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第二の原因はコイツです。

耳に尻尾のはえた、血塗れのいかにも危険な奴オーラをプンプンさせている謎の青年は私に爽やかな笑顔を振りまいている。


「はっはっは。お前よく叫ぶなあ」


誰のせいだと思ってるんだろうね、笑ってるし、それもめちゃくちゃ爽やかな笑顔で。

きっとこの方はあれだろ、叫ぶお前が悪いんだとか思ってるんだろ。

こっちにきてから人間不信になりそうなんですけど、いやコイツ等人間じゃないけどさ。私だけ仲間はずれだけどさ!あ、自分でいってなんだか虚しいってか悲しくなってきた。



「で、お前とりあえずともだち?ほしいんだろ」


「は……まあ、そういうこと……ですね、はい」


とりあえず、無駄に何か発言したら相手がいくら馬鹿っぽそうであっても悪魔なわけだから殺されるかもしれないわけなので、此処は丁重に受け答えしておく。おいそこ!てめえがチキンなだけだろワロスとか言うなよ。わたしはここにきてから既にかなりの精神ダメージが蓄積されているんですよーだ。


「そこできけよ!おれがな、お前のそのともだちってやつになってやる!」

「はあ……」



え?ちょっと待ってくれよ。

いまコイツなんていったんだ?ともだちになる?

悪魔が人間と?はあ?悪魔と人間の交友なんて聞いたことないって、ちょちょちょちょちょ!まじで、ちょっとまってよ脳内がパニックをおこしております、ピピーエラー発生?んん?


だって、だって、悪魔と人間が友だちになんてなれるはずない。



だってさ、だって!悪魔は人間を嬲り殺すんだよ。

跡形もなく、消しちゃうんだよ。



だって私見たし、目の前で人間が殺されるとこ。

だって、だって!私も殺されそうになったんだ。



「いや、いやいや、ちょっとまってよ」


「なんだあ、そんなにいやなのか?」


「いやいやいや、そうじゃなくて!」


「そうなのか、じゃあともだちになろう」


「いや、そうなんだけどさ」


「えー、そんなにいやな「いやそうじゃないけど」



そのやりとりから二時間後。

私は非常にやつれていた。



「ゼエッ……ハア……」


疲れた、二時間同じことを言い合ってたんだ。

なんでこいつはけろっとしてるんだよ!それにさどうしてこうもともだちにこだわるんだ。私がほしいっていったからか?私が悪いのか!?でも誰もいないと思ったからいってたしさ、魔王様の悪口も聞かれてたしさ!あー最悪!

ゼエハアと息を切らす私を他所に血塗れの悪魔は項垂れながら、またこういった。


「……なあ、ともだちに「ちょっとまって!」


やっと、話の終止符がつけれそうである。

先ほどはコイツのペースにまんまとのせられともだちになって!いやいやいや!そんなにいやか!そうじゃないけど!じゃあなろう!の無限ループであったがもう違うぞ。



「私、人間だからね?なんで悪魔が人間な私とともだちなんかになりたいの!?っていうかなれるの!?」



ハアハアと息切れをしながら、そういってみれば血塗れの悪魔は目と口をあんぐりとあけた後、ギャハハと笑い始めた。なんてことだ、魔王に続きコイツといい、人の発言を何故笑う、無礼極まりない奴等である、常識のなってない奴等である。まあ、魔界だから常識も糞もないんだろうけど。



「……グッ……フフ」


グフフとか馬路キモイんですけどおと叫びたい気分である。

だがしかし私のそんな思いを裏切って、私の顔を見るとまたギャハハと下品な笑いをはじめたのだ。


「な、なにがそんなに可笑しいの!」


「ヒャッ……ヒャハハハ」


どんな笑い方だ、こいつは話せないのか、頭のネジが一本以上ぬけたんだな?そうなんだな。


「…クフッ……フ……ヒィー……はあ……、よし」


やっと落ち着いたのか、血塗れ悪魔くんはよしと言った後、お前人間じゃないじゃんと一言言い放った。へえ……。いやいやいやいや、ちょちょちょ待て!さっき以上に待ちやがれ。人間じゃない?私はれっきとした人間である、コイツみたく耳なんか生えてないし、尻尾だってないし、人なんて殺せないし、ていうか虫すらも殺せないかよわい乙女なのだ。二つぐらい嘘はいってるけども。


「なにをいってるのか、さっぱりだね、私は人間だ!」


ドヤ顔で言ってみればヒャハハハハと大きな笑いをした後、血塗れ悪魔は大きく息をすった。

そして再び口を開いたのだ。


「お前、ヴァンパイアじゃん」




私には信じたくもなければ知りたくもない爆弾発言を投下し。


「すまん、もう一回いってくれ」

「いやだからお前ヴァンパイアじゃ「バルス!!」




私の思春期がはじまった、第二の原因はコイツです。


思春期はじまりました。

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