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悪役令嬢後宮物語  作者: 涼風
にねんめ
223/237

転換の密談②

密談、後編です。


「――ところで、陛下。降臨祭の予定についてなのですが」

「あぁ、それもあったな」


〝敵〟を探り当てる策についての話が終わったところで、ディアナは数日後に迫るエルグランド王国最大の宗教行事について、ジュークへ話題を振った。降臨祭については、どうせ今日皆で話すからと、ディアナも最低限の情報しか仕入れていないのだ。

 ディアナの話題に乗っかってくれたジュークの視線を受け、ずっと控えてくれていたマグノム夫人が進み出る。


「今年の降臨祭に関しましても、昨年と同じく、ディアナ様には陛下とともに、ミスト神殿へ赴いて頂きます。昨年と状況は諸々変わっておりますが、ディアナ様が準王族の地位を与えられていらっしゃる現状、ディアナ様以外の方の同行は難しく……申し訳ありません」

「謝らないで、マグノム夫人。私はまだ、表舞台へ立てる身でないことは、重々承知していますから」

「わたくしも、ミストへ行くことに異存はないわ。今年は去年より落ち着いて旅程を楽しめると思うし」


 シェイラとともに場を取りなしつつ、今後、シェイラが表舞台へ立つときにディアナの〝準王族身分〟は邪魔でしかないから、早めに取り去ってもらった方が良いな、と頭の片隅に置いて。


「でも……そうなるとわたくし、また十日ほど、後宮から離れるのですよね」

「はい。ナーシャ様のお身体のことを考えると、それは少し、不安です」


 取り敢えず今は、目の前の問題を片付けることが最優先だ。ディアナの懸念点をズバリ突いてくれたレティシアに頷き、ディアナは室内の全員を見回す。


「今のところ、ナーシャ様の経過は順調です。処方していたお薬もきちんと最後まで服薬されて、体調はほぼ回復なさいました。もともとつわりで食が細くなり、体力が衰えていたことで、病に打ち勝つ力が弱くなってしまったのですね。熱が下がってからは食欲も回復傾向にあり、このまましっかり食べられるようになれば、遠からず、体調は安定するでしょう」

「良かった……ありがとう、ディー」

「お礼を言うのはまだまだ先よ。――胎児の成長にも、今のところ問題は見受けられません。このまま順調に育てば、来年の夏頃には出産されることでしょう」

「そうか……」

「――ですが」


 ここで言葉を切り、身体を捻って、ディアナは視線を背後へ向けた。


「妊娠中は、何が起きても不思議じゃない。十日という短い期間でも、今のナーシャ様を放っておくのは危険だわ。――リタ、頼めるかしら?」

「承知いたしました」


 ディアナの言葉を知っていたかの如く頷いたリタに、周囲から驚きの視線が注がれる。

 クレスター主従のトンデモっぷりを知っているクリスが微笑した。


「リタはディアナから薬草の知識を伝えられてるから、実はクレスター領内でもディアナに次いで動植物の薬効に詳しいんだよ。医術を学ぶディアナに付き従って、産院で実際に妊婦さんと接していたこともあるから、実践も慣れてる」

「主が何をしているのか実地で理解しておきませんと、いざというとき、お役に立てませんので。――ディアナ様が礼拝へ赴かれる前に、クロケット様へご挨拶いたしたく存じます」

「えぇ、お願いね」

「しかし……そうなると、礼拝へ赴かれるディアナ様のお世話が手薄になりますね」


「アイナとロザリーには、今年も降臨祭と年迎えの夜会の装飾を手伝ってもらいたいですし……」と難しい表情で考え込むマグノム夫人を、『紅薔薇の間』の侍女女官一同が、物凄く複雑怪奇な顔で眺めている。スタンザでのあれこれを経て、「ディアナの側には最低一人、正装を着付けられる侍女がいれば良い」と認識した彼女たちにとっては、侍女二人でも多く感じるのであろう。正直、昨年の夏に後宮入りしたディアナも「リタ込みで侍女五人とか多いなー」と思ったので、その感覚はよく分かる。ごく普通の貴族令嬢と違い、万年人手不足なクレスター家で育ったディアナは、掃除洗濯炊事に庭仕事と、身の回りの家事は一通りこなせるのだ。そんな人間に世話係を侍らせておくなど、はっきり言って人材の無駄遣いでしかない。


「まぁ……さすがにエルグランド王国内で『紅薔薇様』に配膳や清掃の手となって頂くわけには参りませんから、二人だと心許ないというマグノム夫人のお言葉も間違いではありません。アイナ、ロザリー、リタが後宮から動けないのであれば、私が出るべきでしょう」


 声を上げたのは、官身分として『紅薔薇様』の体面を気にすることが職務となりつつあるミアであった。ディアナに侍女は必要なくとも『紅薔薇』に侍女女官がついていないのはあり得ない、という理屈はよく分かるので、ため息を吐きつつ頷く。


「偉くなるのも本当に考えものよねぇ。自分でやっちゃった方が早いことも、人へお任せしなきゃいけないのだから」

「『紅薔薇様』としてのディアナ様は、我々にお世話されることも仕事の一つとお考えください。我々王宮叩き上げ組と同等の働きができるディアナ様からすれば、王宮のしきたりがまどろっこしいことは存じておりますけれど」

「王宮叩き上げ侍女と同等の働き……? ディアナ、あなたスタンザで何してたの?」

「国使の仕事の傍ら、主に掃除と洗濯、あとちょっとご飯に手を加えたりですとか?」

「ディアナ様の手際が良すぎて、正直ちょっと引いちゃいました……」


 ぽそっと落ちたロザリーの呟きにうんうん首を縦に振る紅薔薇侍女ズ。……貴族令嬢が掃除に長けているのはそんなに変か。


「クレスターの屋敷じゃ当たり前なのに……」

「クレスターの常識は世間の非常識だからねー。エリザベス様も普通に箒持つし、庭仕事の腕前は本職(プロ)級だし」

「まぁ、そんなディアナに実際のところ侍女は要らんが、『紅薔薇』として礼拝へ同行するのに侍女がついてないのも変だからな。ここは、メルトロワ女官のご厚意に甘えよう」


 クレスター組がさくさく話をまとめていくのを、呆れ切った眼差しで見る王宮組と側室たち。

 深々とため息をついて、マグノム夫人が手元の書類に何かを書きつける。


「――では、今年のミスト神殿礼拝の同行者は、女官としてミア、侍女にユーリ、ルリィを加えた三名ということで」

「あ、マグノム夫人。書類上でだけ、リタを加えておいて。わたくしの私的侍女であるリタが同行しないことは、あまり公にしない方が良いと思うの」

「承知いたしました。ですが、そうなると降臨祭の間、リタはどちらに……?」

「私の居場所はどうとでもなります、ご安心ください」


 ひらひら手を振るリタに気負いはない。シリウスの薫陶を受けたリタは、その気になれば『闇』に混じって隠密業務をこなせるレベルの凄腕だ。隠し通路盛り沢山なこの後宮であれば、嘘偽りなく〝どうとでもなる〟だろう。


「礼拝の方はそれで良いとして……後宮はどうするの?」


 ディアナ側の話が一段落したと見て、話題を後宮側へシフトさせる。ディアナの視線を受けたシェイラは、『名付き』の三人と頷き合って。


「昨年、マグノム夫人が発案くださった〝中庭での出店〟の評判が上々でしたので、今年も早いうちからお願いしております。昨年ご協力くださった商家に加え、評判を聞きつけて参加をご希望されたお店も増えたようで、今年はさらに賑やかなものとなりそうですわ」

「昨年の反省を踏まえ、人が多く集まりそうな場所には絶えず後宮近衛騎士を配置して、警備面も強化します」


 シェイラとクリスの説明に過不足はなく、ジュークとキース、アルフォードも問題ないとばかりに首肯する。

 ディアナも了承の意を示しつつ、シェイラへ向き直った。


「去年もそうだったけれど、降臨祭はいつもと空気がガラッと変わる分、向こうも浮き足立って何か仕掛けて来るかもしれない。充分に気をつけてね、シェイラ」

「えぇ、覚悟はしてる」

「でも……あまり気負いすぎないように。シェイラ自身も、お祭りを楽しんでね。後宮内で出店を開くなんて、側室の数が多い今だけの限定行事だろうから」

「……確かに、そうね」


 あからさまに気を張っていたシェイラが、少し力の抜けた顔になる。シェイラの立場で頑張らないのは論外だが、頑張りすぎても途中で息切れしてしまうだろうから、その辺の匙加減が難しいところだ。シェイラはもともとディアナより人に頼るのは上手だけれど、真面目ゆえに背負いすぎてしまわないよう、周囲へも後ほどフォローを頼んでおこう。


「えぇと、あと降臨祭関連で話してないことは……」

〈あ、ディー。降臨祭と直接の関係はないんだけど〉


 不意に、天井裏から真面目なカイの声が降ってきた。思わず視線を上へ向ける。


〈この前の、シュラザード侯爵の件。外宮でどうなってる?〉

「王宮内での狼藉だからな。シュラザード侯爵は今季の社交の参加資格を失い、王都の自邸にて謹慎の処分を受けた。人付き合いの盛んな家ではないから、庇う者も特になく、侯爵は既に自邸へ下がったと聞いている」

〈……てことは、今シュラザード侯爵領には、侯爵夫人と留守役の使用人しか居ない、ってことだよね?〉


 ジュークの説明を聞いて、何か考える声音になったカイを、皆が固唾を飲んで待つ。シュラザード侯爵とカイの関係性については、ヴォルツとデュアリスよりジューク、エドワード、キースへ伝わり、ジュークよりシェイラへ、シェイラより『名付き』三人へ伝わったらしい。とはいえ、聞いたところによると、ライアとヨランダは幼い頃、小規模な茶会の席でマリアンヌと出会ったことがあるらしく、侍女扮装したカイと彼女が似ていたことから、「ひょっとして」くらいは思っていたらしいが。

 やがて――室内が静まり返った中、ゆっくりと、カイの言葉が響く。


〈俺ね、ちょっと引っかかってることがあって。シュラザード侯爵って、昔はともかく今は人付き合いなんかほとんどしてなくて、王宮の夜会にすらほとんど顔を出さない引き篭もり、なんでしょ? ――そんな奴に、奥さんと顔が似てる侍女をちょっと見かけたからって理由で、気軽に連絡を取る人なんているの?〉


 室内全員が、意表を突かれた顔になる。貴族社会は人との関わり、繋がりを重視して当たり前のようなところがあるため、誰もが〝シュラザード侯爵に『カリン』の存在を伝えた人物〟の不自然さに思い至れなかったのだ。

 言われてみれば……王宮で役職を持って、国使団の出立式に立ち会えるような立場の人間とシュラザード侯爵が親しいのであれば、もう少しかの家の情報が中央へ届いて然るべきだろう。シュラザード侯爵家の現状がほとんど不明ということは、それを王都へ伝えられるような人間との関係が侯爵にはないという間接的な証明といえる。


〈ディーがめちゃくちゃ忙しいこんなときに、〝カリン〟を求めて傍迷惑な暴走してるシュラザード侯爵に、俺も一瞬キレかけた……まぁ、今もキレてることはキレてるんだけど。――キレた後でよく考えてみたら、俺をキレさせて、冷静さを失わせることが狙いなのかも、って思って〉

「カイから冷静さを奪って、どうするの?」

〈あんなのとの血縁とか、フツーに嫌じゃん? 放っておいたらディーの邪魔になることだって確定してる。それなら、俺はできるだけ早く排除するため動きたいし、王都の屋敷で謹慎中とかおあつらえ向きが過ぎるし……例えばそこに罠があって、シュラザードの王都邸に押し入った瞬間、血縁者を屋敷に縛り付ける霊術(スピリエ)なんかが発動したら、俺は強制的にディーから引き離される〉


 目を丸くする一同に、〈そういう霊術(スピリエ)もあるんだよ〉と解説するカイの声は苦い。〝あんなの〟との血縁であることを、心底苦々しく思っているのだろう。


〈俺の身柄が抑えられたら、父さんだって、ディーだって、思うように身動きが取れなくなる。人質云々抜きにしても、こっちは無国籍で好き勝手やってる無法者だから、王宮からの助けも期待できない。そうやって……俺自身が、ディーの〝枷〟になるパターンもあるな、って〉

「あの話聞いただけで、よくそこまで頭回ったわね……」

〈引っかかってた〝前例〟があったからね。――クリスさん〉

「……え、ボク?」


 突然名指しされたクリスが目をぱちくりさせるのを、横に立っていたエドワードが静かに見つめて。


「――それは、クリスの兄、グレイシー男爵のことを言っているのか?」

〈ご名答。さすがはエドワードさんだね〉

「おべっかは良い。どういうことだ?」

〈これも、貴族社会じゃよくあることなのかもしれないけどさ。そもそも、ディーとスタンザのエクシーガ皇子が〝親密〟って噂の発端は、シーズン開始の夜会でグレイシー男爵が暴走したからでしょ。で、グレイシー男爵も社交が下手で、そこまで信頼できる人間だと周囲から思われてない。基本は強そうな人間への擦り寄りとヨイショで乗り切るタイプ……で、合ってる?〉

「合ってるよ。続けて」

〈ん。そういう人って、本質的には小心者のケースが大半だと思うし、見た感じグレイシー男爵もそっち系だった。なのに、そんな人間が異国の火薬武器を懐に入れて王宮夜会に参加なんて、普通に考えたらあり得ないよね。……〝誰か〟からの入れ知恵とか、発破があったと見るべきだよ〉

「こちらもそう思って、探ってはいるが……」

〈その〝誰か〟は見つかってないって聞いた。――で、このグレイシー男爵は、クリスさん的には身内の恥で、血縁であることも忘れ去りたいような存在、なんだよね?〉

「……うん、そうだね」

〈でも、下手に血縁なもんだから身動きが取れなくて、エドワードさんもクリスさんとグレイシー家のことを思うと、あんまり派手な手が打てずにいる……でしょ?〉

「そんな説明を、以前、お前にしたな」

〈……似てると思わない? あのときのクリスさんと、今の俺〉


 カイの声音は、軽い口調とは裏腹に、深く、重い。


〈――ディーを巻き込んだ騒動を引き起こした、こっちから捨て去りたい血縁者持ちが、ディーと近しい間柄に二人、エドワードさんを含めれば三人居る。しかもその三人は、ディーにとっちゃほぼ〝身内〟だ。こんだけ狙い撃ちされてたら、たぶんこれ、偶然じゃないよ〉

「……シュラザード侯爵も、グレイシー男爵も、〝敵〟の策略で動かされているということ?」

〈俺は、そうかなって思った。あの夜、父さんとシリウスさんにも話聞いてもらって、二人も同意見だったよ〉


 裏稼業に従事している彼らは、ある意味、貴族社会を最も客観視できる観測者である。その中でもトップクラスの実力を持つ三人が同意見という事実は、馬鹿にできない。

 エドワードが、険しい表情で髪を掻き上げる。


「しかし……だとしても、グレイシー男爵は……」

「エド、ここまで来たらもうダメだ。グレイシー男爵家を潰しても、今はディアナを守らないと」

「お義姉様、しかし」

「――その件だが。エドワード、クリステル嬢」


 ジュークが敢えて、クリスを〝グレイシー団長〟ではなく名前で呼んだ。即ち、エドワードの妻として扱ったのだ。


「ヴォルツ伯父上やアルフォードとも相談して、少し、考えていることがある。グレイシー男爵の件は、一旦我々に預けてくれないか」

「ジューク……?」

「悪いようにはしない。最終的には、エドワードとクリステル嬢の希望が通るよう、こちらにできる手は尽くさせてもらう。……だから、クレスター伯爵家は一度、グレイシー男爵家から手を引いてくれ」


 ジュークの言葉は柔らかいが、彼に引く気がないことは、その眼差しから伝わってくる。エドワードはそんな友人と視線を絡ませ、クリス、ディアナと順繰りに見回して。


「……信じるぞ、ジューク。俺は、クリスから、もう何一つだって奪わせたくない」

「あぁ。――『(ルグラン)』と『(レスト)』の絆に誓って」


 ジュークと頷き合うエドワードは、傍目には分かりづらいけれど、ジュークの誓いに心から喜んで、瞳を輝かせている。……時間はかかったけれど、彼が憧れた絆が当代も紡がれたことに、ディアナも言葉にできない充足感を覚えていた。


「では、グレイシー男爵の件は、陛下へお預けするとして。シュラザード侯爵の方は……どうするの、カイ?」

〈下手に乗り込むのは敵さんの思う壺な気がするし、そもそも、まだ今回の件の全貌も見えてないからね。俺もディーの礼拝についてって、途中でシュラザード侯爵領へ行って、十九年前のこととか、今回の経緯とか、調べてこようかなと思うんだけど〉

「いや、それなら、最初から別行動の方が良いと思う。ミスト神殿とシュラザード侯爵領、結構離れてるわよ?」

〈そこは、ホラ。父さんに頼めば、たぶん何とかなるから〉

「なるんだ……遠距離をどうにかできる霊術(スピリエ)まであるの?」

〈前に、離れた場所へ瞬時に移動できる霊術(スピリエ)の話を聞いたことがあってねー〉

「あるんだ……」


 融通の効かない霊力者(スピルシア)であるはずのカイが多種多様な霊術(スピリエ)を使いこなせるのは、ソラの描く〝陣〟あってこそだ。これほど有能な符術師を失ったことは、ソラの故郷、旺眞皇国にとっても、相当の痛手なのではなかろうか。


〈俺はクリスさんと違って、シュラザード侯爵家に思い入れなんて微塵もないから、跡形なくぶっ潰すことは確定してるんだけどねー。俺をキレさせたのが敵さんの罠の可能性が高い以上、潰し方は慎重に考えないと〉


 声だけ軽いカイの言葉は、その内容がぶっ飛んで過激なことで、却って室内の温度を下げて。


「……あのね、カイ。侯爵はともかく、お家にはマリア様もおいでだから。潰すにしても、マリア様の現状を確認して、お気持ちをちゃんと伺ってからにしましょう?」


 この空気をどうにかしろという圧を方々から受けたディアナは、考えに考えた結果、たぶん方向性が間違っている言葉で宥めて、どうにかお茶を濁したのであった。




 そして、六日後。


「国王陛下、並びに紅薔薇様、御出立ー!!」


 華々しいセレモニーを終え、ディアナはジュークと共に、人生二度目となるミスト神殿への礼拝のため、後宮を旅立った。


 ――エルグランド暦四百十五年の降臨祭(レ・アルメニ・アースト)が、始まる。


次回より、にねんめ、降臨祭編が始まります。

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味方が増えましたね。本当、良かった。
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