第十七章13 【覇王杯/オーバーロード・カップ/唯野 芳一チーム】88/【芳一】の第9班の展開(【フィクション・レジェンド三部作/フィクション・レジェンド・ノベル(虚構伝説小説)編】)6
【サーバド】による【鬼退治】という提案に【芳一/聞虚無】は興味を示す。
ただ、
『まんま、鬼退治というのも芸がないですわね。
わたくしの方で少しアレンジを加えてもよろしいですか?』
と聞いた。
【サーバド】は、
「ご随意のままに」
と答えた。
【芳一/聞虚無】は、
『では、こういたしましょう。
鬼は普通の鬼ではなく、寄生虫の様に何かに寄生をして力を為す存在とします。
ミラクルという意味の奇跡・・・では無く、鬼籍に入るという意味での【鬼籍】とかけて【寄生鬼】とします。
【寄生鬼】は、指一本ほどの大きさでその存在自体が核とします。
【寄生鬼】は何かに取り憑く事で異能を発動します。
例えば犬に取り憑けば、異能を1つ身につけ、犬から分離して、猫に取り憑けば別の異能を1つ身につけると言った様に。
【寄生鬼】は【死】からイメージした4つまで異能を得ることが出来るとします。
【寄生鬼】を倒すには、【異能効果】を斬りつけた対象に付与出来る【異能武具】という1本1能の武器を使用するということにしましょう』
と言った。
【サーバド】は、
「見事です。
さすがはお嬢様ですね。
あれだけの情報からもう、設定を決められるなんて凄いです。
感服いたしました」
と褒め称えた。
【芳一/聞虚無】は、
『お世辞は結構ですわ。
それよりも、善は急げです。
早速、【道化】を呼び出しましょう』
と言った。
すると、
『呼びました?』
と声がした。
【サーバド】が、すかさず【芳一/聞虚無】の前に立ち、
「お嬢様、お下がりを。
この者、ただものではございません」
と言った。
【芳一/聞虚無】は、
『良いのです。
・・・待ってましたよ【道化さん】。
お早いお着きで何よりです』
と言った。
【道化】は、
『ふむ・・・
いささか大物感が漂うのは気になりますが、まぁ、良いでしょう。
何が希望ですか?』
と言った。
【芳一/聞虚無】は、
『わたくし達の話を聞いてらしたのでしょう。
なら、わざわざ・・・』
というとそれを遮る様に、
『こちらに直接願いを伝えてもらう事に意味があるのですよ。
面と向かってって言葉があるでしょう?』
と言ってきた。
【芳一/聞虚無】は、
『それは失礼いたしました』
と言った。
これだけの会話だけで、【芳一/聞虚無】と【道化】のどちらもただものでは無い雰囲気が醸し出されていた。