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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

短編実験シリーズ

④バッドエンド

作者: 山田りく
掲載日:2026/05/21


『すーはー』


「おはよう」

「おはよう」


「今日も寒いね」

『うん。でも空気が澄んで美味しいよ?』


「すーはー」

『すーはー』


『ね!美味しいでしょ?』

「本当だ。でも、美味しいけど寒いね」


「こんな朝から水汲みとか嫌だね」

『ねー』

「でも早く終わらせないと、また婦長に怒られちゃう」


『水汲みもまともに出来ないのですか?貴方たちは』

「似てるー」


『あははは、じゃあいこうか』

「うん」


「はい、桶」

『ありがとう。一人2つとか腕が太くなりそう』

「だよね。これって男の仕事じゃないの?」


『まーまー、仕事は他にもあるから。薪とか割りたい?』

「それは嫌。そっかー、じゃあしょうがないか」


「井戸まで遠いのも不便だよね」

『だねー。旦那様金持ちなんだから、近くに掘ってもらえばいいのに』

「あー。旦那様は自分で水汲みしないから分かんないんじゃない?」


『あれ?あそこ』

「どうしたの?」


『柵が壊れてる』

「あれね、何日も前からそのままらしいよ」


『だめじゃない。ちゃんと直して貰わないと』

「ハンスさんが直すらしいよ」


『あの怠け者か…でも、大丈夫かな?』

「どうしたの?」


『壊れた柵をそのままにしておくと、人喰い熊が入るって…』

「なにそれ怖い」


『おじいさんから聞いたの…』

「やめてよ」


『ごめんごめん。早く終わらそ?』

「急がないとね」


『熊が出る前にね』

「っ…」


「やっと井戸だけど誰もいない」

『やった、一番乗りじゃない』


「…早く終わらそうよ」

『怖がりだなぁ』


「あっ」

『もう、ちゃんと持ってないから釣瓶桶落ちたじゃない!』


「ごめん…」

『もう一回…え?』


「きゃあああああああ」

『…本当に熊』


「あなたのせいよ!あなたがあんな話するから!あなたがなんとかしなさい!私は逃げるから!」

『あ、ダメ、急に動いたら…』


「痛い…助けて…痛い…」

『あ、あ、血が、それに…』


「………」

『ダメ…このままじゃ私も…にげないとでも、無理かも…』


『きゃあああああ、痛い、痛い、痛い、助けて、誰か助け………』


『………』

本作は会話のみの制約を設け、そこから物語がどう崩壊・収束するかを試した実験的短編です。

キャラクターの行動と会話だけで状況を進める構造を意識しています。

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