるらしい、嘘ー悪魔が風呂につかっていい湯だ……とか言ってる姿想像できんわ。

「本当ですか!」

「ああ、俺が嘘をつくとでもおもってたのか」

「少しだけ」

「目から涙がでそうなんだが」

「嘘ですね、それとありがとうございます、お風呂入りたいんですけどどこですか」

「悲しくなるな、あそこを右にまがって四歩歩き、それから前の細い道があるからそこを進んで3分ぐらいのところにある」

「やけにくわしいんですね」

「俺は毎日三回風呂にはいらなきゃ嫌な潔癖症なんでな」

魔王様が風呂につかっていい湯だ……ってやべえよ、まじで。

ていうか三回って!魔王様は果たしてお風呂に入る必要はあるのか。必要性が感じられないのは私だけか。

「そういう男っていますもんね、じゃ、失礼します」


私は一言そう言って魔王様に軽くお辞儀をし部屋を後にする。


とはいったものの……


道がさっぱりわかんねえ!!

自分が極度の方向音痴であることを忘れていた、しまった……しかもお風呂にいくのは初めてなわけであり、普段よりも迷う可能性が大なわけである、てか100%の確立で迷う、これは決定事項だ。お母さんなんで私を方向音痴に産んだの!なんていってもお母さんはここにいないわけで無意味なのだが、あ、なんか自分でいったのに悲しくなってきた。自虐したいわけではない、何故なら私はMではないからな。


そうこう考えながら城内を適当に歩いていると城外のようなよくわからない場所にでた。


「うえ~……空気が淀んでて気持ち悪い……」


こりゃあ、完全に城の外にでてしまったようだ。

きた初日にみたのとまったく同じ状態で、禍々しさがキープされている模様。

それにこの空気というか、なんというか、いるだけで肌がぴりぴりするのだ、城内では感じなかったしきたばかりのとき、というか今もきたばかりではあるのだけど昨日はそれどころではなかったため迂闊だったかもしれない。私はもう少し考えて行動したほうが自分のためだなあ。


そんな時、不意に声が聞こえたのだ。


「……ねえ、君」

非常に振り向きたくない。此処にいるっていうことはほとんどが悪魔である、というか今は悪魔な私にフレンドリーに話しかける相手なんて悪魔しかいないのだ。


「ねえ、君、そこの君だよ」

どうやら私は振り向かなければいけないようだ。

「……なんですか」

警戒しながらも後ろに振り向き、みたくもない悪魔の顔を拝む。


「やっと振り向いてくれた」


其処に居たのはあれだ、お前どうしたらそういう顔で生まれれるの?

ってぐらいのイケメンだ。全国のブスに謝りなさい、私に謝りなさいと叫びたくなるほどのイケメンである、何なの?悪魔って皆イケメンなの?ずるいってそれ、遺伝子どうなってんの君達。


「ねえ、君って」

「黄身じゃないです」

「いや、そうじゃなくてき「黄身じゃありません、どちらかというと卵白、しろみ派です」

そう、私は卵で黄身が大嫌いなのだ。すき焼きとかで食べる分にはいけるし、ラーメンにかけるなら黄身がなくてどうする!となるし、目玉焼きだって黄身の部分と醤油のハーモニーにしろみと白米を食べるのがうまいわけだし、玉子焼きに黄身がないとソレは既に玉子焼きではない別物になるわけであるがゆで卵の黄身だけはどうしてもいけ好かないのだ。それが私である。

「いや、僕もどっちかというとしろみ派だけど……じゃなくて、はあ……名前、何?」

君と呼ぶのを拒否したのは私なわけだが、現在の自分の名前も好きなわけではないのであまりいいたくないが、そうなると私は一生君と呼ばれる羽目になるのでしょうがないので名乗っておこう。

「ブラッド、で、あなたは?」

「僕?シャルムだよ」

シャルムねえ、何語か忘れたけど確か意味は魅力。まあ、そんな名前に相応しいお顔をしてますもんね。


「ていうか、君さあ」

「何ですか」


「僕ば見て、何も思わないワケ?」


「ブッ……!」


思わず噴出してしまった。シャルムくんは何が可笑しいのとむすっとした顔つきで私を見ているが、噴出してしまうのもしょうがないと思う。だってさあ……自分で言っちゃったよこの悪魔!確かにイケメンだし、名前にあったお顔をしているけど少なくとも私からしたらあれだ、痛い人。そうとしか見れない、というか見れなくなってしまった。


「何も思いませんね」

はっきりとそう言えば、目を見開くシャルム氏。何がそんなに可笑しいのといいたいのは私のほうだ。

「いや、こう、なんかさ、ムラッときたり」

「ブッ……!」


本日二度目の噴出しである。



何この悪魔、自分にそこまで魅力を感じてるの?それは所謂ナルシストなの?

やべーよ、腹痛い。


「何であなたにムラッとこなきゃいけないんですか」

そう言えば、嘘だろ、有り得ないだのとぶつくさ呟きはじめ終いには嘘だあああああ!と叫び始めるシャルム氏はできれば他人のふりをしたい。いや、他人だけどね。


昨日ハスからみた私もこんなんだったと思うと悲しくなった。

そして私は昨日ハスにやってもらい落ち着いた方法を彼に実践するべく、又ここにきてからの私の力というものがどれぐらいなのか調べるべくシャルムくんの頭を自分の持っている力の限りを尽くし殴り飛ばした。


「落ち着け」


そう一言添えて。


にしても予想を斜め上以上にこえてシャルムくんはふっとんだ。

ていうか頭のこぶらしきものからぷしゅーという音と共に湯気があがっているきもするが気にしない。この体になったおかげ、せいともいうが、力が大幅にアップしたようだ。うん、確認しといてよかった。どうやらシャルムくんも落ち着いたようだし私の力も確認できたわけだから一石二鳥。


頭が腫上り、せっかくのイケメンが台無しになってしまっているシャルムくんは頭を抑えながらふらふらと私の前に立った。


「お、落ち着くから。後、君「ブラッド」ぶ、ブラッドは結構力あるんだね……でも……やっぱり何もかんじないわけ?」

「うん」

「へえ……やっと食べ応えのありそ、じゃなくて」

「いやいや、待て、今危ない単語が聞こえたんだけど」

食べられたくないんだけど、だっていたそう。自分の体が食われてく姿なんて見たくないし、悪趣味な。

「いやさ、僕、一応淫魔(サキュバス)なんだけど、ブラッドはきかないというか……なんかね」

「ホワッツ?」

「いやだから、僕淫「Nooooo!!」


淫魔ってあれだよね?性的お食事をする、アレ!!

何?私はもう少しでにゃんにゃんピー自主規制なことをされそうになってたわけか?!


「なんて奴だ」

警戒の視線をおくれば、変態(シャルム)はだけどと再び口を開き始めた。


「僕淫魔の中でも一番強いのに、君には効かないんだよね」

「何が?」

「ホラ、淫魔特有の色気っての?媚薬みたいな効果が淫魔自体にあるのに」


サラッと危険なことを言ったソイツは、

「でも、淫魔としてさ此処は引けないわけだから」


「また後日改めて機会をうかがわせて貰うよ」


そんな発言をし、私の頬に接吻を残し去っていった。


「な、な、な、なああああああ!!!」



独り残された私は、お風呂のことなど忘れ、そこにぺたんと座り込み頬に感じる熱を冷ますかのようにただ惚けていた……

わけではなく、怒りを感じながら今日出した力以上の力で奴を殴り飛ばすことを決意した。



その後、ハスというなの救世主に出会った私は無事お風呂にはいることができたのであった。

入浴シーンは私の発育の悪さがわかり虚しいだけなので割合させてもらう。




魔王様は基本的いじられキャラであり、かわいそうな人。

被害者ともいえる。

新キャラでました、サキュバスです、淫魔です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ