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君がくれた私を離さないで?

作者: ausunoto
掲載日:2026/09/09

私の名前は

サシェ・リアイナ


人生に絶望している


まあ

良い事ないし



両親

共に不仲


この

息苦しい家族で

生きるために

良い子でいなきゃいけない



母の望む事はしてきたし


父の前では

機嫌を損なわないように

振舞った


おかげで

なんとか捨てられないでいる




いちおう

学校には通っている


それくらいのことは

してくれる両親だった


クラスメイトからは

「大人びてるね?」と

言われるが


なんか違う


そうしないと

生きていけなかっただけだ



自分でできることは

自分でしてきた



母も父も

面倒くさがって

してくれない


私がするしかない



だから

周りからは私が

大人に見えるのだろう


勝手に私は

”大人にされていた”




丘の上の公園で

夜空を見上げ星を眺めていた


趣味と言われれば少し違う


お金のかからない遊びを

思いついたのが これだった



流れる星を見つめて

私は魅入った


きれいとは違う


私は

”それになりたい”




「星が好きなのか?」


急に声をかけられた



だけど

もう

どうなってもいいと

思ってる私には

身構える必要がなかった




「好きとは違う

 私は流れ星になりたいだけ」



「なぜだ?」



「美しく輝けて

 一瞬で消えられるでしょ?」



「・・・・・」



「私も

 そうなりたいだけ」






長く生きても

良い事なさそうだし




寂しそうに

その男は


「・・・そうか」とだけ

つぶやいた







翌日



なぜか

その男に

つきまとわれてる


学校の制服

同じ学校だったの?


「・・・ストーカー?」


そう聞いてみると



「お前が

 放っておけない」



は?

意味が

わからないけど



すぐ飽きるでしょ


こんな

つまらない女


つきまとうだけ

損だって




まあ

やけに話しかけられたけど


まあいいや

話す事には飢えてたし


話し相手になってくれるなら

ちょっと めんどくさいけど




なんかやけに

質問してくるから


答えられる範囲で答えた



どうして

人生に絶望してるか


私の好きな歌のこと


星を見るようになった経緯



あれ?

話すのって

こんなに楽しいの?


知らなかった



あまりにも楽しいから

つい 話し込んでしまう





「なんか最近

 サシェって笑ってるね?」


クラスメイトに

そう言われて


え!?

って思った



「いつ!?」と聞いたら

マドナと一緒に居る時だけらしい



・・・私

・・・笑う事ができたんだ



なんか

人生わるくないかも?






今夜も私は

星を眺めている


好きとは少し違う


お金のない私が

できそうな遊びが

これくらいだっただけ


あと

声もタダだ




星と声


なんて

便利なんだろう



寂しい時や

悲しい時に


この星空に

歌声を響かせる



それだけで

それなりに

スッキリするのだから



そこに

バイオリンの

旋律が聴こえる



「・・・え?」と思って

振り向いたら


マドナが

バイオリンを奏でていた



「唄えよ?」

そう促すものだから


私は

想いのままに

感情のままに唄った



美しくて

心に寄り添うような

優しいバイオリンの旋律が

私の感情を加速させる




「・・・・・







          なんのために生きてるの?


          私には

          それが

          わからない


          星のように流れては

          一瞬で消えたいだけかもしれない


          私には何もない

          何もないはずだった


          だけど最近ね?

          妙に私に

          かまってくれる人が居る


          私は何故か

          いつの間にか笑ってた


          自分でも驚くくらいに


          私は

          笑う事ができたのね


          そうさせたのは

          君なんだよ?


          私の話を聞いてくれるから

          

          君がくれたんだよ?

          新しい私を

          

          私が笑えるのは

          君が居るから











「想いを歌詞にしたのか?」


「体験談だし」


「俺は君を

 笑顔にしてたんだな?」


「・・・だから

 ・・・ずっと笑顔にしてよ?」


「・・・・・」



黙り込むマドナ



「・・・ダメ?」


「・・・それさ

 プロポーズに聞こえるぞ?」


「・・・え!?」


「・・・・・・・」



笑い出したマドナ


彼が笑う物だから

私も つられて

笑ってしまった



「本当に

 笑う事ができる

 人生じゃなかったのか?

 そんなに笑ってるのに?」


「・・・・・・・・・」



いつの間にか

私は笑ってる




「・・・だから

 君がくれた私を

 離さないで?」


「・・・・・・

 ・・・離さなければ

 ・・・いいのか?」


「・・・うん」


「一生

 離さないぞ?」


「・・・君になら

 ・・・それが良いよ?」


「・・・・・・・」


「・・・どうする?」


「・・・・・じゃあ」



手を繋いできた




「・・・・・あの?」


「・・・・・まず

 ・・・・・この手を

 ・・・・・離さない」


「・・・・・わかった」





そうして

私の人生は

君に

捕まってしまった






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